心を閉ざした少年と、人には見えない少女
短編、ひよこ組応援歌の下書き段階です。
生きるものの心にはいと美しき光が宿る。手を伸ばした先でさえ見えない道でも歩いていこう。
ここはどこだ、暗闇にいる。
手を伸ばしても、誰の手もない。
明るい道を歩いていこう、あなたの手とつながれるから。
ここはどこだ、誰の手もない。
僕を包む、人はどこ。
暗闇にいる、孤独の光。
誰か僕を(たすけてよ)
手もある、足もある、頭もある、顔もある、髪もある、目も見える、言葉も話せる、耳も聞こえる。
でも、誰にも見えない。
手もある、足もある、頭もある、顔もある、髪もある、目も見える、言葉も話せる、耳も聞こえる。
でも、誰の声も聞こえない。
ずっと何かの調べを口ずさむ少年。
「僕の闇を照らしておくれ、光の中に君はいる。
明るい星を求める僕に、風は冷たい空気で触れる。
会いたいと、口にできない悲しさに、言葉を全て捨て去りたい。
明るい道はあなたにつながる、僕にとっての大切な橋。
渡っていくのは、容易でなくて、僕は心を震わせる。
道の見えない暗闇で、あなたの声に聞き惚れたい。
一人でいるのは寂しくて、僕にはあなたが必要で。
この手から消えたあなたは、今はどこにいるのですか。
僕の声が聞こえたならば、僕を迎えにきてください。
あなたのいないこの世界に、僕の心は耐えられません。
世界で一番温かく、僕に注がれる愛の歌。
僕の元に届けて下さい、僕は一人で立つこともできない。
闇の中に一人でいるのに、闇は僕らを攻めてきます。
僕は闇になるのでしょうか。暗い闇に染まる前に。
どうか母よ、僕を迎えに、ここに来てください。
心からの願いです。
僕は孤独に耐えられないです。
あなたのいない世界はとてつもなく広すぎるのに、僕の居場所は一欠片もない。
あなたの世界に僕も連れて行ってください。
何も見えない、何も感じない、冷たい世界なんです。
光が届くのはあなたからだけ。
ただ、あなたからだけ暖かさを感じる。
僕の心の灯火が消える前にどうか、僕の前に現れてください」
主人公 人から見えない少女
歌を歌い続ける少年。保育園で母の迎えを待っている。