夜は暗く、静か。そして鍋はシンプルに不味い
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さもないと90パーセント継続のラッシュが2連で終わる呪いをかけます
そこに広がるのは、控えめに言って荒れた場であった。
点数の高い手がバンバン飛び交うという意味ではなく。治安が悪いという意味ではなく。
ごちゃついた牌。河も山も元あった状況を全く反映していない。
無理もない、なぜなら乱入者のせいでそれどころではなかったのだから。
とはいえ、だ。
「この場合って……」
理音は尋ねた。答えるのは遼子。
「……キミの手番だったよね?」
ということは。ルール上、こういう場合はゲーム続行不能とみなされる。
そしてゲーム続行不能な原因を作った人間に、罰が付けられる。
当然、アガりはなかったことに。
「……キミって、ツイてないね。そういうキャラだったっけ?」
「メタいですよ」
はあ、と言いながら理音は肩を落とした。
なんやかんやあって、例の鍋は理音が完食することになった。
「ね、味どう?」
紗耶香は言った。
「食べ物の定義を知りたくなりました」
今度合宿があるときは、水を一杯用意しておこうと思った理音だった。
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一方、生徒会室。
暗い部屋に、一人の少女が入る。明かりをつけ、パン、と持っていたファイルを叩きつける。
彼女は携帯を開いた。遅い時間。訳有って泊まりこみの仕事をすると決めていた彼女。
しかし、その仕事をする気にはならなかった。
なんだか話が違うな、と佳は思う。これではいけない、と彼女は思い返す。
携帯にうつる男性の姿を見ながら、自分に課せられた運命--天命? 任務?--を、頭の中に呼び起こす。
それが記憶と心の奥底から湧き上がる。それを感じて、佳はポケットの中にあった物を一つ握りしめた。
一つ持ち込んだ、麻雀牌。
佳はそれを床にたたきつけ、踏みつけた。




