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素材  作者: 味噌煮だったモノ
第1章 
17/63

第17話 スキル返してもらいます! 359 終幕

なんとなく投稿します

俺に業火が迫ってきていた。


咄嗟に開始しようとするが間に合わなかった。

「あああああああああああああっ!!!!」

『将斗?!』


痛い熱いアツいアツいあづい痛い

痺れに似ていてそれ以上の激痛が右腕全体に走って、走り抜けたかと思うとまた次の痛みが来る。連続した激痛の供給に、全身の関係のない所へ力を入れるのが難しい。次から次から次から次へと痛みが来る。止まらない。力が入らない入れたくない耐えられない。


「ぐぁああぁあ・・・ああああっ?!」


見ると右肩から先が真っ黒くなっていた。

感覚がない。ダメだこれ。動かせねぇ。

痛みで魔力操作が効かない・・・。

落ちる・・・。


「やった!やったぞ!これで俺が、俺が主人公だ!」


そう聞こえた。

あいつが手を、落ちている俺に向けていた。

激痛で乱れる思考を無理矢理まとめて【浮遊フロート】を働かせる。

魔力が押してくるイメージ。下向きに。加速し、ろ―。


「遅ぇ!!【熱光線ヒート・レイ】!!!」


炎の、柱が迫ってくる。

追いつかれる。


「はあああああああああああ。」


俺の目の前にグレンが現れた。

ここまで飛んできたのか!


「ぐっっっっ!!」


グレンが剣で防いでいるがともども光線に押されて落ちていく。

火の柱が消えてない。


「っづぁ!なんでっ・・・それで消せない!?」

「わからない!だけど、このままじゃっ・・・将斗掴んでいろ!」


落ちる勢いが遅くなっていく。

グレンが【浮遊フロート】で耐えてるのか。

俺は左手でグレンの背中を押し、俺も【浮遊フロート】を発動させる。


「「おおおおおおおおおっ!!!」」


落ちる勢いが弱まっていく。

なんとか落下を防ぐことができた、かのように思えた―。

光線の威力が急に増し俺たちは民家に激突した。


『大丈夫か二人とも!』


痛みをこらえ、なんとか起き上がる。

屋根の破片が落ちてくる。

家の中か。

押し込まれたときの高さが意外と低くて助かったらしい。

・・・焦げた右手の感覚がない。

痛みを感じなくなりつつあるという事実に逆に恐怖が湧いてくる。

近くを見ると、グレンも起き上がっていた。


「将斗その腕は!」

「ごめん・・・・しくじった。」

「くそっ。俺が」


グレンが頭を下げようとする。

駄目だ、今そんなことしてる暇はないんだ。


「グレン待て、悔やんでる時間がない。あいつ、また。」


上を見上げるとまたユウヤが上空に火球を放っている。

どんどん隕石が落ちてきている。

グレンの肩を借り、民家の屋根の上に移動した。

このまま俺を連れて行ってもどうしようもない。


「置いてけグレン。置いて行ってくれ。」

「だが・・・。」

「俺にかまってる暇なんてない、俺は俺でどうにかするよ。」

「・・・っ!すまないっ!」


グレンは飛び立って隕石を止めに行った。



二人が隕石を防いでいる間、俺は痛みで動けなくなっていた。


「ぐっ・・・。」


何とかこらえようとするが無理だ。

痛みで頭がどうにかなりそうだ・・・。

腕よりも頭が痛い。もう多分腕が死んでる。それで頭がバグってんのか?

いや分かんねぇ。もう、考えられない。

何かないかと辺りを見回す。

俺がいるのは王が演説していた近くの民家の上だった。

民衆が心配そうに空を見上げている。

グレンは次から次へと隕石を切り、打ち漏らしたものはレヴィの障壁で防いでいた。

二人が連絡を取り合っている声が聞こえる。

なんて言ってるか聞こうとするが、さっきより、声が遠く感じる。

このままじゃ、本当に―。

何かしな、きゃ、俺、が何か―。


「っあ・・・。」


力が入らず倒れた。

うつぶせの状態で屋根に。

頭を動かすこともできない。

二人がどうしているか見ないといけないのに、俺の視界には上を見上げる民衆しか映らない。

俺が【無限】を奪って、止めないと。・・・俺がやらないと・・・。

俺はまた、負けるのか・・・・。




そのとき―俺は気づいた。


一人。一人だけ上を見ていないものがいる。

じっとこちらを見つめ、何かを見せてきている。

誰だ・・・。

民衆から外れ衛兵たちの近くにいる少女・・・。

青い髪の。見覚えのある・・・。

ルナ・・・だった。

ルナがこっちを見ていた。

その手には・・・四角い・・・。

なんだ・・・何を・・・言いたい・・・。

一体、なにを―。






「アハハハッハハハアハハハハハハハハハハハハ。」


あいつは倒した。

あの王子も、レヴィもいずれ力尽きる。

俺に歯向かった民衆共もろとも潰してやる。

俺の勝ちだ!

俺の勝ちなんだ!


「俺の勝ちだ!」

「よう。」


声をかけられた。

直後、下から轟音が鳴り響く。

民家が爆発してる。打ち漏らしか?

そんなことよりも、なんで!


「なんで生きてる!」

「さあな。」


あの男がまた来ていた。

なんで、なんでまた!

お前はさっき焼き払って、光線で潰してやったはずだ!

なのに、なんでまだ生きてる!


「殺す!」

「やってみろ【熱光線ヒート・レイ!」


熱光線ヒート・レイ】だと?

俺が必死こいて覚えた魔法だと?

しかも、この俺に魔法だぁ?

無限の魔力をもつこの俺に?

なめてやがる。

目が、顔が、存在が、考え方が、話し方が。この俺を!

なめてやがる!なめてやがる!なめてやがる!

こいつは確実に消す!


「望み通り消してやる!!!!!死ね!【熱光線ヒート・レイ】!!!!!!」

「【火球ファイア】!」


馬鹿が!

馬鹿正直に【熱光線ヒート・レイ】をぶつけてきやがる!

ああ、感じるぜ押してる間隔が、少しずつ強くして、無力さを呪って死ね!

俺に勝てるわけねぇのに!

黒焦げになって死ね!死ね!

・・・

・・・

・・・・?

なんでまだ拮抗してる。

だったらもっと出力を上げて―。

・・・・・なんでだ?なんで押されてねぇ!

まだだ、まだ出力を上げれば!!

くそっくそっ!なんで、押し返せねぇ!俺のほうが強いのに!


「どういうことだ!てめぇ!」


あいつのほうを見た。

光線同士の衝突でよく見えない。


「・・・は?」


一瞬見えた。

なんだ今の、なんで・・・なんだあいつ。なんなんだあいつ。

なんで・・・・。

見えたのは燃え盛る炎の・・・・・・・で光線を放つあいつの姿。

なんで自分を燃やしてんだ!!!




『なに・・・してんの将斗、なんで?どうなって。』

「ちょ・・・と、いま・・・・返・・・・事・・・無理・・・。」

『【火球ファイア】と【熱光線ヒート・レイ】教えろっていうから何かと思ったけど。どういうこと、なんで自分自身を燃やしてるわけ・・・?なにしてるの?!しかもあいつと張り合えてる。何したらそんな。』

「ぐっあ・・・ルナと・・・スキルを・・・・入れ替えたんだ・・・よ」

『・・・まさか、交換チェンジで?!ルナの不死身のあれを?!嘘でしょあんた…。』


俺は、あの時、意識が途切れるぎりぎりのとこで気づいた。

彼女はステータスウィンドウのスキル画面を見せていた。

俺はギリギリのところで意識を保ち、ステータスウィンドウを開いて見ると、知らないスキルが一つあった。【逆境】ダメージを受けると魔力が回復するスキルだった。

昨日【回収アブゾーブ】のスキルでルナから奪ったものだとわかった。

つまりルナは、もう一つのスキル『魔力がある場合傷が回復する』スキルを奪えば俺が復活できる、そういうことを伝えようとしていたんだろう。

2つのスキルが揃えばルナのように、疑似的な不死身になれるからだ。

だが、俺の【回収(アブゾーブ】はあと一回しか使えない。

だから俺は賭けに出た、スキル画面を触れることができるなら【交換チェンジ】の対象になるんじゃないかと。

賭けは、成功だった。

得たスキルは【魔力再生】。これのおかげで俺は傷が回復した。

腕が動くようになり、黒くなっていた肌はみるみるうちに本来の色を取り戻した。

その時に気づいた。

回復する時の魔力の減りがかなり遅いことに。

ダメージに対して得られる魔力量と、ダメージを回復するために使う魔力が釣り合ってないことに。

そして考えついた、自分を傷つけつつ余分な魔力を魔法に回せば、無限に魔法を発動することが可能なんじゃないかと。

俺はその直後レヴィに【火球ファイア】と【熱光線ヒート・レイ】の打ち方を教えてもらった。浮遊があんだけ早く覚えられたのなら、きっとできる。というかやらなきゃだめだ。そう考えた。

そして俺は、あいつの近くに落ちていたの隕石と入れ代わり、今に至る。



全身に激痛が走り続けている。

あいつが火力を上げるなら俺も火力を上げて魔力を回復する。

激痛でまともに頭が回らない。


「バカかお前!どうなってる!ありえねぇ!いかれてやがる!」

「・・・さっさと・・・・スキルを・・・寄こしやがれ!!!!!!!」


火力を上げた。気絶しないように意識だけは保ち続ける。

あっちの火力が上がってるのを感じた。

だったらまだ火力を上げてやる。

死なねぇって保証があんだ!痛みぐらい耐えてやる!

さっきの火傷が長いだけだ。耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ。

こっちはお前を倒して、スキル奪わなきゃどうせ消える身だ!

ここで頑張らないで俺はどこで頑張るって言うんだよ!

ここで死ぬくらいの気概でやれ!俺!


「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」


まだだ

まだまだ

もっとだ!

もっともっともっと!

もっともっともっともっともっと!!!

燃やし続けろ!!


『ありがとう。将斗!』


グレンが猛スピードでユウヤの背後に現れる。


「っあ・・・?!」

「終わりだ!ユウヤ!」


グレンが斬りかかるその瞬間。

その瞬間目の前で閃光と轟音が広がる。

あの時の、魔力・・・暴発・・・?!






気が付くと俺は頭から落下していた。足元に映るのはふらふらと飛んでいくユウヤの姿。

なんであいつは飛んでられる。

クソが浮遊ができない。

めまいがする。

止まらねぇ。

グレンが急降下してくる。

「将斗!掴まれ!」

差し伸ばされた手を掴む。


グレンはなぜか浮遊フロートを使えていた。

しかし、落下のスピードを押さえるだけで、落下は防げず、俺たちは再び民家に突っ込んだ。

激痛が走るが、すぐに治った。

魔力再生のおかげか。


「グレン大丈夫か?!」

「ああ、なんとか。」


グレンは無事だった。

さすが王子・・・王子関係ないか。


『はぁい・・・二人とも・・・元気・・・?』

「レヴィ?!」


レヴィの声がする。

だが弱弱しく今にも消えそうな声だ。


「どうしたんだ?!」

『あんたらの・・・・被害押さえるために魔力をいじったのよ・・・・おかげでこっちはもろに食らっちゃったわ・・・範囲広すぎよあれ・・・。』


だからグレンも俺もまだ意識があるのか。


「ありがとう・・・レヴィ。」

『ああ・・・私もう動けないから・・・あと・・・よろしく・・・。言っとくけど今しか・・・勝機は・・・ないからね・・・』

「レヴィ?!おい・・・。」


レヴィはそれ以降返事をしなかった。


「後で助けに行こう。」

「ああ、それでユウヤは?」

「彼は今あそこを飛んで・・・。」


その指さした先に、ユウヤはいた。

城の最上階の高さまで下りてきていた。

何かを見ている。

城の壁を誰かが駆け上っていた。


「まさかあれはルナか?!どこにそんな体力が。」


青い髪の少女が駆け上がっていくのが見える。

最上階を目指しているのか。


「グレン行くぞ。」


そう言うがめまいでふらつく。

するとグレンが肩を貸してくれた。


「グレン・・・。」

「最後まで連れて行けと言ったのは君だ。行くぞ。」

「ああ・・・!」






魔力がめちゃくちゃな感じがする。

めまいもひどい、気持ちが悪い。

あいつらは落ちていったからもう死んだだろう。

浮遊フロートが使えて助かった。

・・・ルナのとこへ行かなきゃ・・・

あいつだけでも俺のものにしてやる。

そうして城の最上階近くまで下りてきた時に気づいた。

ルナが城の壁を駆け上がって最上階まで行くのが見えた。

なんだその動き。

ああ…そうか、そうか分かった。

あの転生者はルナのスキルを入れ替えたんだ。

スキルまで入れ替えれんのか。

あいつは何らかの強化のスキルがあって、玉座の間での動きはあれのおかげか。空中であれだけ自由に動けてたのもそれが理由か。クソが。

だからさっき自分を燃やして魔法を打つなんて真似ができたんだ。違ぇねえ。

ルナが待っている最上階に降り立った。

最高の女だ。


「ああ、ルナ、俺を迎えに来てくれたのか・・・。」

「・・・。」


ルナは黙ったままだった。


「なんで黙ってる。・・・なんだよ。なんだよその目は。」


なんだその憐れむような眼は、そんな目で俺を見るな。

まるでエリスの、あいつの最後の顔のようで。


「その顔をやめろ!」


俺は手を向け魔法を放つ・・・はずだった。

魔法が使えない・・・魔力の流れがわからない・・・。

気持ちわりぃ。


「あなたは、やりすぎました。これからはその罪を償ってください。」

「・・・なに?俺が、なんで俺が!この世界は俺の世界だぞ!」

「あなたの世界ではありません!」

「・・・?!」

「この世界の人々はそれぞれが誰かを愛し、悲しみ、笑い、憎しむことができる。誰一人としてあなたのものではない!」

「うる・・・さい。うるさい!ここで好きに生きていいって神が言ったんだ!だから俺はそうしてるんだ!なんで俺がこんな思いばかりしなくちゃならない!なんでこんな!」

「そう・・・なら、もう終わりにしましょう。」

「うるせえええええええええ。」


なんとなく魔力の流れがわかってきた。

感覚が戻ってきてる。

こいつは殺す。

スキルがねぇからもう不死身じゃないだろうが、もういらねぇ、こんな、こんな俺の思い通りにならない奴は!



ギリ・・・ギリ・・・



後ろの方で音がした。

振り向く。


「っ?!・・・エリス・・・?!」

「その間違いは光栄だな・・・。」


魔法でできた矢が飛んでくる。

クリスだ!あいつは!


「【防御魔法シールド】!」


ぎりぎりで発動できた。これで大丈夫だ。

発動できた。完璧だ!詠唱で補正かければ余裕なんだよ!

矢が防御魔法に当たるその時。


「【交換チェンジ】!」


あの転生者と王子がクリスの背後の壁から上がってきたのが。見えた

そして矢があの剣―魔法を消してくる剣と入れ替わり。防御魔法を突き抜け俺の体に突き刺さった。





「ああああああああああああああああああ!!!!!!!!」


ユウヤは腹部に剣が突き刺さりもがいていた。


「あああああ!!!死にたくない!死にたくないい!!!」


血が大量に流れ出ている。。

彼は這うようにしてルナに近づく


「今ならまだ許す!今ならまだ許してやるから!俺を!助けろ!ルナ!」


するとルナが近づいて行った。


「ルナ!」


俺は駆けだそうとしたグレンの肩を掴み止める。


「なんで止める?!」

「もう終わった・・・」


ルナがユウヤに近づいていく。


「ああ。ああ、やっぱりお前はいい女だ、俺に、俺にふさわしい。」

「あなたに都合がいいというだけではないのですか。」

「ちっっ、ち、違う!本当に好きなんだ!!何でもしてあげるよ!この力で!いいだろう?!だから!だから!」

「・・・その力があなたをそんな風に変えてしまったんですね。」

「・・・え?」

「あなたは昔勇者にふさわしい良い人だったと伺いました。しかしその力に溺れてしまった。そうでしょう?」

「・・・そうだ、そうなんだよ、俺が被害者なんだ、だから。」

「だから?」

「・・・俺は悪くないんだ!」

「・・・そうですか。」


そういうとルナはユウヤに触れる。

ユウヤが嬉しそうな顔をした。


そうして彼女はこう唱えた―。


「【回収アブゾーブ】」


ルナが彼に触れた手が光りだす。


「あ・・・?え・・・?・・・ル・・・ナ・・・?」

「どうかあなたの魂が救われることを、望みます。」


ユウヤは力なく崩れ落ちていった。

その後、彼が動くことはなかった。

ヒートレイ合戦ではヒートレイの勢いで浮いてました。

つまり浮遊は使ってないんですよね彼

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