にぎやかな雀荘は、空気が明るい
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さもないとこの夏がもっと暑くなる呪いをかけます
「大橋さーーん、B卓の様子みてくれるー?」
「水瀬様までアイスコーヒーの砂糖のみおねがいしまーす」
「精算大丈夫ですかね、ではゲーム代金をいただきます」
「ねえごめんメンバーさん、ここ国士無双のアンカン上がりってあったっけ?」
その土曜日は、いつにもまして酒井家の稼業--フリー雀荘『宝石』が大いに繁盛した日であった。世間的には、やれ賭博系産業を含めたグレーな業界への締め付けが厳しくなっただの、不景気だの、麻雀離れが進んだだのと言われているが。それでも地元密着〇〇年のこの店から客足が退く日は、そうそうに到来しなさそうであった。
なにより、常連客とメンバーが感じ取る空気が、少し変わった。それまでより明らかに、声を出し、楽しそうに接客する若き家事手伝いがいたからであった(念のため言っておくが、18歳未満は麻雀店に入れない。念のため)。
「理音くん、代走頼むよ。その手代わりにアガっちゃって!」
「理音くん、店の裏からたばこ持ってきてくれない? そうそう、ウィンストンの1ミリ。ありがとうね」
「おい理音! 皿洗い頼んだ!」
「はいかしこまりましたー」
皿洗いを頼んだのは、父である。父に対して敬語をいちいち? とか気にする気にしないはおいておいて。理音はその声を聞くや否やレジから起き上がり、洗い場へ向かって作業を始めた。
働きに来ていた、とある女流プロがその様子を見る。一応、見知った仲ではある。雀極戦の二年目、Dリーグ所属松本プロ。まだ下位リーグ所属ながら、鋭い手牌読みと美しい所作で人気を得つつある。
「ねー、キミ……おっと、タバコは消しとこうか」
長い指で、彼女は火のついたタバコをもみ消した。
「お気遣いなく。どうしました? 飲み物追加します?」
「はは、今の私はゲストでもないし、一雀荘店員だから……それはそうと、変わったよね」
「そう見えます?」
「うん、すごく楽しそう」
「それはどうも。おい親父ー」
「ここでは店長っつってくれー」
はは、とフロアから客の笑い声。
「洗い物終わったよー」
おうそうか、と返事が飛んだ。いつもより、理音は体が軽いと思った。だから労働も苦にならないどころか、楽しいと思える。
麻雀を打つのみならず、その周辺までもが。掃除の作業が、麻雀をする人と空間を共有することが。
愉快だと思った。
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「……てなことがあってさ、親父はどう思うよ」
「うーーん、俺はわからんけど……その中崎って人? なんか抱えてそうだな」
「抱えてる、ってか……なんでそこまで麻雀嫌いなん? って感じ」
少し時間はさかのぼって。雀荘店員稼業を楽しんでいる理音がこの間なにを考えていたかを語るには、二日前の酒井家での会話をたどる必要がある。
つまり、例の合宿を終えた後の理音と、その父。
SENS〇の宙船改ルールもどき興味あるけど打つ勇気がない
5だけじゃなくて3と7に特殊牌入れるの流行りそうですかね?




