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王都へ②

ついに陰鬱なる木曜日がやって来て、朝日が昇るか否かといった早朝に叩き起こされて着せ替え人形みたいになった私。まだ移動の疲れが残っていてかなり辛い。


朝からお風呂で、香油を使って身体中ピカピカに磨き上げられ、髪は綺麗に結われ、お化粧もナチュラルながらも綺麗にして貰った。


ローズ、一言言っていいですか?


「少しお腹が空いたんだけど…」


お化粧をする前に遠慮がちに言ったら、出て来たのはミルクたっぷりの甘めのお茶とひと口サイズのクッキー!


え?と戸惑っていたら「まだ用意はございますから、とりあえずこれをおつまみください」なのだそうだ…。つまり食事をとる暇は無いからハイカロリーなこれで凌いでね、ってことね。


そうして用意が出来上がり、ついに朝10時頃屋敷を出発。


日本人の私でも合うような少し緑がかった生成色のシックなドレスだし、セミロングの髪をこちらの世界の貴族風に綺麗に結い上げてくれて、これこそグッジョブとしか言えない。さすがローズ!


あと、なんと言っても特筆すべきは靴よね。公爵邸もそうなんだけど、ふかふかの絨毯の上をハイヒールで歩くのは至難の業。だからか最初ハイヒールを出されたものの、ふらつく私を見てすぐにローヒールを用意し直してくれて、そのお陰でドレスを着ても難なく過ごせるようになっていたの。でも正装となればどうなんだろう?と思っていたら、ドレスに合わせてローヒールの靴を用意してくれたから、心底ホッとしたわ。王宮で転けるなんて絶対避けたいもの!


ちなみに私は日本ではビジネススーツに5cmヒールで過ごしてた、極平均的な社会人!


王宮では公爵様がエスコートしてくださって、天井が高くて細やかな彫刻が施された扉の前へ連れて来られたけど、そこが謁見室であることは素人の私でもすぐわかったの。うわー、どうしよう、ついにキタ!!


「菜那様、陛下はとてもお優しい方なので、お気軽になさってください」


穏やかに微笑んでくれた公爵様…麗しいお顔が眩し過ぎます!


扉の両側に居た騎士が「女神の化身であられるナナ・ノナカ様とドーソン公爵様、お越しでございます!」と大きな声で叫ぶと、扉をバーンと開けて、我々が入ることに。


聞いてた順序通りなんだけど、もう緊張して意識が遠のきそう!


その時エスコートしている私の右手を公爵様がギュッと握りしめてビックリ。「大丈夫です、私がおります」とこっそりと囁いてくれて、なんだかすうっと楽になったの。


静々と歩き、国王陛下の前に立つと、国王陛下が一段高いところにある玉座から立ち上がり、段差を降りてこちらへ来られ…


「女神の化身様、ようこそ我が国へ」


と私の両手を握りしめて満面の笑みで迎えられたので、どうしようと焦ったの。だって教わっていたのは両手でドレスを持って、軽く会釈をする挨拶方法だったから。


本来カーテシーが必要らしいけど、女神の化身は国王陛下よりも偉いらしいので、普通の挨拶でいいと後でローズが教えてくれた。先に教えると絶対困惑して混乱するからって。さすがローズ。


その場では少し立ち話みたいな形になり、詳しい話は食事をとりながら…とすぐ別室へ案内されて安堵したわ。あまり長く居たら緊張で倒れそうだったもの。


別室はさすが王宮って感じ。公爵邸もそれはもう素晴らしかったけど、王宮はもう一段手が込んでる感じ。この別室は昼食会の用意が出来るまでの控室だったみたい。


「菜那様、陛下はとてもお優しいでしょう?」

「はい、とても。でもやはり国王陛下ですので緊張しました」

「ははは。でしょうね。陛下は思慮深い方ですので、謁見室での会話は最低限にしてくださったのですよ」

「…ありがたいですね」

「そういう方ですので、昼食会も緊張はするでしょうが、無駄な緊張はなさらなくて大丈夫ですよ。王宮の食事はそれはもう美味ですから、美食を楽しんでください」


…うん、それはわかるけど、緊張するものは緊張するわ、公爵様…。


所作の美しい召使いが用意してくれたお茶を飲んで座っていたら、食事の支度が出来ましたと言われ…すぐ近くの部屋へと移動。さぁ、食事会が始まるんだわ。頑張れ、私!

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