転生と美少女
俺は、この世界が退屈で退屈でしょうがなかった。だから、異世界に転生することにした。
俺は常に非日常を求めていた。非日常を求めていろいろなところに飛び込んでいろいろなことをやった。だけど、非日常というのはすぐに俺の手から抜け出てしまう。暇つぶし程度にしかならなかった。だから、俺の人生は壮大な暇つぶしになった。だけど、そんな人生を何十年も続けていたら暇すぎて死んでしまう。だから、異世界転生をすることにした。
書き書けの小説のプロットは全て処分した。本やゲームも全て売り払った。金を全部使って、友達との最後の飯とカラオケもすました。会えなかった奴には通話もした。自分の持つ全資金で豪遊した。満足! もう思い残すことはない!
「さらば! 友とこの世界よ! そしておはよう! 異世界よ!」
目が覚めると雲の上のような世界にいた。ふわふわ、もちもちしていてやわらかい。ここにいるということは・・・。
「よっしゃー! 異世界だー!」
俺は拳を天に振り上げた。
「お元気なようで何よりです」
このタイミングで声をかけてくるということは、もしかして異世界転生によくある女神様! 俺は声のする方に全力で振り返った。
「半分は正解です。我は女神であり男神。この世界を作ったものです」
男性であり女性。確かに、中性的な顔で、美人でありイケメンでもあるって感じの顔。ってことは、ここからチート能力をもらって異世界でハーレムライフができるってことか? 最高じゃん!
「神様! 俺はこれからチート能力でハーレム祭りができるってことですか?」
「ええ。それであなたが幸福になれるのなら」
「Yes! 幸福です。めっちゃ幸福です!」
スゲーな異世界。こんなことならもっと早く異世界行けばよかったぜ。
「では、転生あるあるの器紹介に入りましょうか」
「お願いします!」
「まず、あなたはオキーズモ地方のとネマシ村の村人、ジャクトとオーカの息子。シャラとして生まれます。ジャクトとオーカは既に死亡していますが、両親の忘れ形見としてあなたには可愛い妹、シスがいます。そして、幼馴染のミオナと一緒に、幸せに暮らしています」
映像が頭の中にパパっと浮かぶ。シスもミオナもスゲー美少女だ! ワクワクしてきたぜ!
「彼があなたにとって最良の器です。他の者にすることもできますが、彼でよいですか?」
「はい! 最高です! ちなみにこれって、この後この世界を救う勇者になって魔王を倒してほしいみたいな流れになる感じですか?」
「いえ。魔王は存在するので倒すことはできますが、義務ではありません。唯一あなたの義務があるとすれば、この世界で幸福に生きてもらうことです」
「わかりました! 思う存分幸福を堪能します! でも、こんな至れり尽くせりでいいんですか?」
「ええ。もちろんです。これはある種のお詫びでもありますから。あなたは覚えていないかもしれませんが、この世界にあなたを呼ぶにあたって1年と10か月ほどの時間をかけてしまいましたので」
「俺の中では一瞬だったんで大丈夫です! ありがとうございます!」
「その言葉を聞けて安心しました。うずうずしている頃でしょうし、そろそろ旅立ちと行きましょうか」
突如、目の前に青白く光るゲートが出現した。
「ここを通れば、あなたはシャラとして生まれ変わります。良い旅になることを祈っています」
「ありがとうございます。最後に、神様の名前を教えてくれませんか?」
「我は創造神。あなたと共に在るものです」
神様だし、名前はないのかもしれない。
「創造神様ありがとうございます! それじゃ、行ってきます!」
「ええ。たまには我のことも思い出してくださいね」
俺は青白く光るゲートをくぐり、天界を後にした。
「んん・・・」
目を開けると、向き合うような形で金髪の巨乳美少女ミオナが寝ていた。さっき見た時はツインテールだったが、今は髪をおろしている。そして、手にはやわらかい感触が二つ。もしかして、ただの幼馴染以上の関係まで進展してたってことか? さっすが創造神様わかってらっしゃる。俺は、据え膳食わぬはと言わんばかりに揉んで揉んで揉みしだいた。
「はわー。浄化されていくー」
バチリとミオナの目が開く。そして、急激に顔を赤く染める。あれ? もしかして俺やっちゃった?
「何してんのよこの変態!」
顔面に思いっきりグーパンをくらい、俺の顔面は弧を描いて地面に不時着した。幸せ・・・。
「もう! 朝から変なことしないでよ。せ、せめてそういうのは夜に・・・」
「変態お兄。女の敵・・・」
シスがジト目でこちらを見ている。白髪のショートボブでいろいろと、本当にいろいろと小さいが、小動物みたいでかわいい美少女だ。こんな美少女たちに囲まれて生活できるなんて天国か! 創造神様マジリスペクトっす!
「違うんだ。シス。これには谷よりも深く山よりも高く、まるで俺の心のように壮大な理由があるんだ」
「・・・今日のお兄なんか変」
「確かに変ね。もしかして、頭打った?」
「大丈夫! おっぱいを触れば大抵のことはなおる!」
「・・・どうやらダメみたいね」
「お兄が壊れた」
「とりあえず、朝ご飯でも食べましょうか」
朝ごはんは完璧な日本食だった。味噌汁に焼き魚に米。そして漬物。普通に食べてもおいしいのに、美少女の作った食事、更には美少女と食べる食事だ。もはや幸福越えて興奮すらしてくる。
「異世界、最高! 美少女万歳!万歳!」
「えーと、とりあえず畑仕事にでも行ってこようかしら」
「ミオナ逃げるな。お兄壊れたのミオナのせい。直して」
「直してって言われても・・・」
「お兄、胸触れば直るって言った」
「え! そんなの嫌よ!」
「一揉みだけ・・・。一揉みだけ・・・」
「その無駄乳が役立つ時。行け! お兄!」
「がおおおおおおおおお!」
「きゃああああああああああああああああああ!」
涙目で俺から逃げるミオナ。そして、ミオナを追う俺とシス。俺の異世界転生は、おっぱいと美少女から始まった!
久しぶりの投稿なので初投稿です。好きに書くのでよろしくお願いします。ストック切れるまでは1日、1投稿していきます。