ノーレートは面白くないといってはいけない
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さもないと見る映画がことごとくつまらない呪いをかけます
そして遼子って、普段何してるんだろう? 中華料理が好きらしい、くらいしか知らない。
そう思う理音の胸中を知ってか知らずか、ことねは続ける。
「まあいいや、特によくわからなそうだね……ところで、リネくん昨日は何してた?」
「家業」
これで伝わるのは長い仲だからだな、と理音は考える。
「賭け麻雀だよ……ね」
「うん」
もはや隠すまでもない。
「警察来ない? 摘発されちゃったりしたら……」
「ないない、うちよりよっぽどヤバいルールの店、東京にいっぱいあるし」
「トラブルとか、巻き込まれてなーい?」
「ないぞ。うちの客、マナーはアレだが怒る人間は一人もいない」
これはほんとにそう、と理音は思う。最近、ふと理音は思った。雀荘らしいトラブルって?
負け金が払えない。これは起こらない。そんな高いレートの店でもないし。
極まれに五百円足りない、くらいは発生するが、すぐにATMにいけば済む話。
勝ちすぎて怒られる? ないない。多少煽りあいくらいはあるが。
客はみな、煽られていい人にしか、煽ってない。
理音の父曰く、負けて怒るとしたら二パターンしかないらしい。背伸びしたレートの卓に座っていて、合ってない。もしくは、麻雀自体好きではない、だそうである。
雀力に触れないあたりが、父らしいなとそのときの理音は思っていた。
というより、多少の難はあったとしても、父・寿人は賭博営業をやめないと思う。
「知ってるだろう? ノーレートの雀荘って、本当に客が少ないから。来ないとは言わんが」
「やっぱり……賭けないと面白くないっていうんだね」
「違う。ノーレートは面白くない、じゃない。ゲームとして別物なんだよ」
さすがに賭博は違法だなんて、誰でもわかっている。けれど、何も賭けない麻雀とは?
勝ち負けを純粋に争えるのは、あるけれど。
それ以外、何もない。
大勝ちと小勝ちの違いもない。
負けているとき、マイナス分を損切りしに行く意味もない。
端的に言って、やることが少なすぎるのだ。
「リネくん、よく言うよ。そういって友達と賭けて揉めて」
「その件は無し。あのときは俺も若かった」
「今でも若いでしょ」
確かに。
「ちなみにリネくん、今日の予定って……この後、あったり?」
そして唐突に話題は変わる。そこで理音は気付く。
「あ、やべ行くとこあるんだった」
「そう……どこ?」
「どこか」
理音は例の携帯をつかみ、部屋を出る準備をする。そしてマイクにじゃあな、と言って電話を切る。
最近びっくりしたことは完全ノーレート営業に切り替えた新宿宝石店が
おもいのほか流行ってることでした
ノーレート麻雀好きだけど競技麻雀ばっかだと飽きるって人にはちょうどいいのかな




