表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神喰らひ  作者: 和鯰ん
2/5

夜は更けていく

自分の小説の中での表現

「」 セリフ

「()」 心の中のセリフ

『』 決め台詞など


 大体は上記の通り行きます。

「は?目覚めた?俺の嫁が?なんで?」


「それはこちらのセリフですよ。本当に」


 心の底から困惑した声を出す夜更とやれやれといった風の陰陽師。ふたりとも首を横に振り、これからのことに思いを馳せる。


「まぁ、目覚めちまったもんは仕方ねぇ。とはいえなぁ、目覚めたかぁ〜どうするか。陰陽寮的にはどうすんだぁ?」


「どうするんだ、とは?」


 首を少し傾け芝居がかった仕草を見せる陰陽師に対して苛立ちを隠さずに夜更は問い詰める。


「とぼけてるんじゃねぇぞ?決まってるだろ?隠蔽するのか、公表するのかって話だよ。あいつは大物だから、少しでも陰陽術や魔術をかじったことがある奴らなら感知することは容易だぜ?」


「流石に鋭いですね。あなたは、まぁ上の考えはわかりませんがおそらくは隠蔽するんじゃないですかねぇ?

まぁ絶っっ対無理でしょうけどね」


「だろうなぁ、だから寝てもらってたんだからな。既に感のいいやつと昔あいつと戦った奴らは気づいているからな」


「やっぱりですか、どうりで最近陰陽寮の周りで変な気配があると思っていたんですよ。ちなみにで聞きますけど強さ的にはどの位の格の奴らが来ていますか?」


「まぁ簡単に言うと低くて鬼、高くて神ってところかな」


 二人はつくねに手を伸ばし酒を煽りながらも話を続ける。時計の針は既に九時をまわっている。


「それは、また、いやぁ、どうしましょうかね。流石にそのレベルになると止められる気がしないのですが、いや本当に」


 先程までの飄々とした態度を崩し狼狽える陰陽師に対して、夜更は次の串に手を伸ばしながら酒を煽る。


「そりゃそうだ。全員が全員、崩国クラスだ容易には止められん」


 崩国と聞いて陰陽師の肩が強張る。崩国とはいくつかある化け物の強さの基準の中で最もくらいの高いものだからだ。崩国とはその化け物単体で国が崩れるという漢字の通りである。


「一体どうすれば良いのですかねぇ、実際にその化け物共と闘ってきたあなたの知識をお借りしたいのですが」


 夜更は少し考えると手に持っていた軟骨を置き真剣な口調で話始める。


「簡単だ、何もするな。基本的に奴らは常識が通じる。こちらからさきに仕掛け無けりゃまぁ普通にアポ取りに来るんじゃねぇかな。常識が通じるから話し合いもまぁ一部を除いてできる」


「なるほど、すぐに連絡して職員に徹底させます」


 そう言うと暖簾をくぐり店の外に出る陰陽師。


「はぁ、面倒なことになった。おやっさん、軟骨一本追加で」


 夜更は注文をしながらもこれからのことを考えていた。


「(まずは挨拶しに行かねぇとな。家も片付けないと行けないし、仕事も探さねぇといけねぇ)」


 考え事に没頭していた夜更の意識を呼び戻したのは店主の一言であった。


「あんさん、これから忙しくなるんか?」


 その言葉にハッと我に帰る夜更。


「ん、あぁ、そうだ。なかなかこの店にも来れなくなっちまうかもしんねぇな」


夜更の言葉を聞くと店主は少し考える素振りをしてちょっと待てと夜更に言い店の奥に下がっていった。しばらくして店頭に出てきた店主は一本の日本酒を抱えていた。


「まぁ、今くらいはすべて忘れて酒を飲むのもいいんじゃねぇか?こいつは儂のとっておきでな、気に入った客にしか飲ませねぇんでよ」


「ふっ、なら俺ぁ、「あんたのお眼鏡にかなったってことかい。それは光栄だな。じゃあ一杯いただかせて貰おうかねぇ」


 そう言うと夜更と店主の前にぐい呑が置かれる、二人で静かに器を鳴らし酒を飲む。夜は更に更けていく、外に出た陰陽師はまだ帰ってこない。


 男二人の酒はどんどん進んでいく。静かだが、どこか熱く。




今回も読んで頂きありがとうございます。感想、評価、ブックマーク等を貰えますとモチベーションに直結しますのでお願いします。

 次は来週中には書き上げたいと考えています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ