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素材  作者: 味噌煮だったモノ
第1章 
13/63

第13話 決戦 356 邂逅

掃除のやる気が出ないので息抜きに投稿します。

計画通り俺たちは王城の隠し通路を通っていた。

レヴィが明かりとして魔法の光球ライトを使っているが光が弱い。

自分たちの周り以外全部真っ黒で何も見えない。

静かすぎて、靴が地面をこする音ですら聞こえる。

ちなみに俺は暗いところが、嫌いだ。

幽霊とか信じてるわけじゃないけど、いや断じて違うんだけど

「あの・・・レヴィ、もっと光強くしてもらっても。」

「え、まさか怖いのかい?」

「いや怖いとかじゃなく。」


その瞬間明かりが消えた。


「あああああ!?やばい?!なに??何?!怖いレヴィさんどこ、グレンさん?!すいません?!いない?!ヤバイ終わった!!あーあーあーーあーあーーーー。」


やばいやばいやばい。こっっっっっわ。声出そ。出してたわ。あーあーあーあー。

中腰になり手探りで辺りを調べるが何も当たらない。

前にいたレヴィも真後ろにいたはずのグレンもいない。

え、マジでなんも見えないこっわ。無理無理無理。

パニックになっていると明かりがついた。


「うわっ何ィ?!」

「あはははははははははははあんた最高!!!」

「フ、フフッ・・・ごめん。」


二人が並んで立っていた。

めっちゃ笑っている。

ありえねぇこいつら。マジで。キレそう。


「決戦前に何してんだよあんたらは!」

「アハハハ!ごめんごめん違うのちょっと驚かそうと、グフフフフ・・・あー無理無理最高!!」

「いやあんたらの宿敵っていうか、復讐しに行くんだよな。なんか緊張感とかないのか?」

「フフッ、確かに復讐するつもりだよ、でも。」


グレンはそう言うと一呼吸整えてから真剣な目をして言う。


「あいつは絶対に許せない存在だ。だけど復讐に取りつかれすぎるのはよくないと思ってるんだ。なんだかどす黒いものに心を持っていかれるようでね。だから、こういう息抜きは必要なんだよ。」

「・・・そういうことか。」


自分を見失わないように、緊張感をあえてなくしているのか。

もしかしたら無理して笑ってるのかもしれない。

そう考えると、彼らの―。


「クククッ・・・。」

「アハハハハ!!ヒィー無理無理アハハハハ!」

「いや納得できねぇ!」





隠し通路を抜けた。

小さな扉から抜け出すと開けた空間に出た。

ここが城の内部か。

石造りの、いかにもお城ですって感じだ。

天井は見上げるほど高い。

1フロアでこの高さとなると、全体はやっぱ相当でかくなるな。

赤い絨毯が全面に敷かれている。そんな廊下に壁のないところ・・・窓?から月明かりが差し込んで雰囲気がある。

都会と違って光源が少ないからか、星もよく見える。

かっこいい・・・探索してぇ・・・。

そんな時、ふと気づいたことがあり二人に聞いてみることにした。


「あれだな、待ち伏せとかされないんだな。」


そう、人の気配が全然しない。

王城に侵入なんていうからてっきり、衛兵がいる中をこそこそと歩いていくイメージだったんだけど。


「僕が衛兵のふりして色々調べてたからね。この時間、ここから玉座の間までの廊下にまだ見回りに来る兵はいない。」

「玉座の間はどこに?」

「この角を左次の角を右に行けばもう玉座の間だよ。」


すぐじゃないか。

そう思った瞬間、緊張してきた。

正直話を聞いた限りじゃ、まだあの男がどれぐらい恐ろしい強さを持ってるのかわからない。

そんな俺に任された仕事。玉座の間に入って、防御魔法を展開し続けるネックレスを偽物と入れ替え、王付近の俺と同じくらいの大きさのものを探すこと。いい感じのものがあったらそれと入れ替わって最短距離で王に近づき、【回収アブゾーブ】でスキルを奪う。

奪ってしまえば魔法の威力は弱まるだろうから、その時点で俺たちの勝ちだ。

しかしこれを王に見つからないように行わないといけない。加えてやり直しが効かない。

・・・・。

俺に重要な役割を任されているということをあえて考えないようにしていたが、ここまで来ると嫌が応にでも考えてしまう。

手に汗がにじむ。


「・・・将斗、ちょっといいかな。」


最後の角を曲がる前にグレンが肩を叩いてきた。

考え込んでいたから少し反応が遅れた。


「え、ああ、何?」

「この戦いは、君にかかってる。」


そう言われた瞬間、胃の辺りを握りつぶされるような感覚に襲われる。

言葉が出てこない、彼らを不安にさせるな、なんか言え。

全然いい言葉が思いつかない。


「けど、安心してくれ。僕たちがついてる。」

「まあ気楽にやんなさいよ。失敗したらしたらで首根っこ掴んで逃げてあげるわよ。」

「え・・・ああ・・・。うん。」


二人その台詞を笑顔で言ってくれた。

その瞬間、胸のあたりで何かがスッと消えていく感じがした。


俺はつい数時間前まで大学生だった。

そこでは普通であろうと、変なところが出てしまわないようにと振舞っていたせいか、人との関わりが少なくなっていった。

学校でもバイトでも、そういう日陰者には重要なポジションなんてそうそう与えられない。

でも正直俺はそういうポジションに甘えていた部分があった。

気楽でいいと。

だから、それが俺をこんなにも弱い人間にしていった・・・。



でも、彼は、彼女は、安心していい、失敗していいと言ってくれた。

向こうでそんなことを言ってくれる人はいなかった。

そんな俺に彼らはあんな言葉をかけてくれた。

正直安心した。

自分でも驚くほどちょろいな俺は。


「さ、行こうか。」

「あ・・・あのさ、その。」

「?」


咄嗟に二人を呼び止めた。

二人がじっと見つめてくる。


「あ、ありがとう。いろいろ。」


お礼をちゃんと言うのはいつぶりだろうか。

言う相手がいなかったからか、久しぶりだ。

すごく照れくさい。


「やっぱり君は良い人だよ。」

「そうね。」


2人はそう言い再び微笑んでくれた。

優しい人たちだな。

泣きそう、我慢しないと。


「さあ、気を引き締めていこう。」


そして扉の前まで来た。




玉座の間の扉が勢いよく開け放たれた。

扉があまりにも大きいから、内部が一望できた。

体育館くらいのサイズがあり、天井にはシャンデリアがあった。

広い部屋だが十分明るく照らされていた。


「あ?誰だよ、無断で入っていいって誰が・・・。」

「久しぶりね、ユウヤ。」

「は?・・・おいおい!マジかよ!誰かと思えば負け犬2匹のご登場かよ。今更何の用だ?」

「何の用?あんたをそこから引きずり下ろしに来たに決まってんでしょ!」


そう言うとレヴィは扉に向かって手を向けた。

その手から氷が生成される。瞬く間に氷の壁が出来上がり、扉を塞ぐことで外からの侵入ができなくなった。

すごい冷気だ。


「氷の魔法?また新しい魔法を作ったのかよ。さすが師匠俺にも教えてくれよ。」

「こんなの火と水の魔法の合わせ技よ?あんたくらいの魔力があれば余裕・・・あっ、あんた二つ同時に魔法使えないか、ごめんね。」

「ああ?」


レヴィが煽る。

これは作戦通りの展開だ。

会話で時間を稼ぎ、俺はその間に状況の確認をする。

レヴィの後ろからこっそり覗く。

レヴィのマントが大きいから、あいつは俺には気付いてないはずだ


あれが鈴木雄矢か。

年は俺と同じくらいか?

体形は少々小太り程度、黒髪黒目の正真正銘の日本人だった。

アレをまず探さないと。

王様らしい格好をしているが―あった、赤い宝石のネックレス。

まずあれを入れ替える。

レヴィの足を二回小突く。これは合図だ。

彼女は了解の合図としてヒールで床を踏み鳴らした。

合わせろよ、俺。


「じゃあ挨拶代わりに、【氷弾アイスバレット】!!!!」「【交換チェンジ】!」


彼女のあえて言い放った詠唱に合わせて【交換チェンジ】を発動した。

王は彼女の周りに現れた巨大な氷の塊を見ている。

俺の声にも多分気づいてない。

言う必要のない詠唱によって俺の声が聞こえなかったんだろう。作戦通りだ。

そして俺の手にはあいつのネックレスが握られていた。よし、うまく入れ替わってる。


「ハッ!あのあんたが詠唱しなきゃ発動できない魔法でこれか。消し飛ばしてやるよ。」

「どうかしら!くらえっ!」


部屋にぎりぎり収まるサイズの氷塊が王に向かって飛んでいく。

とんでもない質量を感じさせてくる。

王はそれに手を向け魔法を放った。

彼の手から放たれたのは豪火。

それは正面から氷塊にぶつかった。

瞬間ものすごい蒸気が発生し、吹き付けてくる。

蒸気が晴れるとそこには何もなかった。

1発で溶かしたのかよ、あれを。

凄い威力だった。床にしがみ付いてなきゃ吹き飛ばされるほどだった。

イメージと全然違う、スケールが全然違う。

あんなのを使ってくる奴に近づかないといけないのか?


「新しい魔法なのにこの程度か。つまんねぇ。」


そう言うと王はまた炎の球を放ってきた。

さっきよりは小さい、いやそれでも人一人は余裕で飲み込めるくらいの火球を、連発してきた。

レヴィがバリアのようなものを張る。

ものすごい熱が伝わってくる。

あんな薄い壁で防げるのか?


「安心しなさい。」


レヴィが声をかけてきた。

その瞬間バリアに火球がぶつかり、そして・・・

霧散した。散っていった。

さっきまでの火の塊はまるで最初からなかったかのように消えていた。

何かが舞っている、あれは・・・魔力?

次々と火球が迫ってくるが、そのすべてがバリアに当たるなり霧散していった。


「ああ?なんで押されてねぇ。防御魔法は勢いまでは殺せねぇはずだろ。」

「あんたのバカげた火力のために作ってあげた新しい魔法よ。魔法専用の防御魔法。【魔法障壁】。」

「魔法障壁だぁ?」

「そう。魔法を構成する魔力に直接作用して、その魔力をかき乱してその構成をめちゃくちゃする。魔法は形が崩れてそのまま消える。魔力操作が得意な私にしかできない代物よ。」

「くだらねぇ、だったら消せねぇくらいぶち込んでやるよ。」


そう言うと王はより強く、より多くの火球を放ってくる。


「グレン、多すぎる、ちょっと手伝って。」

「ああ。」


レヴィがグレンに声をかける。

グレンはそれに応えると腰に下げていた剣を引き抜く。

真っ黒い剣だった。


「はっ!」


グレンが王の火球に突っ込んでいき、斬った。

その瞬間火球が消え去った。


「あ?どうなってやがる。俺の魔法が剣程度に消されるわけが」

「その剣も私特製のシロモノ。『黒剣ゼロ』。あえて魔力を通しやすい素材を何層にも複雑に重ね合わせて、剣を伝って魔法から魔力が抜けていくようになってる。まあ要は魔法障壁と同じ効果をもたらしてるのよ!」


効果はその通りのようで、グレンは次から次へと火球を切り消し去っていく。

斬り損ねたものはレヴィの魔法障壁が防ぐ。


「どう?!あんたの魔法は通じないわよ!」


守りは完壁だった。

守りだけは。

王は焦りもせず笑い出した。


「・・・ハハハハ、守りだけ固めても俺には勝てねぇんだぜ?ほらほらほらほらぁ!お前らの魔力と体力がいつまでもつか楽しみだ!」


王の言う通り、二人は守りに集中している。

あいつの攻撃の量が多すぎるからだ。


「おいおいどうしたァ!押されてんぞ!お前ら二人だけじゃ俺には勝てねぇってことだよなァ!!」


あいつはそう叫び笑っている。

二人なら確かに勝てなかった。

だが今は、俺がいる。

レヴィとグレンがあいつの魔法を消してくれているおかげで、一瞬あいつの近くにあるものを確認できた。

両サイドに置かれていた二対の銅像だ。高いところにあった。

だが見えるのなら行ける!行くぞ。その片方、王に近い方へ!


「【交換チェンジ】!」



飛んだ瞬間視界に移ったのは壁、なら王は、俺の左後ろ。

練習通りにひねり体制を整え、正面に王を捉える。

浮遊フロート】で一気に加速。


「あぁ?今誰かいたか・・・?」


この感じ、俺の声に気づいたんだな。

だけどまさか俺が後ろにいるとは思ってないんだろう。

その通りで後ろを向いてこない。

浮遊フロート】の力でどんどん近づいていく、あと3メートル・・・2メートル

今だ!

俺は手を伸ばし王に触ろうとする。


「なっ!?」


王が振り向く。

さっきの魔法を打たれるビジョンが頭がよぎる。

だが関係ないこの速度ならっ!間に合わないだろ!


「【回収アブゾーブ】!」


そう言ったその瞬間、俺の目の前に誰かが現れる。

女の子?!

なんで?!

俺の手が飛び込んできたその子の肩に当たる。

勢いは弱まらず、そのまま王の座る玉座にぶつかる。


「ぐあっ。」

「っ・・・!」

「ちっ誰だてめぇ!どっから・・・?!」


3人まとめて前に転がった。

失敗した?!

誰だよ今の!

いやまだあと一回使え―


「・・・・!」

「死ね。」


顔を上げたとき目の前に王がいた。

いや、王の手があった。

死 ぬ






その瞬間、爆炎が広間を包んだ。


「クソカス野郎が。俺の、俺のルナによくも触りやがって!」


王は声を荒げ怒っていた。


「将人!!!!」


レヴィが叫ぶ。

王の目の前の床は爆炎で黒く焦げていた。


「嘘でしょ・・・。」

「こいつは俺のものだ!俺のルナに触れやがって殺す!殺す!!」


「グレンどうす・・・?グレン?グレン!!」


グレンは呆然と立ち尽くしていた。


「ルナ、生きていたのか・・・?なんで、どうして・・・?」


ルナと呼ばれた少女はグレンのほうを見る。

グレンがそばに駆け寄ろうとするとその間に王が割り込む。


「何俺の嫁を気安く呼んでんだてめぇは。」

「どけ!ルナは僕の婚約し」

「俺の婚約者だよ。・・・なあルナ?」


そう聞かれルナは、こくんと頷く。


「・・・っ貴様!ルナに何を!」


さっきまでの冷静さがなく声を荒げるグレン。


「何もしてないさ、ルナは自分の意志で僕の婚約者となったんだ。」

「そんなわけがない!そうか、洗脳魔法を使ったんだな!レヴィ!そうだろ!」

「いや・・・洗脳魔法は使われてない、洗脳魔法をかけられた人間に流れる魔力のクセがない・・・。」

「何だって・・・?」

「かわいそうになぁグレン元王子。愛する人に捨てられちゃったなぁ?」


そう言い王はルナを抱き寄せる。

その姿にグレンは眉を吊り上げ、歯を噛みしめた。


「っ!!、貴様あああああああ!!!!」


激昂したグレンが切りかかる。

だが王は躊躇なくルナを盾にした。

グレンが一瞬躊躇する。

その瞬間


「【熱光線ヒート・レイ】」

王は、ルナごとグレンに火炎の光線を放った。

光線はルナの体を貫きグレンに直撃する。


「がぁっ!!!」

「グレン!」


辛うじて剣で防いではいたが、光線に吹き飛ばされ壁に激突する。

壁から崩れ落ちたグレンは全く動かない。

レヴィが駆け寄ろうとするが王が間髪入れずに魔法を放つ。


「くっ。」


レヴィは障壁の範囲をグレンのいるところまで広げる。


「ああ~なるほど、それ使ってる間はあんた動けねぇんだな。」


王は二人に火球を連発する。

レヴィも必死で防ぎ続ける。

レヴィは動けず。グレンは動かない。


「あんた・・・あの子ごと・・・!」

「喋る気力はまだあるんだな。」

「悪魔がっ・・・!あの子まで殺すなんて・・・!」

「ルナを殺した?なんの話だ?」

「今さっきあんたが・・・?!」


目を疑った。

光線で胸を貫かれたはずの少女が立ち上がっていた。

その胸には何の傷もない。

服に大きな穴が開いているだけだった。


「生き返った・・・?何よそれ・・・。」

「生き返ってなんかいない。ルナは死なないのさ!」

「死なない・・・?」


魔法を打ちながら王が話し続ける。


「ルナには、『ダメージを受けると受けた分魔力が回復する』スキルと『魔力がある場合傷が回復し続ける』スキルがあるのさ。つまり、どんなに痛めつけても死なない!俺がどんなことをしてもな!彼女は不死身なんだよ!何やってもいい!ああ〜理想の女だ!!」

「そんなことが・・・。」

「そんな化け物を俺は受け入れた!彼女と俺は!」



「『運命の相手』ってか!?」



俺はルナと入れ替わり王の目の前に現れ出た。

しかし


「【熱光線ヒート・レイ】!」


熱光線が俺に向けて放たれた。

ルナが王と同じ方向を向いていた分、振り向く必要があり、【回収アブゾーブ】の発動は間に合わなかった。

既に入れ替えて手に入れていた黒剣ゼロで弾き返すが、魔法のその勢いで吹き飛ばされる。


「ぐぅっ。」


どんどん押される。

何とか足を踏ん張り壁への激突を回避した。

ちょうどグレンの近くまで来たため、すぐに近づき瓦礫の中から助けた。


「あんた生きてたなら言いなさいよ!一体どうやって」

「ぎりぎりで天井のアレと入れ替わってたんだ。だけどそのあとまともに動けなかった、怖くて。でも、もう大丈夫。悪い。」

「はぁ・・・ならよし!」


あの時、死を確信した瞬間すべてがスローに見えた、シャンデリアが見えたことと、その大きさが俺と同じくらいだったことは奇跡に近かった。

だからこそ、その奇跡が起こらなかった時のことを考えてしまい、全く動けなかった。

だけど躊躇なくグレンが愛した人を盾にし、あんなやり方をした王を見て、俺は怒りで体を奮い立たせ。何とか動けるようにした。


グレンの安否を確認する、息はあるってことは大丈夫か。多分気絶してるだけか?


気づくといつの間にか魔法が飛んで来なくなった。

王が不思議そうな顔をしてこちらを見ている。


「お前・・・さっきから何度も、誰だ?!」

「渡 将斗、日本出身のただの一般人だが?」

「日本・・・だと?」

「ああ、神様からちょっと頼まれてな。お前と同じ転生者・・・?召喚者・・・?まあそんなところだよ。」

「どういうことだ・・・?なんで、どうして。・・・はっ・・・?!ル、ルナ、さっき何をされた。」

「・・・。」

「答えろ!」


ルナを殴りつける。

迷いなどなく行われたその光景に、怒りを覚えた。

だがそれ以上に焦る。

俺のやろうとしていることがバレる。


「スキルを・・・奪われました。」

「なんだと・・・。じゃあ、さっき狙ってたのは俺の・・・?」


王が頭を抱え震えだす。

様子がおかしい。


「ああそうだよ!お前はやりすぎた!お前ほほっとくと世界が不安定になって崩壊するって神が言ってたんだよ!」


この際だから全部言ってやった。

様子のおかしい王に【超強化】で出せる全力の速さで駆け寄る。

なんだかわからないがチャンスのはずだ。

このうろたえてる今しかない。


「いやだ・・・いやだ・・・これは俺の、俺の、俺の・・・・。」


王が手を向けてくる。

魔法が来るならこの剣でかき消す。

準備はできてる。

行ける!


「・・・・俺の!ものだあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

「うおおおおおおおおお!!!!」


来るであろう魔法に合わせ剣を構える。

・・・いや、なんかが違う。

なんだこの感じ・・・魔法じゃない・・・?

なんか違う。

なんとなくわかるがこれは・・・違う!





その事態に、魔力の流れを見ることに長けたレヴィだけが気が付いていた。


「まさか?!マズい、逃げて!!!」


その瞬間閃光が轟音とともに迸り、広間を覆った。




シャンデリアと入れ替わったとき残ってた支柱を【超強化】の握力でつかんでぶら下がってたんですよね。

シコルスキーみたいなかんじです

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