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平凡JKと異世界帰りの自称名探偵  作者: アタリ・ツキ
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「反撃の時間だ」

「反撃の時間だ。」この言葉に私は違和感を抱いていた。なぜなら赤羽くんはついさっきこのようなことを言っていたのだ。「生き返った直後は死ぬ直前の記憶がない」と、なのになぜ今復活した直後に「反撃の時間だ。」と今自分が殺されたことを知っているかのような発言をしたのだろうか。


考えろ、考えるんだ、赤羽くんの言葉の真意を。私には推理することしかできない。少しでも赤羽くんの役に立つんだ。思い出せ、今までの赤羽くんの言葉を。


その時私は思い出した。


『戦いの中死ぬと生き返った時の行動が遅れちゃうから。』


そうか、わかった。赤羽くんは戦いの中死んだ時に、敵に自分が直前の記憶が無くなっていることを悟られないようにするために、毎回『反撃の時間だ。』と言っているのだ。これを言うことによって相手は反撃がくるかもと身構える、その短い時間で赤羽くんは状況を飲み込むのだろう。思い返すと、教室で生き返った時も何か喋っていたように見えた。


私は1秒程でこの答えにたどり着いた。そして今私がやるべきことはただ一つ。


「謎の光とともに現れた白スーツが不意打ちで赤羽くんを殺した!!!」


私は生き返ったばかりで直前の記憶がない赤羽くんに向かって大声で今の状況を説明した。

直後、赤羽くんは炎とともに目にもとまらぬ速さで動いた。それは本当に目で追うことが出来ない速さだった。

そして気づけば、白スーツは仰向けに倒れていた。赤羽くんは倒れている白スーツの上に座り、右手を白スーツの顔に押し当てていた。


「不意打ちなんて酷いじゃないかガク。それよりも何が目的だ、正直に答えろ。少しでも変な動きしたら、お前の顔面燃やすぞ。」


赤羽くんは白スーツに向かってそう言う。白スーツの名前はガクというらしい。


ガクは赤羽くんに異世界語で何か言っている。その途中赤羽くんはガクの話を遮って私の方を指さしながら言った。


「ちょっと待て、その話はあそこにいるユミにも聞かせたい。だから翻訳が必要だ。」


その言葉を聞いたガクは酷くあきれているようだった。その後、ガクが肘を曲げ、手のひらを上にかざすとまたさっきと同じように光った。そして光り終えると手のひらには瓶のようなものがおいてあった。

赤羽くんが瓶を取って私の方に向かってくる。


「これを飲んでくれユミ。」


いやいやいやいや、謎の光とともに現れた異世界の飲み物なんて飲みたくないんだけど。

と思ったが本音をオブラートに包んでこう言った。


「これ何?ちょっと飲みたくないんだけど、、、」


赤羽くんがニコッと笑う。


「安心して、毒とかそんなんじゃないから、これは『翻訳飲料』これを飲むと異世界の言葉がわかるようになるし、自分の一番使う言語、俺たちだったら日本語が異世界人に伝わる。でも、『ゲーム』『バトル』『タイム』などの日本人が当たり前に使う英語も日本語として翻訳される。要は自分が日本語のつもりで話していれば伝わるということだ。」


赤羽くんも異世界召喚された時にこれを飲まされたのだろう。だから赤羽くんはガクと会話できていたのだ。


「俺も飲んだから大丈夫だよ。」


「わかったよ、仕方ないな。」


私は渋々飲んだ。


味は全くしない。水よりも味がしない、舌触りも心地良い。まるで何も飲んでいないかのようだ。


「僕の言葉わかりますか?」


一瞬今誰がしゃべったかわからなかった。しかしすぐに声の主がガクであるとわかった。


「全く、翻訳飲料割と高いんですよ。こんな子に使って何するつもりですか。」


ガクは不機嫌そうに言う。


「いいから、俺はユミと相談して決めるつもりだから。」


一体何の話をされるんだ?面倒なことじゃなければいいんだけど。



読んでいただきありがとうございます

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