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平凡JKと異世界帰りの自称名探偵  作者: アタリ・ツキ
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元勇者密室殺人事件 指紋

赤羽くんが殺害された日の昼、私はいつも通り美波ちゃんと昼ご飯を食べていた。


「ねえねえ聞いてる?」


美波ちゃんが顔を近づけてきて、自分がぼーっとしていることに気が付いた。


「あっごめん、考え事があって…それで何の話だっけ?」


「河合のことだよ、ユミが今日一日中なんか考え込んでたからまた河合に何かされたんじゃないかって思って。」


「河合さんのことじゃないよ、そのことは解決してるから。」


いけないいけない、犯人がどうやって密室にしたのかを考え込んでいただけなのに、美波ちゃんを心配させてしまった。美波ちゃんには色々助けられてるからあまり迷惑をかけたくない。


「もしかしてユミ、私に迷惑かけたくないとか思ってる?ユミが私に何か相談事があっても私はそれを迷惑だなんて思わないからね。絶対私はユミの力になるから何でも言ってね。」


真剣な表情で美波ちゃんは言った。美波ちゃんがこんなにも私のことを考えてくれていると思うと涙が出そうになってしまったが、こらえた。


「今日考え込んでたのはほんとに大丈夫だよ。でももし私がつらい思いをして、誰かに相談したくなったら真っ先に美波ちゃんに相談するから。」


「ならよかった!」


美波ちゃんはいつものあたたかい表情に戻った。


「ちょっと暗い話になっちゃったから、なんか楽しいことはなそ。」


「そうだね」


昼食を終え、私は次の授業の準備に入っていた。美波ちゃんと話して気持ちがすっきりした。そしてなぜか推理の方もはかどった。さっきまで閃かなかったことが頭に思い浮かぶ。


そういえば赤羽くんの左首に刺さっていたナイフ、あれ斜めにさされているように見えた。しかもあの刺されかただとナイフは上から刺されたような形だ。でもそんなの不可能じゃ、、、いや、あの方法を使えば可能だ。でもそれだと別の弊害が出てくる。そもそも密室なのはおかしいんじゃないか、、、

ん?なんかわかってきたぞ、でも確証が持てない。他に決めてになるものがあれば…


隣の席の赤羽くんが戻ってきた。


「あ~腹減った~」


「え?今の昼休みの時間にご飯食べなかったの?」


「そうなんだよ。」


なぜだろう、いつも授業を退屈そうに受け、昼食の時間を何よりも楽しみにしている赤羽くんが。


「実はさ、」というと赤羽くんは私の耳に顔を近づけてきた。


「科学室でナイフの指紋を取ってたんだよね。」


そんなに近くで言わなくても、


「なんかユミ耳赤くね。」


それを言われて私は一層耳が赤くなるのを感じた。


「いつもこれくらいだよ!そんなことより指紋はどうだったの?」


正直指紋が出たところで誰の指紋かなんてわからないからあまり興味がないが、せっかく赤羽くんがやってくれたわけだし聞かないわけにもいかない。


「それが、指紋は一つも検出されなかった。」


「そうだったんだ、残念だね。」


つまり犯人は手袋をしていたか、犯行後に指紋を拭きとったのかどちらかということになる。

あれ?それっておかしくない?なんでそんなことが…そういうことか!!これなら全ての辻褄があう。


「赤羽くん、私犯人が誰かわかっちゃった。」


「マジで!今回は解くのかなり早いね。流石俺が見込んだ人間だ。」


嬉しいような嬉しくないような、、


「まあとりあえず、今日の放課後にこの教室に残って。そこで事件の全てを説明する。」


「わかったよ、楽しみにしてる。」




読んでいただきありがとうございます

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