表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平凡JKと異世界帰りの自称名探偵  作者: アタリ・ツキ
20/45

早朝の教室で

人を好きになったことのない私がまさか赤羽くんのことを好きになるとは、どこに惹かれたのかは自分でもわからない。でも赤羽くんのことが好きだという気持ちは確かだ。この気持ちは隠し通そう、誰にも気づかれてはいけない、純粋に私の推理を楽しんでるだけの赤羽くんや、これからの私の為にも。


明日の朝早く学校に来てって赤羽くんに言われたけど、一体何の用だろう。やっぱり河合さんの件かな、

とにかく明日の朝は早起きしないといけないな。


その夜はあまり眠れなかった。赤羽くんへの思いに気づいてしまってから明日のことが気になって仕方がなかったのだ。それでも私は明日の為に無理やり寝た。


いつもより45分早く起きた。お母さんはまだ寝ているので自分で朝ごはんを用意した。急いで食べ終えると歯磨きをし制服に着替え、その後私は鏡に向かった。前髪を念入りに整えたり色々していたら普段よりも鏡にいる時間が長くなってしまっていた。その頃にはお母さんはとっくに起きていた。


「おしゃれに目覚めたのユミ?」」


お母さんにそう言われてなんだか恥ずかしくなってしまった。


「そんなんじゃないよ!もう行くからね、行ってきまーす。」


私は話を無理やり終了させて家を出た。


いつも通りの道を歩いているだけなのになぜか私の胸はそわそわしていた。学校に近づくにつれてそのそわそわも大きくなっていった。

学校に着いた。普段より家をかなり早く出ているので学校にはほとんど生徒の姿がなかった。靴を履き替え教室に向かった。階段を上り終えるとすぐそこが教室だ。

教室に到着した。私は緊張からか下を向いていて教室の中を見れずにいた。だから赤羽くんが教室にいるのかどうかも確認できていなかった。私はそのまま下を向いたまま教室の引き戸を開けようとした。しかし扉は開かなかった。

うちの学校では一番最初に来た人が職員室に鍵を取りに行って鍵を開けるシステムになっている。つまり私が一番最初にこの教室に着いた人ということになる。


まだ赤羽くん来てなかったんだ、ちょっと早すぎたかな。


赤羽くんが来てないと思ったからか少しだけ緊張がほぐれた私は顔を上げて教室の中を見た。そこで私はとんでもないものを見てしまった。そこには人が大の字になって倒れていたのだ。さらにその周辺には血が広がっていた。そしてよく見ると倒れている人が赤羽くんだったのだ。そして赤羽くんの首には何かが刺さっていた。


そんな…


私は急いで引き戸を開けようとしたが鍵がしまっているので当然開かない。

前の扉が開かないなら後ろの扉だ。

しかし後ろの扉も開かなかった。それどころか教室の窓も全てが開かなかった。これじゃ完全に密室じゃないか。


どうしよう、何をすればいいんだ。


倒れている赤羽くんを見て私はパニックに陥っていた。しかしその後私は信じられない光景を目の当たりにする。赤羽くんの周りの血が突然動き始めたのだ。そしてその血は赤羽くんの首元に向かって進んで行き、そのまま首の中に戻っていった。その過程で首に刺さっていたナイフのようなものが首から抜けていった。そしてしばらくすると血は一滴もなくなっていた。さらにさっきまでびくともしていなかった赤羽くんが何事もなかったかのように立ち上がったのだ。


不死身というのはこういうことだったのか。話で聞くよりずっと生々しい。とりあえず赤羽くんが生きてて良かった。


赤羽くんは教室の外にいる私に気づくと引き戸まで歩いてきてそして内側から鍵を開けた。


「おはよう、ユミ。」




読んでいただきありがとうございます

ブックマークや★★★★★もお願いします

誤字脱字報告もお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ