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新たな出会いは氷の女王!?

東條空……高校二年、どこか空虚、周りの顔色伺いがち。

桃坂奏……高校一年、あざとい系小悪魔。

田口瀬名……高校二年、バスケ部のキャプテン

北嶋俊彰……高校二年、バスケ部の副キャプテン

太田瑠夏……高校二年、バスケ部のマネージャー

 太陽の日差しが照り付ける晴天。

 俺はいつもと変わらず自転車を漕ぎ汗だくになりながら登校している。

 夏の暑さのせいでアスファルトから陽炎が立ち上がっている。アブラゼミも騒がしい演奏会を開いており、より一層暑さが増す。

 学校に着くと俺がまず行う事はダッシュでトイレに駆け込みタオルで汗を拭きワイシャツとインナーを脱ぎ仕上げに制汗剤を付けることを忘れずに着替える事だ。

 なぜかって? そんな汗だくなところ見られてキモいとか臭そうとか言われると死にたくなるほど心にダメージを負うからだ。

 中学の時毎回体育の授業の後は俺が通る度皆鼻をつまむわ、「なんかここ臭くね? ってゆうかあいつ臭くね?」などと言われていたものだ。実際自分ではそんなに汗臭く感じてはいないが周りからするとそんな激臭を放っていたのかと思い、妹である結花に確認もしたことがある。そこで結花は。

「いやいや、空兄、それは無理でしょ。嫌だよ臭そうだし、触りたくない」

 あの時は本当に二時間ほど立ち直れなかった。いや、二時間で立ち直れる俺のメンタルは最強かも知れない。

 着替えを素早く済ませた俺は、教室のドアを開け自分の席に向かった。

 ドアを開けた瞬間クラスがざわついた。もしかしてこれが人気者が周囲から向けられる視線ってやつですかね?

 そんなわけもなくおそらく、いや、確実に部活の件がクラス中に知れ渡ったのであろう。

 人から人へ伝えられる噂などは必ずどこかで改変されてしまう。こうした方が面白い、こうした方がインパクトがでかい。話し手の数だけ噂はその原型を留めず、彼等、彼女等の面白話に改変されてしまうのだ。

 俺の青春も高二の夏休み前に終わってしまうのか……。クソっ。彼女とかと花火大会やらプールやら海やら行きたかったぜ。彼女とかってなんだよ。他になんかあんのか? まさか……彼氏?

 そのまま周囲の視線を受け流し俺は自分の席へと座り携帯を弄りながら時間を潰していた。

「東條! ちょっと来て!」

 そんな俺に救いの手が降りてきたのだ、声の方を見やるとそこには男子バスケ部のマネージャーである、太田瑠夏がいた。

 太田瑠夏。通称ふとでん。ふとでんの由来は太田を読み方を変えるとふとでんになるからだ。

 ふとでんの身長は155センチと少し小さめ、体型は平均的な感じ、性格は、明るい、特徴といえば……胸部がまな板。そんな感じだ。後ものすごく頭が悪い。勉強とかではなく余り世の中を知らないのだろう、まぁこいつ脳天気だからなそうゆう事気にしたりしないんだろうな。

 ふとでんに呼び出され、俺は教室を出る。まじ助かった! あの空気耐えられないよ、久々すぎて携帯弄る振りしながらずっと携帯のホーム画面見て昔のトラウマ思い出してたよ!

 昔は俺が教室に入るまで賑やかかだったのに俺が入ると急にお通夜になるんだぜ? なんか学校来てごめんね? などと申し訳ない気持ちになり何度も登校拒否しようか悩んだ事がある。……こんな事で謝罪とかまじ泣ける。

 俺が教室を出るとそこに居たのは二年の男子バスケ部のメンバーだった。

 皆どこか少し気まずそうな雰囲気を出してる。だからそういう空気出すなよ。こっちが悪いことしたみたいな感じになるだろうが。

「んで、呼び出してどうしたよ」

 今集まってるメンバーを見れば呼び出された理由は言われるまでもないが、一応念の為確認しておく。

「東條、皆で話し合ったんだけどやっぱり今回の件うちら二年皆で後藤先生に謝りに行こう?」

「は? 謝る? なにを?」

 出し抜けに全く的外れな事を言われてつい腑抜けた声が出てしまった。

 俺が今回の件で謝る事は何一つないし俺は何も間違った事はしていない、そもそも仮に謝ったとして部活に戻る事ができたとしても俺は、もう彼等一年生を仲間として向かい入れる事はできないだろう。

「そもそも空に怒り役を押し付けたのは俺だ! だから俺にも責任がある」

 ふとでんの説明補足としてキャプテンの瀬名が言葉を続ける。

「こうなったのはお前一人のせいじゃない、俺ら二年全員の責任でもある、お前一人が責任負って部活をクビにされるなら俺らも一緒にクビになる覚悟がある」

 皆話し合った結果、皆で責任を背負う事で話が着いたのだろう。だがふとでんも瀬名も全くもって見当違いも甚だしい。

 俺はその見当違いを正すべく言葉を紡ぐ。

「お前らなんか勘違いしてないか? 俺は別に謝る事はないし、一緒に責任取ってもらいたいとも思ってない」

「でも、そんなのあんまりだよ。東條が可哀想だよ」

 朝からあんな雰囲気味合わされて気分が悪くなっていたが、ふとでんのその言葉に俺は怒りを隠せずに居た。

「何勝手に憐れんだよ。誰がそんな事頼んだ? 今お前らが集まってこうしているのは自分達の責任分散の為じゃねーか。確かに俺は、瀬名に言われて怒り役をやったよ。けどそれはチームのためだろ? ならお前らが責任取るとかそんなのはねーんだよ」

 その場にいる誰も何も言い返せない。それもそのはず今回こうしているのは俺がクビになるという問題が起きたからだ。自分達は我関せずと後輩達と和気藹々と部活をしている最中俺は悪役を演じていた、その俺が排除されたとなれば皆各々責任を感じてしまったのだろう。だが逆を言えば問題にならなければ誰も俺を手助けしようとはしなかったのだ。それを今更、可哀想だなどと身勝手にも程がある。

「俺のやり方が間違ってたんだよ。もっと上手くやれる方法だってあった筈だ、俺がただ失敗しただけ、だから排除された、たったそれだけの事だろ? お前らだって俺がこの状況に陥らなかったら、何も思いはしなかった筈だ。後からなにかしよとしたって、もう遅いんだよ!」

 ダメだこれ以上話すとどんどん自分が冷静じゃなくなっているのがわかる。俺はあいつらに責任を感じて欲しかったんじゃない、憐れんで欲しかったわけじゃない。

 ただ……俺と同じ志を持っていて欲しかった。

「俺は部活には戻らない。そもそも謝る理由がない、理由もないのに頭を下げる事は俺にはできない」

 これでいいのだ。いつかは今の嘘付きの自分と別れを告げなければならないと思っていた、今一度全てをリセットするべきなのだ。

「……ごめん東條」

 そう言葉を告げてふとでんは俺の前から去って行った。その目には涙が潤んでいるのが横顔からでも見て取れた。

 他のメンバーも皆俺の前から去って行ったにも関わらずサブローだけが俺の前に残っていた。

次回新ヒロイン登場!

出会いのきっかけはやはりバスケ。

彼女もまたかなり癖のあるヒロインです。


章の途中で申し訳ありません。

一章は全部まとめて出してみたものの、読者様がどう思われるかわかりません。なので今回は短編で少しずつ出してみようと思います!


こうした方がいいなどと感想頂けたら更なるモチベーションにも繋がります!

面白いと思ってくれた方は是非感想、評価、ブクマ登録お願い致します。

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