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お出掛け出来る!

ローズに文字を教えて貰ってみると、文字は見た目アラビア文字に少し似ていて、表音文字なので平仮名みたいな感じ。


そう、アルファベットというよりは平仮名というのがぴったり。


私がこの世界へ来て言葉が通じた影響で本来英語のようになる言語が日本語のように変化したのかもしれない。いや、私は関係なく元々そうだったのかもしれないけど。


所詮平仮名ということですぐに基本は覚えたけれど、書き方に細かい法則はあるみたい。この単語の次には必ず間を空けるとか、句読点の付け方とか、同音異義語には同じ文字だけれどハネで区別するとか。


これがかなり大変!

でも3日もすればだいたいわかるようになったのはローズのお陰!


「さすが菜那様です」


ローズ、うっとり見て言うのはやめて。

恥ずかしいから。


いくら崇め奉られても私がこの世界で役立つことはそんなに無いと思う。それが情け無い。


ただ、今回勉強してみてたまたま気付いたのは本のこと。この世界には書写した本しかなくて物凄く高価。それなら庶民でも手に入るように、例えば活版印刷で本を作ればいいのでは?


でも活版印刷をするにはまず文字を鋳造しなければならない。そこが一番の問題。あとどこまで機械化するかだけど文系の私に機械なんて作れないから、版画みたいにして印刷しようかな。


それから何を印刷するかも問題。


紙の値段はどうなんだろう?と思ってローズに聞いてみたら、結構いいお値段する。となると印刷出来ても生活するのが精一杯の人達には本は無理だし、枚数も少なくしなければ売れない。


ん?私なんだか事業家みたいじゃない?


この世界へ来て1ヶ月近く経ったし、公爵邸以外も知りたいと思って街へ出掛けたいとローズへ言ってみた。


「公爵様にお尋ねしてみます」

と消えたと思ったらすぐ戻って来て外出着を着せてくれた。


「お出掛けしていいの?」

と聞くと、騎士を連れての外出になるけれども、という前提らしい。え?!騎士を連れて?!


でも…

街へ出られる!

街はどんなところだろう?

あ!でも見るだけしか出来ないよね?私、お金持ってない!でも仕方ないかぁ。見られるだけで良しとしなくちゃ。


外出着を着て…馬車へ案内されたら…なんだか時代物の漫画に出てくるような煌びやかな真っ白な馬車でビックリしていたら、騎士団の人達が来て何やら話した後、煌びやかな馬車は横へ避けられ、普通の馬車が出て来たわ…。これなら乗れる!


騎士団の人達も急に走って消えたと思ったら、5分もしない内に普段着でやって来たわ。


「菜那様が目立たないように致します」

やっぱりそういうことね。


そして私とローズは馬車へ、騎士団の人達は馬に乗って出発した。

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