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2.僕の家族

 どうやら籠ごと抱えられている僕は、何処に連れて行かれるのか不安だったが、男の行き先は家だった。家の中は暖かい所だった。


 

 暖かいと思っていたら「あら?起きちゃった?」と綺麗な女性が僕を見てきた。



 僕は女性の瞳を真っ直ぐ見た。女性は笑顔になった。「外は寒かったでしょう。今はゆっくりお休み」と言って頭を撫でてくれた。心地良くて寝てしまった。





 私は元執事のアルロ

 執事を引退して、今は23歳になる。妻と王都の外れの家で暮らしている。危険などは無い、特殊な隠蔽魔法で見つからないようにしてあるからだ。その上、この家は秘密があり、家の地下は、王城に繋がる道があるからだ。表向きは王城に届く報告書を確認してまとめる仕事。裏では秘密通路の守護をやっている。



 そして、私の妻は元公爵家のお嬢様であり、今は家事をしている。名前はエラという。私より5つ年下の18歳だ。令嬢としては稀で、家事ができる女性でもある。最近までは、私の妻のお腹に子供を授かっていたが、冬に死産してしまい、悲しみに暮れていた。





 ●冬のある日



 私はエラを元気つけようとして、王都にアップルパイを買いに行っていた。お買い物を終えて収納魔法に入れた後、私の家に向かって歩いていた。



 その帰り道、私と妻の子の墓参りをいつもの様にする筈だったのだ。



 いつもと様子が違っていた。百合籠と共に埋めた墓があった場所が無くなっており、埋めた筈の百合籠が置かれていた。私は百合籠に入った耳と尻尾が生えた赤ん坊を見つけた。



 運命なのか…と泣きそうになりながらもその百合籠を大切に抱き抱えて、家に戻った。妻には驚かれたが、その事を伝えると泣き出した。



 その子の姿はとても私と妻の特徴がある。ヒトでは無かった。猫人族だった。



「神様はきっと私たちの子を生まれ変わらせてくれたんだ」



「私はこの子を育てるわ」



「ああ、何があっても私たちの子だ!」



 私と妻は決意したのだった。





 ●時は巡り



「テオちゃん、夕方には戻ってくるのよ?森から出てはダメよ?」



「はーい!」



 今は寒い季節。温かい格好をした僕は、家の周りの森を散策中。



 僕の名前はテオ

 この世界に転生して、5年が過ぎようとしていた。黒い猫人族で前世の記憶が名前以外は覚えている。運動神経は抜群。この世界は魔法が使える。僕には適性はあるらしいけど、5歳を過ぎてから使えるらしい。



 僕の姿かって?

 女の子と間違えられるような顔と黒髪ショートヘアをしており、ピコピコと動かせて壁越しでも聞こえる猫耳と僕の感情がバレてしまう尻尾の生えた男の子だ。人間の耳は無い。



 最近になって、森にある湖の反射で自身の姿を見た時は「男の娘かよ!」と叫んでしまった。あの趣味悪そうな影の笑顔を思い出す。今思うと、僕の耳と尻尾をつけたのは、黒い影の趣味なんだと思ってしまう。



 育ててくれたお父さんとお母さんには、感謝をしている。けど僕は知っている。お父さんとお母さんの子じゃなくても…



 いつも通り、興味本位で昼を過ぎたら近場を散歩して、夕方になったら帰る日々を送っていた。





 家に帰ると、家が真っ暗だった。

 何かあったのかと思い「お父さん、お母さん?」と恐る恐る呼んでみた。



 いきなり魔道具のライトで家が明るくなった。



「「テオ誕生日おめでとう!!」」



 お父さんとお母さんがディナーを準備して待っていた様だ。僕は泣きそうになりながらも「ありがとう」と笑顔で言った。



「テオは泣き虫だな!お父さんとお母さんは居なくならないぞ!」と笑うお父さん。



「びっくりさせ過ぎたかしら」と頭を撫でてくれるお母さん。

 


 僕はチキンの丸焼きと大好きなアップルパイを食べた。僕は幸せな家族に恵まれた。





 ●数日後



 現在、お母さんとお風呂に入っているのかって?それは、僕が女の子にしか見えないのと、お母さんに耳と尻尾の手入れをしてもらっているから。お父さんと入ろうとすると、何故か拒否される。



 そして僕は、いつも股を腕で隠しながら、ふさふさな耳と尻尾を触られるのを我慢して、お母さんに綺麗に洗って貰っている。気持ち良くてビクビクしちゃうけど、お母さんは満足そうに毎回洗っている。自分の身体は流石に自分で洗ってるけど、温かい湯を掛けてから風呂に浸かる。



 お風呂好きなのは、前世から変わらないのだ。猫人族であってもだ。ちなみに僕がここに来てからずっと、お母さんが洗ってくれているのだとか…もう気にしていないけど。



 ちなみに寝る時は、川の字になって寝ている。温かさを感じる。



 僕はお母さんとお風呂に入った後に、お母さんの魔法で暖かい風で乾かした後、お父さんに「これから家族で大事な話がある」と言われたのであった。

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