転換点①
ノーフォード辺境伯からは今後について1ヶ月の猶予を貰えたけど…本当はきっともっと早い結論がいるんだと思う。
ノーフォード辺境伯優しすぎる…。
もう既にこの屋敷に来て1週間経過してるんだもの。多分かなりハミル辺境伯からせっつかれていると思うけど…多分、多分よ?酷い事を考えた悪事を働いているハミル辺境伯より自分の屋敷で後妻として静かに暮らした方がマシだから、そうなると思うと今のところ回答しているんじゃないかと邪推。
コンコンコンコン!
夜召使い達もいなくなった後で考え事をしていたら小さく窓を叩く音!
え、ここ2階なんだけど!しかも天井が高いから日本でいうと実質3階!
え、ハミル辺境伯の手先!?
私消されるのかしら!?
「女神の化身様、フレッドです」
小さな声で囁くようなフレッドの声。
「フレッドさん?」
「助けに来ました」
「え、私を拐ったあなたがなんで?」
「仕事でしたので。でも今は個人として動いています」
「とりあえず目立つので入れてください」
これ以上状況が悪くなることはないだろうと直感で思って窓を開けたらフレッドが入って来た!やっぱりあのフレッドだ!
「申し訳ございませんでした。姉の恩人である女神の化身様にこんなことをしてしまって。しかし仕事内容を聞いてから断ると私だけでなく姉や甥にも被害が及びましたので…」
フレッドのお姉さんは事故でご主人を亡くしたものの、小さな子供が居て働けない。現代の保育園みたいに預けるところがなくて困っていたところ、私の事業で子供が居ても働けるということで助けられたそう。
そっか。良かった、私間違ってなかった!
「姉が女神の化身様の話を嬉しそうに話すのを聞いて本当に嬉しかったんです」
「女神の化身様、馬の手配をしました。逃げましょう!」
用心棒などの仕事で稼ぐフレッドであっても、馬を何頭も手配するのは大変だったと思う。
「フレッドさん、私はフレッドと呼びますので、私のことは菜那と呼んでください。その方が短くて楽です」
「え、あの…」
「短くて楽です!」
「はい、菜那様。今からもう少ししたら少しの間警備の手隙の時間になります。すぐに出られるように準備してください」
最初はドレスばかりだったけど、私がトレーニングする為に動きやすい服を用意してくれていたから、特に1番動きやすい服を選んだわ。
さぁ!逃避行の始まりだわ!




