7.誕生会が始まる前
お母さんが僕がヒトでない事を伝えると、エイダンお祖父ちゃんとソフィーお祖母ちゃんは黙ってしまった。
僕はキョトンと首を傾げると、お父さんの方に向かってお祖父ちゃんは深いため息を吐きながら口を開けた。
「…アルロ君、何故今まで黙っていた?」
「お父様、テオは猫人族になっていたからです」
「どういう経緯なのか、教えてもらっていいか?」
「ええ、私も知りたいわ。確かにテオちゃんが猫人族なのかを教えて頂戴」
お祖父ちゃんとお祖母ちゃんは凄く真剣な様子だった。お父さんも鋭い目つきになった。
「5年前にテオは生まれた時に一度死んでおります。テオは#黄泉還り__・__#をしたのです」
信じられないという顔をしながら、お祖父ちゃんとお祖母ちゃんは、お父さんの顔をみていた。
「5年前、エラのお腹の子は死産をしたはずでした。何故、神はこの子を死産させたのかと…その後、私は勤務を終えて帰る度に墓参りをしていたのです」
「日に日に元気が無くなっていくエラを元気付けようとお菓子を買って帰る日の事。私はいつも通りお墓を寄った時には、建てた墓が無くなっていた。私が驚いたのは、埋めたはずの揺り籠が置いてありました。籠を確認すると、猫耳と尻尾が生えていた赤ん坊がいた。その子がテオでした。私は運命だと思いました。その後、今までエラと一緒に育ててきた。どうしてあのような現象が起こった理由は分かりません。話は以上です」
「それが、目の前にいるテオということか」
お祖父ちゃんとお祖母ちゃんは事情は理解したという事で、表情を緩めた。
「だが、安心しなさい。このクロリーチェ家には差別するヒトはいない。むしろ可愛がられる方が心配だ」
「ということだから、テオちゃんの猫人族の理由はお終いにしましょ!それにしても、エラの小さい時と同じ、瓜二つね!こっちにいらっしゃいテオ!」
僕はお祖母ちゃんに呼ばれたので、お母さんの方を見たら「大丈夫よ」と言ってから、僕は頷き、お祖母ちゃん隣に座った。そして、ナデナデなれるのであった。
「では私とアルロで二人で話す用があるのでここで失礼する。ソフィーとエラとテオはもう少し話してから戻りなさい。アルロいくぞ」とお祖父ちゃんとお父さんは出ていったのであった。
◇
「良い触り心地ねぇ。しっかり手入れされているのね」
猫耳を触られて我慢していたが、耳の中に指を入れられた瞬間、僕は「にゃッ!?」と声が出てしまった。
「びっくりさせちゃったかしら!?」とお祖母ちゃんは焦っていた。
「だ…大丈夫」と目をうるうるさせながら言っていた。
「そろそろテオちゃん解放してよ、お母様」と、お母さんは困った様子。
「わかったわ…」とお祖母ちゃんは、名残惜しそうに僕の頭から手を離した。
お母さんの隣に座り直した。そうすると、今度はお母さんが、頭を撫でてきた。僕は苦笑い。
「お母様は私と話する事あるんじゃない?」
「ええ、お見通しっていう訳ね」
お祖母ちゃんは笑顔だった。
「テオちゃんに魔法の事教えていないの?」
「ええ、教えていないわよ」
「そろそろ教えてる頃だと思ったのにねぇ…テオちゃん凄く魔力が濃いのよね。まだ、秘めているだけだけど…」
僕は殆ど無言に近かったが、内心では魔力が濃いってどういう事!?って思っていた。5歳を過ぎてから教えてくれるとお母さんが言っていたけど。
「あら、テオちゃんどうしたの?興味が湧いたのかしら」とお母さんはお見通しの様だ。多分、耳がピコピコ動いていたのだろう。
「うん…まだまだ知らないから」
「じゃあ、お父さんに伝えてからにしましょうね」
「うん!」
「さてさて、今日はかわいい孫との顔合わせができたし、一刻を過ぎたら孫のステラの誕生会が始まるから、テオちゃんまた後でね」
「うん!」と言って僕は手をフリフリして、お祖母ちゃんが出ていった。
「私たちも戻りましょうか!テオちゃんフードとマントは忘れずにね?」
お母ちゃんにマントとフードを付けてもらってから僕は待機室に戻るのであった。
◇
●ある部屋で
私はステラ。本日で5歳を迎えるのよ!そして今日はなんと、私以外の家族と初めて会えるの。どんな人たちなのか楽しみで仕方が無い。なぜなら…
私はこの世界を知っている。ゲームでやってた記憶がある。他の事は思い出せないけど、唯一分かるのは悪役令嬢っ事。けど現実は違う。シナリオに沿って動く事はないと…自身の日記に書き込んでいた。
ノック音で自分の世界から戻ってきた。メイドが顔を見せた。
「失礼します。ステラお嬢様、そろそろお時間です」
「ええ、わかったわミア」
その後、ステラに予想外の出会いになるとは知らずに…物語が動き始めるのであった。




