第一話 始動
最近VR系の小説の読み過ぎで創作意欲に駆られたなんてことはないです。前々から書いてみたいとは思っていましたよ⁉ええ‼
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ここは魔境。
生きとし生ける人間たちが一度は通る地獄。
ここを自らの聖地とする者も少なからずは居る。
私はそれが理解できない。
しかし今日はもうそれが終わる‼
「キーンコーンカーンコーン」
最悪の時間から解き放される救いの鐘が鳴る。
「きりーつ」
教員という名の悪魔に取り憑かれた同胞が我々に起立を命じる。やれやれ仕方ない。立つとするか。
「さようならー」
「左様なら」
これでようやくこの空間から抜け出すことが出来る‼
荷物を肩にかけいそいそと部屋から出ようt「織月さん!」
・・・面倒なのが来た。
「何でしょう」
「織月さん!以前のサポートでも思ったけどヤッパリあなたには才能があるわ!」
「そうですか」
長い髪の毛を頭の高いところに束ねた熱血系女子、長谷川が私に詰め寄る。
2年にして女子バスケットボール・・・いや、ウチでは女子排球部だったか。
まあそこの部長をしている。
カッコつけのメッキも剥がれたため自己紹介をすると、私は織月志穂。今を生きる高校1年生だ。以前は餌に釣られて練習試合のサポートに回ったけど、
「以前も言いましたが、私は今部活動をする気は「それを承知でお願いしているの!」
正直苦手な人種だ。人のパーソナルスペースにズケズケと、嫌気がさす。ので
「前回の練習試合はあなたのおかげで勝てたと言っても過言ではないわ!あなたのスペックはとても素晴らしく って織月さん⁉」
直ちに家に帰宅する。運動部の彼女でも追いつけないスピードで廊下の人混みを通り抜けていく。これぞ織月流 人除け歩法 よ!
「くっ、またしても逃げられたか」
「部長、もう諦めません?あの子を勧誘するのは無理ですよ」
「そうですよ〜。中2のとき部活辞めてから人とも極力関わらなくなったし」
「いやしかしだがな、彼女の能力は素晴らしい!彼女がいれば全国制覇も夢ではないさ!フハハハハハ‼」
「また部長が叫んでるよ」
「でも織月さんも織月さんだよね」
「うんうん。あれだけスポーツが出来て頭も良くって」
「それでも人と関わらないからついたあだ名が“孤高の天才姫”」
「そーんなすっごい人がこんな早く帰って何してんだろ」
「さあ勉強じゃん?」
◯
一般家庭には少し大きめの、されど豪邸と言うには小さい家に帰宅する。
「ただいまー」
「んお。おけーり」
美し外装と帰ってきた娘にはそぐわない身なりの汚い男が少女を出迎える。
「ちょっと丈‼まだ仕事の時間でしょ⁉まさかサボったりしてないでしょうね」
少女が叫ぶ。彼はこの家の長男 丈瑠。彼女の兄だ。今は高校時代のジャージにダッサイ靴下。ジャージからはアニメTシャツがチラ見するなんとも言えない格好をしているが、普段は超大手のIT企業に就職しており、28歳の若さで人事部長を務めている。
「今日は休みなんだよ〜。なんでも創立記念だかなんだかで社長夫妻が一ヶ月間バカンス」
「一ヶ月も!?!それお給料とか・・・」
「ああ大丈夫大丈夫。社員の休みは二週間だけだよ。それでもまあ多いけど」
「そう。ならいい。じゃあ今日は早めに?」
キラーンとでも言いたげな鋭い目つきをする美少女。
「スるか!」
悪い顔をする大人。
一体何をするのか。それはもちろん
「「オンゲ!」」
ここでこの家族について一つ話しておこう。織月家は代々好きなものに没頭する家系であった。
戦乱の世に生きた初代織月家当主は、自らが家族より大事にしたといわれるものがあった。田畑である。
一から育て上げた夏野菜の農園を守るべく、領地を死ぬ気で守り続けたという。他領においても、家屋は容赦なく破壊していたが農地と食料保管庫は襲撃しなかったらしい。
出世を望まなかった物珍しい者の血が、想像するものが割と手に入るこの世にいるのだから、市場があれに荒れた
勝手に始めておきながら
「もう一個の方別に軌道に乗ってないしキツイんじゃね?あれ?」
って思っている今日このごろ(まだ一話)