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クロック 捻れて動く懐中時計

 午前中は女の子の、ごぜん。お淑やか、静御前のイメージ。

「おはよう。いい朝ね、今日も頑張りましょう」


 午後は男の子に変化、ゴゴ。やんちゃで活動的。

「はあ? 午後から学校とか、たるいじゃん。遊び行かせてよ」


 記憶は共通だが性格が変わる。

 研究対象。

 二人の別人物(双子)として学校など生活圏を別けて生活中。


 登場人物、れいじ、しょうご、しんや、まひる。

 ゆうや、あさひ、みめい。とき。



 病弱設定で毎日早退するごぜんを心配して、友達が家まで見舞いに来る。

 その時、対応するのは男の子のゴゴ。


 また、ごぜんが休日の外出中にゴゴの非行仲間に会い、思わず名前を呼んでしまう。


 など、捻れた人間関係を楽しみたい。


 非行少年達は消息を絶ってしまった兄貴分を探している。

 名前はトキ。

 皆に慕われるリーダーだったと言う。


 ゴゴとごぜんは、偶然にもそのトキと出会うことになる。

 それも、二人が秘密にしてる身体の入れ替わりの時間に。


 偽りの姿、隠し事だらけの人生。

 他人と決定的に違う、異質物である自分。


 ごぜんは、ゴゴは、人間に社会に友人達に、排出される事を恐れていた。


 蒼白で固まる、ごぜんとゴゴに穏やかな声がかけられた。


「わあ〜、羨ましいなぁ」


 トキは瞳を輝かせて二人を見ていた。


「僕もね、変身したかった。大きくなりたかったし、皆んなの兄貴分でいたかった」


 トキは、あさひ、しょうご、れいじ、しんやの非行少年組に出会ったいきさつを語り出す。


 あさひは、ボロボロの姿で路上にうずくまっていた。背負って病院に連れて行き治療を受けさせた。

 父子家庭で父から虐待を受けていたあさひは、そのまま施設に引き取られた。


 その先の施設に居たのがしょうご、れいじ、しんやの三人だった。

 大人なんて信じない、信じられる人間なんかいない。

 そういう子供達だった。


「僕も大人じゃなかったけどね、誰も守ってくれる人の居なかったあいつらを、守ってやりたかった。何からも、全部」


 そうしてトキは、少年達を傷つけるもの、敵対する者と戦い続けたらしい。

 文字通り腕力で。


 補導に来る警察を掻い潜り、施設の門限をこじ開けて、テストの点数をスパルタ式で上げさせて、教師の目からも晦ませていた。


「何で突然あいつらの前から消えたんです?」


 ごぜんとゴゴの問いに、トキはまぶたを伏せた。


「君たちになら分かるかな……。自分の身体が自分で居られなくなるっていうのが」


 ごぜんとゴゴは、一つの身体でもって頷く。


「僕はさ、もう。皆んなの兄貴分でなんて居られないんだっ」


 涙に掠れる声でトキは言う。


「僕はもう、あいつらに会えないっ。大人を、人を信じなかったあいつらを……っく、僕が一番に騙してたなんて、ふっうっ、ごめん、言えないんだ」


 皆んなの兄貴分トキさんはーー


 ーー女の人でした。


トキ17才。

ごぜん、ゴゴ、15才。

あさひ、しんや、15才。

まひる、みめい、15才。

しょうご14才。

れいじ13才。


ゆうや、研究所の人、大人。




「それで。あさひ、お前はどこ探してんだよ」

「いや、兄貴なら屋根の上に隠れてるかもと思って。登ってみた」


「しんやは何で、他人の家の庭に入ってんだよ!」

「トキさんなら、塀の向こうから覗いてるんじゃないかと思って」


「しょうごはっ、ロープまで用意して何で崖登ってんだ」

「あの人、よく壁走ってたから、足跡見つけられるんじゃないかと思って」


「れいじ? お前が穴掘ってるのはまさか」

「だってトキ兄、よく地面から出てきて俺たちの事、驚かしてたから……」


(ちょっとトキさん!? あんた何者?!)

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