最後の夏
『最後の夏』
夏:暑い、家でごろごろ、いなか、お盆、麦わら帽子、夏休み。
最後:死ぬ、人生最後、10代、君と過ごした最後の夏。
〈起〉「私、夏が一番好き」明るい少女。
「青い海、黒い空!」
「曇ってんじゃん」ピカッゴロゴロ
「思いっきり雷鳴ってんじゃんか! 家入るぞアスカ」ザーッと降りだす雨。
「キャー、マナブんちにごー」
〈承〉『心肺停止』で発見。悩んでいた様子と家族が語る。
アスカからのメッセージにマナブが気付く。
〈転〉ヒント、大好き、Manabu。
音声データ「どお? いたい? お人形さんは喋れないね、動けないね。動いちゃだめだよ」
アスカの兄と母逮捕。
あいつと過ごした最後の夏が終わった。
〈結〉めでたし
主人公 マナブ 幼馴染に振り回される少年。突っ込み担当。
幼馴染 アスカ 明るい少女。ひまわりのよう。
虐待を受けている。マナブの家は救いの場。
「SOS。はは、どこに助け求めてるんだろ、私」
※めでたしどこ行った!?
〈結〉「ヤッホー」
目の前にいるはずのない人の姿がある。少しやせ細り、松葉杖をついて、けれど朗らかに。
夏の太陽のように眩しい笑顔で俺を見ていた。
「アスカ?」
「よみがえっちゃったよ、なんてね。うふふ」
心肺停止で発見された後、病院で蘇生を試みて、運良く一命を取り留めた。後遺症は残るが、生きている。
「死ぬならマナブの家のお墓に入りたいなって」
「縁起でもないこと言うな! 墓なんてっ」
「プロポーズのつもりなんだけど」
めでたし。