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王都へ⑤

王宮に着いたらまず控室みたいなところへ案内され、まずはお茶とお茶菓子を出されたのでビックリ。講義のお部屋へいきなり行くんじゃないのね…。


今回公爵様も付き添いで来てくださるのかと思ったけんだど、残念ながら久しぶりの王都ということで別のお仕事が満載らしく、ローズと2人だけの訪問。


緊張したので初めて王宮のお手洗いを使わせていただいたけど…さすが王宮。下水道が完備されているのね。水洗トイレというわけじゃなく、所謂"ボットン便所"なんだけど、遥か下をサラサラと水が流れて汚物が流されていく仕組み。成る程って感じ。


暫くしたらお迎えが来て、ローズはこの控室で待機。私だけ大きな扉がある、立派な部屋へ案内されたので、もう心臓がバクバク。


公爵様もおられない。ローズも居ない。

誰も居ない、私だけ。


そして前の大きな立派な扉の中には国王陛下をはじめとしたこの国の重鎮逹。

この世界でここまでの孤独感というか…1人でなんとかしなくちゃならない状況は初めて。少し震える。


部屋には国王陛下をはじめとしたお歴々がずらり。でも国王陛下がにこにこしてわざわざ立って出迎えてくださって、他の方も立ち上がって微笑んで拍手で迎えてくださったの。


震えがぴたっと止んで、ホッと小さな溜息が出たわ。勿論そんな様子を国王陛下にチェックされて、「相当緊張させてしまったようですな。申し訳ない」とちょっと茶目っ気たっぷりで言われちゃった。


講義は普通の複式簿記。それを元にした貸借対照表と損益計算書を作るところまで。なんの捻りもない。


でも仕訳をし、T勘定を作って書き込み、最後貸借対照表と損益計算書を作り終えてピタッと合った時に「おおおー」と皆さま小さく唸られて、思わず初めて簿記の授業を受けた時を思い出しちゃった。


「これは素晴らしいですな、陛下」

講義を終えた瞬間口を開けたのは財務大臣。

「これだと納税を誤魔化すなど難しいですぞ。素晴らしい!」

「間違えたら最後に合いませんからな」

「勘定科目別に内容をまとめたものを見たら、異変が丸わかりですよ」

政務補佐官、法務大臣、文部大臣などが口々に讃美し、私が考案したものでないのに神の如く扱われたら居辛くて仕方ない!!

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