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平凡JKと異世界帰りの自称名探偵  作者: アタリ・ツキ
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異世界ペンション連続殺人事件 推理編2

私はその日、事件のことばかり考えていた。一体誰が何のために起こした事件なのかを。

当然そんなことばかり考えていたら授業に集中できるはずもなく、それに気づいたのか、先生に積極的に質問されてしまう羽目に合った。しかし私は一連の事件について、何か掴めそうな気がしていた。


休み時間に入った、友達の美波ちゃんが心配そうに声をかけてきた。


「ユミ、今日ボーっとしてない?大丈夫?」


「うん、ちょっと考え事してただけ。」


異世界でおこった殺人事件の推理をしてるなんて知られたら恥ずかしくてもう学校に来られなくなる。というかそもそも本当のことを言ったとして信じてもらえるわけがないだろうが。


「考えると言えばさー、昨日のあのドラマ見た?」


美波ちゃんが言う「あのドラマ」とは最近世間で流行っているミステリードラマのことだ。


「まだ見てないんだよね。」


まだ見てないと私は言ったがほんとは一話も見たことがないし、見るつもりがない。なぜならば、そのドラマの原作者が書いたミステリー小説を読んだことがあるのだが、その事件のトリックなどがあまりに現実離れしすぎていた為、その作者の作品はそれ以降見ようと思わなかったからだ。


「あれは見なくて正解だよ。だって犯人が実は透明人間でしたっていうオチっだったんだよ。あれにはガッカリしたよ、そういうのが当たり前な世界での話なら分かるけど普通の世界での話がこれじゃだめだよね。」


「あのドラマそんな内容だったんだ。」


確かにそれじゃ拍子抜けだ。透明人間が犯人なんて赤羽くんがいた世界じゃあるまいし。


でももし「異世界ペンション連続殺人」の犯人が透明人間だったら説明がつくことがある。だったとしてもペンションのメンバーに透明になれる人なんていなかったはずだ。


「おーいユミーまたボーっとしてるよ。」


「ごめんごめん」



授業の始まりのチャイムがなった。私含めクラス全員が自分の席についた。また何かがわかりそうな気がしてきた。そんな時となりの席の赤羽くんが小声で話しかけてきた。


「俺、さっきのユミと美波の会話盗み聞きしてたんだけどさ、あの話を聞いてユミはどう思った?」


女子の話を盗み聞きしていたのかこいつ!そんな怒りも沸いたがとりあえず今は抑えた。


「透明人間がいれば事件も簡単に解決するだろうね。」


「ふーんそんなもんかな。あっ、先生来た。」


なんだこの意味深な反応は、透明人間が何か関係あるのか?


とりあえずさっきまでの失敗をしないようにこの授業は真剣に受けようと決めた。

5分ほどたったところで、自分の目に違和感を覚えた。

なんかチカチカする。

それの正体はすぐにわかった。となりの赤羽くんが手鏡をつかい太陽の光を反射させて私の目に当てていたのだ。赤羽くんの顔を睨んで見ると、ニヤニヤしていた。相変わらず腹が立つ男だ。


その時、私も中に雷が落ちる感覚がした。これは本当に雷が落ちたのではなく、それくらいの衝撃が走ったということだ。つまり事件のとんでもなく重要なことに気づいたのだ。恐らくこれは赤羽くんからのヒントだったのだろう。これに気づけたことで私は事件の三分の一くらいは掴めた。逆に謎も増えたがこれは大きな一歩だった。


「小野寺ユミさん、突然席をたってどうかしましたか?」


先生に言われて気づいた。私は無意識に立っていたのだ。私はまた恥ずかしい思いをしてしまったが、それよりもこのことに気づけたことが嬉しかった。

ヒントをくれるなんて優しいな、と思い赤羽くんの顔を見ると、信じられないくらい爆笑していた。


読んでいただきありがとうございます!

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