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平凡JKと異世界帰りの自称名探偵  作者: アタリ・ツキ
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魔法とは

赤羽ヒロという男と出会って2週間が経った。彼は本当に異世界から帰ってきたらしい。そしてどうやらその異世界で起こった出来事を私に話したいらしい。


 いつものように学校での退屈な授業が全て終わり、私は帰る準備をしていた。今日は家に帰ったら何の本を読もうか、そんなことを考えていたらとなりの席の自称名探偵が話しかけてきた。


「二人で話がしたい。」


あまりにも真剣に言うので恋愛未経験な私は告白でもされるのではないのかと一瞬思ってしまったがすぐに異世界での話なんだろうと思った。彼と話すのはあまり好きじゃないけど正直異世界での話は興味がある。

 私と赤羽くんはこの教室で話すことにしたため他のみんなが教室から出るのを待っていた。最初の方は教室で友達と喋る人も多かったが、20分もすれば誰もいなくなった。すると赤羽くんは楽しそうに私に話しかけてきた。


「これから俺が話すことは俺が異世界に行ってすぐの頃に起きた出来事なんだ。でも3年間の旅の中でもとても印象に残っている出来事だ。」


「私はその話を聞くだけでいいの?」


と私は聞いた。すると赤羽くんはニッコリと笑いながら私を見つめてからこう言った。


「今から話すことはただの異世界ファンタジーじゃない。なんと異世界で起こった殺人事件だ。それも連続殺人事件。その真相をユミに解いて欲しいんだ。」


私は困惑した。話を聞くだけだと思っていたのに異世界で起こった連続殺人事件の謎を解かないといけなくなるなんて、しかもいくつか疑問が残っている。


「その事件っていうのは赤羽くんが異世界に行ってすぐに起きた出来事ってことは約3年前のことでしょ?そんな前の事件だからもしその犯人が今も捕まっていなかったら今更犯人を見つけ出すことは不可能なんじゃない、ましてや私はその場にいなかったわけだし。」


彼は両手を前に出して「まあまあ、安心して」と大げさに私を落ち着かせる動作をしたあとにこう言った。


「事件の犯人はもう捕まっている。つまり簡単に言えばクイズだよ。俺は答えを知っている問題を出す。そしてそれにユミが答える、簡単だろ。」


なるほど、それなら面白そうだ。初めて彼の話で楽しいと思える話題だ。


「じゃあ話すね。俺が異世界で遭遇した事件、『異世界ペンション連続殺人事件』について」


私を怖がらせたかったのかまるで怪談をするかのようなテンションで言った。私はあえて何も突っ込まなかった。


「この話をする前に異世界について、魔法について簡単に説明するね。」


彼のその発言に私は初めて気づいた。

そうか事件が起こったのは現実世界ではなく異世界で起きたのだ。現実ではありえないようなとんでも魔法で犯行をしたり、トリックを仕掛けたりするわけだ。というかよく考えたら私にそんな事件を解けるとは思えない。


「ちょっと待って赤羽くん、そんな世界の出来事なんて私の想像の範疇を超えてるよ。犯人なんて分かりっこない。」


「確かにこの事件は魔法が無ければ成功しなかった事件だ。だけど真相は実にシンプル、魔法というものがどんなものかわかれば真相もわかるはずだよ。」


そんなに言うなら聞いてみるか。


「俺が行っていた異世界には魔法が存在している。魔法の発祥というのは何十万年前かに存在していた神の力だ。その神というのが火、地、風、水の四人の神だ。そしてそこから火の魔法、地の魔法、風の魔法、水の魔法となっていった。」


その話を聞いて私は思わず口を挟んでしまった。


「火、地、風、水ってよく星座占いとかで聞く4つのエレメントだね。」


「女の子は占いとか好きだもんね、俺はよくわかんないけど」


赤羽くんはそう言ったあと話を続けた。


「この4つの魔法を元始魔法という。そこから何万、何千年とかけて魔法は増えていった。そして今では数えきれない程の魔法の種類がある。例えば水から氷、地から木とかね。そして一番重要なことは一人につき一つの魔法しか使えないということだ。これも例えると火の魔法を使う人は地も風も水も勿論それ以外の魔法も使うことが出来ない。これが事件を解く上で重要なポイントになる。」


確かにこの情報は大きい。例えば焼死体があったとする。その場に火、地、風、水それぞれの魔法使いがいた場合、火の魔法使いが犯人だとすぐわかる。


「これらを踏まえて『異世界ペンション連続殺人事件』の犯人をユミに当ててもらう。期限は明日のこ

の時間。じゃあ話していくね。」


「うん」


私はそう言った。赤羽くんは私の目をじっと見つめ静かに話し始めた。


「これは俺がまだ駆け出し冒険者の頃の話だ…」




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