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平凡JKと異世界帰りの自称名探偵  作者: アタリ・ツキ
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異世界ペンション連続殺人事件 推理編1

「ここで異世界ペンション連続殺人の終わりだ。ユミには犯人とトリックなどを推理してもらう。ちなみにパレントの死因である毒は恐らく殺害現場に落ちていた酒瓶に入っていた。」


この事件の最終的な被害者は3人、そして容疑者は赤羽くんを除いた4人。かなり難しい状況だ。


「期限は明日の学校終わりまでだよ。」


そう言うと赤羽くんは残りのハンバーガーとポテトを食べ始めた。

その後2人で店を出た。


「じゃあ今日は付き合ってくれてありがとう!また明日!」


赤羽くんはさっきまで歩いていた道を今度は逆向きに歩いて行った。

家が真逆ならついてこなくてもよかったのに。


 私は家までの帰り道、事件の状況を整理しながら歩いた。

 まず最初の被害者はペンションのオーナーであるクストの妻、ヘスリー、死因は刃物で首を切られたことによる失血死。

2人目の被害者は商人のゲル、毒物を飲まされて死亡。

3人目の被害者商人のパレント、死因はゲルと同じく毒。ゲル殺害の時には毒物が発見されなかったのに対し、パレントの場合は酒瓶に入っていた。赤羽くんはゲルが殺害されてから全員の荷物検査をしたと言っていたけど、この酒の中に毒が入っていることに気づかなかったのだろうか。


それよりも、1人目が刃物で殺害されたのに対して2人目と3人目が毒殺なのはなにか理由があるのだろうか。

 他にも動機がわからない。ヘスリー殺害のときは赤羽くんとクスト以外はアリバイがない、あの状況でアリバイがない人たちに犯行は不可能だったということを後回しに考えるとしても、アリバイがない人たちには初めて会ったヘスリーを殺す動機がない。

 ゲルが殺害されたときもクストにしか犯行は不可能だったがクストには動機がない。

 パレントのときだってそうだ。あの生き残ったメンバーの中でパレントを殺す動機があったのはクストしかいないがクストは部屋に閉じ込められていたため不可能だ。そのため容疑者はクスト以外のメンバーになるが、その中には初対面のパレントを殺す動機がある人なんていないだろう。

何もかもが難解な事件だ。


考えながら歩いていたら、あっという間に家に着いた。とりあえず自分の部屋に行って着替えた。着替えたあとはベットで横になった。そして考えた。


うーん、容疑者が事件によってバラバラだ。全員が全員怪しく見えてくる。ヘスリー殺害の最初の容疑者のゲルとパレントに犯行は不可能だった。そもそも二人とも殺されちゃったから犯人ではなかったわけで、ゲル殺害のときの容疑者クストには動機がなく犯行に使われた毒すら見つかってないし、パレントのときの容疑者のクストには犯行は無理で、、

何回考えても同じことしか思いつかない。


「ユミー、ご飯出来たよー」


1階からお母さんの声がする。とりあえず考えるのをやめてご飯を食べよう。

その日は色々考えたが結局収穫はなく翌日を迎えた。


教室に入ると赤羽くんは自分の席に座っていた。いつもは私より遅く来るのに。

私の顔を見るなり赤羽くんは気色の悪い笑みを浮かべて話しかけてきた。


「どうだい、事件の真相はつかめたかい?」


「まだわからない、それについて質問なんだけど、ゲルが殺害されたときに毒の捜索をして見つかんなかったって言ってたけど、パレント殺害に使われた酒瓶に入っていた毒はどうしてわからなかったの?」


「あの時の俺は毒を強烈な臭いで判断していたんだ。もちろんパレントが持っていた酒瓶を調べたが例の毒の臭いがしなかったんだ、だから見逃してしまった。しかしあの毒は毒自体に臭いはなく、人間の体内に入ると強烈な臭いがする仕組みになっていたんだ。」


「ってことはパレントはゲルが殺されていた頃には酒瓶を持っていたってこと?」


「そうだよ。」


私はこのことを聞いて自分の中のパズルのピースが一つ埋まったような気がした。



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