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19話 神はそこにいた ~M?~

※この話を見る前にプロフィールから活動報告の「1話から見直して思ったこと、謝りたいこと」を見に行って欲しいです。

ここを読んでいないと、この作品の変化に気づけません。

---

少し魔素の解説部分の理解が難しいかもしれません。

解説は後書きに書いております。

 ワイは天才や。


 他人に興味はない。

 ただワイが勝っていれば良かった。


 五歳でA級魔術師、六歳でB級ヒーラー免許を獲った。

 七歳ではオーディナリーに招待されたが誘いは蹴った。

 そして二年かけ一人で固有魔術の『魔力消失(ディペンスマギ)』を作り上げた。

 そう、ワイは天才やったはず、そして最強やったはずなんや。

 なのに、なんでや?

 こいつはなんでワイの魔術が効かへん?



---


 

 俺たちは人華祭のメンバーが決まった後、町中のカフェに行った。

 今いるのは、俺、テル、ウズラ、ハルヒ、ウェカナの五人だ。

 集まった理由は人華祭の前哨戦に勝つための作戦や、リーダーを決めるためだ。

 時間はまだあると思っていたのだが、予選は来週と言うのをつい先程、ライス先生から聞いた...

 あの先生は突然すぎる... 

 もっと前から言ってくれれば、何か出来ることもあっただろうが、一週間では何も出来ない。


 それにしても、ウズラ以外は俺の話を聞いてくれそうにもない...

 どうやって話を始めようか?...


 「まずリーダーを誰にするかを決めないとね」


 話を切り出したのウズラ。

 ちなみに俺はなる気がない。

 よって話を流そうと思う。


 「そうですね、なりたい人とかいますか?」


 「俺しかいないだろう」 「お前らは俺の意見だけを聞いてれば勝てるんだよ」 「リーダーはワイがするで」


 三人がにらみ合っている... 


 俺がならなくて良さそうなのは良いが、自分の事しか考えてないバカが三人いるのは心配だ...


 「……………で、どうします?...」

 「え?私はテクトで良いと思うけど」

 「僕は嫌ですよ...それになぜ僕です?」

 「左から、テクトに負けたバカ鳥、その次もテクトに負けたバカ草、次は知らないけど、どうせバカでしょ」

 

 おいおい...お前もバカだ...

 こいつらを怒らせたら、この店が物理的に潰れるぞ...

 今すぐに機嫌を戻さないと...


 「ハハハ、すみませんね、うちのウズラさんが...彼女なりの冗談だと思うので軽く…………」

 「だがテクトなら背中を任せても良いぞ。俺の次にリーダーになるべき存在だ」

 「お前が出てくるなら俺は出しゃばらねぇよ。今の俺ではお前に勝てねぇ」


 だから...俺はするつもりないのだけど...

 しかし以外にも俺がリーダーになった方が平和そうな気もしてきた。

 形だけのリーダーならなっても良い気がする。


 「あんたが?ワイは認めんへんぞ。ワイは自分より強いもんしかリーダと認めへん」

 「…………別に僕は君でも良いですよ...」

 「テクト、お前がそんなだから舐められるんだ。ウェカナと言ったか?俺はお前が誰かは知らないが、一番強い奴がリーダになるべきだと思わないのか?」

 「だったら、なおさらワイやなぁ。テクトって言ったか?お前魔術師やろ?ワイも魔術師や。てことでちょっと外出て戦おうや。どっちが上かこいつらに見せつけようや」

 

 …………なんで俺は毎回こうなるんだ...

 俺は一言もなりたいなど言ってないぞ...

 しかし、ウェカナが暴れたら他の三人も騒ぎそうだ。

 ……………………戦うか...


 「…………分かりましたよ...ですが町中だと迷惑がかかるので、僕の家のダンジョンで戦いましょう」

 「いいでぇ~」



---いつもの草原ダンジョン---



 「ルールはどうします?」

 「殺しはなしで、再起不能か戦意喪失までタイマンや」

 「分りました」


 だけど、困ったな...

 多分だがこいつは強い。

 魔力総量が物語っている。

 ランクで言うとAぐらいか?

 こんなことなら、カフェの時に魔眼で見とけば良かった...

 まぁ、やるからには本気だ。


 「もう始めてええか?」

 「いつでもどうぞ」

 「なら開始や」


 ウェカナはそう言うと共に爆風を出し、距離を取ってきた。

 次は体に魔力を込め出す。

 

 相手は魔術師だ。

 そして俺はまだ基礎的防御(シールド)が使えない。

 よって距離を取っての打ち合いは愚策、俺がすべきことは離れている敵に近づき、近距離戦に持ち込むこと。


 ここにはウズラがいる。

 それは相手がどんなに怪我をさせても治してもらえるということだ。

 魔術師は腕を切断したら魔術が使えない。

 遠慮はいらない、ウェカナの腕を切る。

 

 魔力で剣を生成し、次に俺と剣に身体強化(ベシテアコン)を掛け、全力でウェカナの元まで走る。


 「普通、魔術師が距離を詰めるか?あんた、面白いな」


 ウェカナが魔力砲(ペクシアン)を撃ってきた。

 俺も相殺するための魔力砲(ペクシアン)を撃つ。


 数は有利だ。

 続けて基礎的炎(エレメンタルファイヤ)灼熱矢(ファイヤアロウ)魔力砲(ペクシアン)を撃つ。

 魔力を溜める隙は与えさせない。


 順調だ。

 だがなにか引っかかる...

 奴が近距離戦に誘ってきてるような気がするのだ。


 もうじき距離が詰まる。

 続けて水の波動を撃ってきたが、これも魔力砲(ペクシアン)で防ぐ。

 

 間合いに入った。


 「ウェカナ俺の勝ちだ」

 その言葉と共に、ウェカナがニヤリと笑った。


 なにか得策があるのか?

 何かさせる隙は与えるべきでないと、瞬時に感じ、片腕を切った。


 次はもう一本。

 と思った瞬間ウェカナが俺の体に腕を伸ばしてくる。


 しまった...

 少し動揺し、体制を崩してしまった...


 ウェカナは伸ばしてきた手で俺の脇腹を力いっぱい殴ってきた。

 そして少し吹き飛ぶ。


 「ホントにおもろい戦い方するなぁ」


 痛いが、所詮殴られただけだ。

 この程度の痛みなら、俺の回復魔術でも治せる。

 

 しかしなんだこの違和感は?

 いや、回復が優先だ。


 「身体回復(リカバー)


 違和感の正体がそこで分かった。

 魔力が使えないのだ。

 いつの間にか、身体強化(ベシテアコン)も解けており、魔眼に魔力が込もっていない。

 

 なぜだ?魔力はまだある。


 「あんたは強いよ。だけどなぁ、世の中には格上がいることを忘れたらいかん。敵は選ぶべきや」


 声の方向を向くと、腕が治っているウェカナが立っていた。

 回復魔術も使えるのか?...

 だが、魔術の犯人はやはりこいつだろう。


 「魔力が使えへんやろ?それは俺の固有魔術、魔力消失(ディペンスマギ)による効果や。知っとるか?人間が魔力を生む場所は肝臓。その肝臓に俺の魔力を込め。お前の魔力が消失するわけや」


 奴は俺にトドメを刺さずにたらたらと自分の事を話している。

 俺がギブアップするのを待っているのか、自慢話がしたのか?

 多分だが後者だ。

 今こいつは油断している。


 魔眼が使えないので俺の体がどうなっているのかが分からない。

 しかし奴の話が本当なら仮説が立てれる。


 ①ウェカナの攻撃によって肝臓が破損している。

 ②肝臓に魔力の放つことを邪魔する魔素を放った。

 ③肝臓を魔素でいっぱいにした。

 他にも考えられるが、この三つが大きく考えられる。


 しかし①はないと思う。

 そこまで痛い攻撃ではなかったし、破損しているなら今頃立ててないだろうからだ。


 ②もないと思う

 以前俺も魔力を邪魔する、魔術を作った事があった。

 正確に言うと魔素だ。

 炎魔術を撃とうとする敵の周りに水魔素を分散させたことがある。

 すると敵は炎魔素と水魔素が互いに邪魔し合い、炎魔術が撃てなかったのだ。

 だが今回の場合、俺はどの魔術も発動出来ない、つまりそれを可能にするには、俺が魔術を発動するたびに邪魔する魔素を変えなければならないのだ。

 そんな芸当は俺と同じかそれに似た魔眼を持たないとできない。

 しかし、こいつが戦いが始まってから、さき程まで一度も目元に魔力が込める動作はなかった。 

 よって魔眼は持ってなく②の可能性は低い。


 ③、これの可能性が一番あると思う。

 魔術というものは魔力を込めすぎると、形にならない。

 ご飯を食べ過ぎると、うんこにならず下痢になるのと一緒だ。

 何事にも限度がある。

 だからこいつは俺の肝臓の魔力密度、魔素密度を高めたと予想する。

 体感、これをされたと感じるのだ。


 それにこいつは「肝臓に魔力を込め」と言った。

 こいつは魔素が見えてないと仮定すると、今俺の体には()()の魔素達が集まっている。

 魔術の発動は邪魔してきてない。


 ただの人間なら魔力を込めることしか考えてきてないから、一度に大量の魔力を込め魔術が撃てなくなる。

 だが俺なら出来る何百、何千回も、一度に扱う魔力量を調整してきたんだから。


 俺が何年魔素の扱いをしてきてると思っている?

 魔眼が使えなくとも、これぐらい、体が覚えてる。

 さっきは雑に扱ったから、魔術が撃てなかった。

 だが、ゆっくり、丁寧にすれば


 使えるんだ。


 「魔力砲(ペクシアン)!!」

 

 油断しているであろう、ウェカナに撃つ。

 奴は反射的に基礎的防御(シールド)を展開した。


 「………………は...はぁぁ?なんでや?

  ワイの魔術が効いてへんのか?」


 こいつは運が悪いのだろう。

 多分俺以外にならあの魔術は通用する。

 だけど俺は小さいときから、魔力量、そして魔素の選別を行ってきた。

 俺はそこら辺に詳しいのだよ。


 「さっき敵は選ぶべきって言ったよな?そっくりそのまま返すよ。僕は君の天敵だ」

 「クソが。もうどうなっても知らへんぞ」


 ウェカナはそう言うと、上級魔術を使ってきた。

 俺は基礎的な魔術で相手をする。

 

 確かに上級レベルの魔術は強い。

 しかし基礎レベルの魔術も強いのだ。

 何度も使い磨き上げることによって、基礎魔術は上級魔術にも勝る力を得られるんだ


 ウェカナが撃った炎の津波、雷の竜巻、猛毒の風それらすべてを、俺は基礎魔術で防いだ。



---



 「負けや...ワイの負けや」


 そう言い、ウェカナが倒れた。


 魔力切れだろう。

 心配はいらない。


 しかしウェカナは強かった。

 上級レベルの魔術を何個覚えてるのだろうか?

 仮定の話に意味はない、しかし魔眼を持って生まれなかったら、俺は負けていただろう...

 この魔眼は一体何なのだろうか?



---


 起きると知らない場所にいた。

 後から聞いたら、テクトの家で寝てたらしい。


 ワイが負けた。

 この学園を舐めすぎてたようやな。

 しかし、テクト...面白い奴や。

 ワイの魔術が効かへんかった。

 今までそんなこと一度もなかったはずや。


 そう考えていたら、テクトがこっちに向かって話しかけてきた。

 

 話が入ってこん...

 なんやこれは?

 テクトの顔から目が離れへん。

 

 負けた相手なのに復讐、もう一度戦いたいとは思わない。

 むしろ、神々(こうごう)しく見えてきた。


 あぁ、テクト様。

 ワイを踏んでください...

テクトは小さな頃から魔素を扱っていたので、ウェカナが肝臓を魔素いっぱいにしても、魔素を一気に取って使うのではなく、少しずつ使う事が出来たから魔術が使えたと言うことです。

一章の頃に説明してると思いますが、魔素はテクトが作った言葉です。

なのでテクトとウェカナ含めたその他の人間には、魔力と魔素の認識の違いがあります。(魔素の解説は三話にあります)





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