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春に想いて、夏に駆る   作者: なつこだち
6/6

6/6(最終話)

あの日から、随分と歳月が経った。


いつも通りの夏である。


青空は澄み切った快晴。雲一つ無いその様子は、非常に胸がすく心地である。


蝉の音がやかましく思えるが、この季節だけの音色と思えば気持ち良くも思える。


暑い盆の昼下がり、墓石の前にしゃがみ込み、手を合わせる少女がいる


巫女だ。赤を基調とした巫女装束は、何故か脇だけが露出している。


「私は、お母さんの事なんて何も知らないや…。」


「お墓参りか、お前は親孝行な奴だな~。」


巫女の隣から、おどけて話しかけてくる少女がいる。


真っ黒な洋風の装いを身に纏い、頭には特徴的な魔法使いの帽子を被り、その手には大きな箒を持っている。


霧雨魔理沙だ。


「今はお盆よ。あんたも少しは先祖を弔いなさい。」


「私は魔法の研究で忙しくて、そこまで気が回んないぜ。」


誤魔化すようにニカっと笑った後に、魔理沙は博麗神社の縁側へ向かおうとする。


「さっき川から上げたスイカ食べようぜ!ぬるくなっちまうよ。」


「はいはい、今行く。」


魔理沙に急かされたので、お供え物を墓石に置いた後に、桶や柄杓を両手に持ちながら立ち上がった。


「親孝行ね…どんな感じかしらね。」


自らの両親について何も知らないことに関して、ほんのりと寂寥を感じていた。


でも今は、とりあえずスイカを食べに行こう。


博麗霊夢は、霧雨魔理沙の下へ急いだ。




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