紗耶香は目標を決めたい
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さもないと見ているアニメの作画が間に合わずスケジュール変更になる呪いをかけます
幸先がいいのかわるいのか。とにもかくにも、一つ目標があるのはいいことだとも言う。
理音は聞いた。
「その麻雀大会って、けっこう規模大きいんです?」
「地元だと、割と知られてるって言うわね」
紗耶香が答える。
「……ん。これ、大会のSNSアカウント」
それに続いて、遼子が補足した。
遼子はスマホを取り出し、ぺしぺしと画面を叩いてからそれを理音に見せた。
彼の方へ身を乗り出す遼子。ふわりと髪が理音の頬に触れる。
近いな、と理音は思う。髪のさらりとした感触を少し意識しつつ、理音は画面をのぞき込んだ。
写っていたのは、いくつかの写真。遼子の画面をなでる細い指と、流れていく大会の様子。
「割と、若い人もいます?」
意外だな、と理音は思った。こういう金も賭けない・健康な麻雀を打ち出す大会とは、だいたい高齢者が頭の体操がてらに参加しているものだと思っていたから。
それに、参加人数も多そうだとも。いろいろな人・予想外の人と打てそうだ、と理音は思った。
参加できれば、の話だけど。
相変わらず、遼子は近い。
肩に力。ぐい、と理音は腕を引っ張られたのを感じる。
ことねだった。彼女は言う。理音の顔を見て。
「へー楽しそうじゃんね。色々と」
色々って何、と理音は思う。
さてそれはそれとして。そう言わんばかりに紗耶香は手を叩いた。
「まあ……みんなの言う通り、問題はあるわね。入賞できるかってのもそうだし、部費の問題とか、たくさん?」
「なあこと姉。うちの予算って、確保できてるの?」
すこし小声で、理音はことねに確認する。
「ううん……」
微妙な顔立ち。胸の前、指を合わせて視線をそらすことねを見て、理音は色々察した。
続けて紗耶香。
「そういえば遼子。ゴールデンウィークの合宿の件、書類出してくれた?」
「人数が少ないと、みんな事務仕事をやらないといけなそうですね……えっ合宿?」
「……大丈夫、学校使って泊り込めそうだよ」
「もしかして……自分も参加することになってたり? 初耳ですが」
「そうだ、寝袋買い足さなきゃいけないんだった。リネくんの分も」
「ツッコミを拾わないってことは参加するのは完全確定だから?」
「さて、改めて酒井くん。なにかあなた個人の目標はある?」
「あっ、そういうノリですね理解しました」
まあいいや、と理音は自分を納得させた。
ひとまず。
「目標……」
と言いかけて、言いよどんだ。なんだ。自分の目標とは。
そういえば、何で自分はここにいるんだっけ。麻雀、そこまで好きでもないけど。
居場所? 投影? 入部を決めた、あの中崎という少女に紙を押し付けたときのことを思い出す。
完全に勢いだ。
分かってる。こういう勢いで、いろいろ物事をやりだすから、詳細が甘くなってツイてないだなんだと言い出すのだ。
「あっ……」
ことね、紗耶香、遼子がじっと自分を見つめるのを感じた。三人の目は、真剣だった。
絞り出せ、無難な感じでいいから。
「競技麻雀の打ち方に、慣れます……」
「そう」
紗耶香は、少し微妙な顔を見せた。
これでいい。自分が普段やっている賭け麻雀と、競技麻雀はだいぶ違う。間違ったことは言っていない。順位を守る麻雀と、金を集める麻雀は別物なのだ。
理音は、それに継いで思う。答えがちょっと違ったかな、と思わないではないけど。
自分が”そっち側”の住人だとアピールしてしまったようで。
新宿にある雀荘Pが+23枚-+5枚-▲8枚-▲20枚で
祝儀倍牌あり一発裏チップ2枚とかいう狂ったルール採用してて笑いしかでない
もはやピン東じゃないよ実質点400だよ




