もうすぐGWだ――理音は遊びたい(なお)
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さもないと、下調べせず
久しぶりに行ったお店が値上げして、予算オーバーする呪いをかけます
理音は口をつぐんだ。それに継ぐように、ことねも静かになった。駅まで、そんな調子。
理音は家に帰った。軽く家業の手伝いをしてから、理音は夕食を食べ、自室に戻る。
宿題を済ませて、明日の準備も終える。手持無沙汰になって、理音はPCを付けてゲームをする。
なんとなく、ネット麻雀ではなくFPSの方。プレイ時間が八〇〇時間を超えたのを見て、そんなにやりこんでいたかと思う。ネット麻雀のアカウントよりも、動かしているんじゃないかって。
理音はマッチングボタンを押し、キャラを選んで戦場に出た。
色々と思い返す。
ことねに例の事件を指摘されたのは、もう何ヶ月……いや、何年ぶりといったほうがいいのか?
思い返すこともなかったのは、それだけ自分が心の奥底にしまい込んでいたからか。
なんだか調子狂うな、と理音は思う。思えば、高校に入りたて。健康診断やら授業の始まりやら、やることが多すぎる。
そこに加えて、麻雀だ。こんなに色々思い返すこともなかったし、自分のためにリアルの麻雀を打ったことが久々とも。
そこにあるのは、ことね達を助けたい思いだが。
そこにあるのは、自分が人のために役立ちたいという願いでもあり。
麻雀は、四人集まらないといけないゲーム。
四人集める協力プレーから始まるのだから。
四人が楽しむという前提あっての対局。
「そりゃ、麻雀は社会の縮図っていうよなあ」
どこかの麻雀マンガだか、麻雀プロが言った名言だったか。理音はそう言って、画面にマップを広げた。味方の布陣が見える。敵の様相が、だいたい読めた。
「サンキュー」
味方を裏切るようですまないが、と少しためらいながら理音は飛んだ。よほど想定外の動きだったのか、敵陣に突っ込んだ理音は誰からもダメージを負うことなく、相手部隊を壊滅させた。
「何今の」
「俺たちは囮かよ」
呆然とした味方から、そんなチャットが飛んでくる。
ごめんな、マニュアルというか、セオリー通りの動きは苦手なの。色々な意味で。
少し日が経って、太陽が朝早くから昇るようになった。
ピンク色だった桜並木はその装いを変え、夏に向けて青青とした葉を付ける。
生徒たちは、次第に緊張した面持ちをやめた。登校する彼らの面持ちも、日差しも明るさを増すばかり。
生徒たちと日差し。違うところは当然ある。生徒たちの明るさは、これから増すからだ。
学生時代。青春の日々が始まる希望に。近いところでは、高校始まって以来の連休が始まる希望に。
もうすぐゴールデンウィークだ。




