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第七話:それから

SIDE 木乃華




颯くんが早退した日から二日経った。


それなのに私の左隣は空いたまま、颯くんはあれから学校に来ていない。


富永先生に彼のことを聞いてみたが、先生も知らないみたいだった。





玲奈:「コノちゃん、お昼一緒に食べよぅ?」



木乃華:「ん〜?……お昼!?」




机の前にいる玲奈ちゃんに呼ばれ、正気に戻り時計を見ると、お昼休みの時間になっていた。


午前中の授業全然聞いてないよ〜。いつの間に終わったの?




玲奈:「コノちゃん、ずっと上の空だったんだよ?」



木乃華:「うん。授業何も覚えてない」



玲奈:「天宮くんのことでしょ?……よいしょっと」




机を動かした後、椅子に座りお弁当を広げもう食べる準備をしていた。




木乃華:「だって二日も来てないんだよ?心配だよ」



玲奈:「じゃあ電話してみたら?」



木乃華:「番号とか知らないもん」




高校生だし持ってるとは思うんだけど、使ってる姿なんて見たことないし、聞けるときも無かったからわからない。




玲奈:「う〜ん、あ!家近いなら行ってみれば?」



木乃華:「え?でも、迷惑じゃないかな?」



玲奈:「大丈夫だよ、コノちゃんなら」




なにを根拠に言ってるんだろ?だってずっと行ってないんだよ?まだあのお家にいるのかな?




木乃華:「で、でも」



玲奈:「……木乃華?」



木乃華:「うぅ、行きますよ〜」




やっぱり怒った玲奈ちゃん怖いよ〜、これはあれだよ、怒らせない方がいいね



そんなことを話しながら、玲奈ちゃんとお昼ご飯を食べてると、教室に上級生の女性が入ってきた。誰だろう、美人さんだな〜




上級生:「失礼します」



生徒:「会長、どうしたんですか?」



上級生:「ん?ちょっと用事があってな」




クラスの男の子が言った「会長」なんのかな〜?気になった私は、向かいにいる玲奈ちゃんに聞いてみた。




木乃華:「玲奈ちゃん。会長って、なんの?」



玲奈:「生徒会だよ。入学式でも話してたじゃない?」




三日前の入学式のことを思い出そうとするが……嫌なことしか思い出せない。




木乃華:「……覚えてない」



玲奈:「そう、だよね」



上級生:「キミたちに聞きたいことがあるんだが、いいかな?」




不意に声を掛けられ驚いた。私、会長さんに目を付けられることやっちゃったのかな!?




木乃華:「うぇ?……あの、その」



玲奈:「木乃華落ち着きなさい。それで何でしょうか春野先輩?」



春野:「おや?私の名前を知っていたか」



玲奈:「ええ、春野先輩は有名人ですからね」




なんか玲奈ちゃんが怖いよ〜。何でだろう?知り合いなのかな?




春野:「まぁ、私のことは置いといて、本題なんだが、天宮くんを知らないか?」




え?……颯くんの、知り合い?どういう関係、なのかな?




玲奈:「……天宮君に何の用ですか?」



春野:「ん〜?あぁ、お昼を一緒にどうかなと思ってね」



木乃華「……っ!」





何でだろう?今の言葉を聞いて……心臓?違う、胸の奥かな?そこが締め付けられるようで苦しい。どうして?この人は誰?颯くんとどういう関係なの?



玲奈:「………先輩、残念ですけど、天宮君なら二日前早退してからから来てませんよ?」




私は胸の痛みで少し喋れない状態だった。だから代わりに玲奈ちゃんが喋ってくれた。




春野:「そうか……残念だよ」



玲奈:「天宮君の知り合いなら、電話番号とか知らないんですか?」




やめてよ玲奈ちゃん。それ以上聞かないで、聞きたくないよ……。




春野:「彼ね、珍しく携帯電話を持ってないんだよ」




そんなことまで知ってるんだ……。私の知らない、颯くんのことをまで




玲奈:「そういうこと聞ける程仲が良いいんですね?」



春野:「だといいけどね……」




もう嫌だよ。玲奈ちゃんも何で聞くの?さっきの言葉でもう嫌なのに、これ以上聞きたくないよ…。




玲奈:「どういう意味です?」



春野:「いや、何でもないよ」



木乃華:「先輩と、颯くんは、どういう、関係なんですか?」




自分でも驚いた。聞きたくないことを勝手に聞いていた。でも気になるのは確かだから…。




春野:「颯くん……キミ、天宮くんとは仲が良いのかい?」



木乃華:「え?あの、昔、近所で、よく遊んだりしてました」



春野:「つまり……幼馴染み、か?」



木乃華:「は、はい」




なんで私は、初対面の人とこんな話をしているんだろう?


どうして他の女の子が、颯くんの話をすると嫌な気持ちになるんだろう?


私は何がしたいの?


疑問だらけだ。





春野:「……天宮くんのこと、何か知っているか?」



木乃華:「何かって、どう言う事ですか?」



春野:「早退した日から天宮くん、来てないと言ったな?」



木乃華:「はい」




颯くんは、一昨日のお昼に早退して、昨日から学校を休んでいる。


春野先輩は考える仕草をした後、呟いた。




春野:「やはりあれか……でも……そんなことで」



木乃華:「颯くんに会ったんですか?」



春野:「ん?ああ。確か二日前の昼休みが始まって……大体、20分位かな?私の家の前で」




この人の言っていることは本当だと思う。だって嘘をつく必要がないから。それになんで先輩のお家の前でなんだろう?




玲奈:「それで何があったんですか?」



春野:「違うと思うんだが、私が妹の名前を呼んでから、様子がおかしくなったんだよ」



木乃華:「妹……」




もしかしたら桜ちゃんのことを思い出したのかも知れないけど……でもそれだけで?




玲奈:「それは違うと思いますけど」



春野:「私も、何かの用事を思い出しただけかなと思って、気にはしなかったんだが……それから休んでるとなると、気になってくるよ」



木乃華:「他に何か言ってませんでした?」



春野:「ん〜。あ!その後に、帰って来たんだ。とか呟いてたな」




春野先輩の妹の名前を聞いたらおかしくなった。その後に、帰って来たって呟いたこと………もしかして春野先輩の妹さんの名前って……



木乃華:「因みに先輩、妹さんの名前は?」



春野:「桜だが?それがどうかしたか?」



木乃華:「っ……」




思った通り、この先輩の妹さんの名前は「桜」だった。


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