幼馴染とのひと時、歳の区切り
遅れて申し訳ありません…卒業云々が有りまして…アッハイ許してくれませんよね…
改稿:ーーを──に変更。 分かったことに、
・名誉がついた場合、1代限り。
を追加。
──4年後。僕はまだ4歳だ。もうすぐ、5歳になる。
だから、勉強なども入ってきた。先生はシャルだ。最初は文字の書き方を習った。流石に書き方までは分からなかったからありがたい。読めはするんだけどね。自分の国についても習った。
ここで分かったことを箇条書きにして見よう。
・住んでいる国の名前は王国ガルガンデ。
・爵位は上から王族、大公、公爵、侯爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵。
・名誉がついた場合、1代限り。
・自分の家は貴族で、爵位は辺境伯。
・時間の流れはうるう年がない事以外全て同じ。
何故平民の出で辺境伯という高い位なのかというと最初は冒険者パーティとして活躍したらしい。そしてある時ドラゴンが攻めてきた。普通だったら国が滅ぶレベルだがそれを倒したという。それだけだと、名誉子爵ぐらいらしいのだがドラゴン戦で消耗したこの国を攻めてきた近隣国の帝国が攻めてきた。それをも退けた。救国の英雄達と謳われるほどに。その強さを王が認め、そして辺境、つまり国境付近にいさせれば大分安心できる、こんな理由から辺境伯だと。そして何故名誉辺境伯にしないのか。それは国民が納得しないからだそうだ。救国の英雄の名は伊達ではない。
因みに父の名前はランス・セルロットで、母の名前はセレネ・セルロット。父はかっこいい茶髪だった。チャラ男な見た目だけど話を聞いたりした限り結構戦闘ky…熱血っぽい。
母の方は女神のような美しさだ。太陽か月かといわれると月だ。なぜかというと、母はあまり感情を表に出さない。だけど笑う時は笑ってくれる。太陽のような満面の笑みではなく暗い夜をほんのり照らすような微笑みだだ。
母にとってはそれが、通常の笑顔だと思うけどね。本当に産まれた事が嬉しかったんだと思う。だって産まれてすぐの時は今以上に笑顔だったから。
それと、もうすぐ2時だ。この世界では時計は魔道具扱いで、それなりに地位がないと買えないと鑑定スキルを使うと分かった。午前中は勉強、午後は幼馴染と遊んでいる。
よし、母さんに外出の許可を取りに行くか。
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「母さん、サ「ハ・ン・ス・君!あーそーびーまーしょ!」
と噂をすれば、だ。
「ちょっと待っててー!」
と幼馴染に大きな声で伝えた。
「母さん、遊びに行っても良いですか?」
「うん。良いわ。」
いつ何処にいるか把握しておくためにいつも許可を取ってもらっている。いつも僕の家の庭園で遊んでいる。大体いつもこんな感じだ。父さんがそろそろハンスを鍛えようかな…とか言っていた。転生ファンタジー物だと大体武術を習うのはキツイ。大丈夫かなあ…。
そして外に出て庭園に向かった。
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やっぱり英雄の家も広ければ外も広い。色々感謝されている証拠だろう。
「おまたせサリナちゃん!待たせたかな?」
「ううん!大丈夫!それよりも今日は何する?」
こう言った彼女の名前はサリナ・カードラン。幼馴染だ。親同士が仲間として一緒にいたらしい。
薄い黄緑色の髪をしている母さんが女神であれば、この娘は天使だ。いつも元気でこの娘がいると和む。とても可愛い。
サリナちゃんの親も辺境伯という爵位を貰っている。なのに何故気軽に遊べるのか。辺境伯は国境に沿って広い領地がある。だから実際には結構遠い。なのに何故?それはワープゲートみたいなものがあるからだ。サリナちゃんの親が造ったらしい。凄い。登録しないと使えないから襲撃の心配もないらしい。救国の英雄を襲撃するなんて何処の馬鹿だよ!と思うけど。
「そうだねー…何しよっかなー?んー…そうだ、かくれんぼしよう!」
この家の庭園は、庭といえど小さな森になっている。父さんが母さんに頼んで造ってもらったらしい。
「かくれんぼ?いいねー!じゃあ、どっちが鬼する?」
「じゃんけんしよう!」
この世界はじゃんけんまである。ファンタジーだからと内心身構えていたがある程度は大丈夫のようだ。
「「最初はグー!じゃんけんポン!」」
僕はグー。サリナちゃんはチョキだ。今日は鬼か…。サリナちゃんは結構五感が鋭い。いつも鬼の時は勘が鋭く、すぐに見つかる事もあった。前世の知識をフル活用して隠れたら見つからなかったが大人気ないと思い、今は自重している。
「じゃあ、2分数えてね!」
と言い、隠れに行った。
じゃあ数えるか。
「いーち、にー、さーん………ひゃくにじゅう!ふう、やっと数え終わった。」
サリナちゃんはいつも突拍子もない所に隠れる。前は木の上だった。危ないと思ったがやっぱりファンタジーっ子は逞しい。軽い身のこなしで木から飛び降り着地した。すごい。
「今日はどこから探すかなー。」
庭園には父さんが使う小さい森、母さんが趣味で使うガーデニング広場や、魔法の実験で使うらしい菜園もある。まず菜園行ってみよう!
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やべえ。見つからねえ。あと探してないの小さな森だけなんだが。
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「サリナちゃん見っけ!」
やっと見つけたよ…今度は何故か少し後ろからついてきてたよ。気配消すのうまし、今日も突拍子もない所だったよ…。
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暗くなり始めたので帰ってくると父さんが仕事から帰って来ていた。
「父さんただいま!そしておかえり!」と笑顔で言った。
そうすると俺の頭を撫でて
「ああハンス、おかえり!そしてただま!」
リビングにいくと色々と装飾があった。
「?これは?」
「おいハンス忘れたのか?今日はお前の5歳になる誕生日じゃないか。」
「……!」
そうだった今日だった。すっかり忘れてたなー。
「よし!じゃあ盛大に祝うぞ!」
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「…なあハンス。お前に渡したいものがある。誕生日プレゼントを用意したんだ。」
そして布で包んだ何かを持ってきた。この世界で誕生日プレゼントは年の区切りの5歳、10歳、15歳に贈られる。15で大人として認められるためそれ以上の歳では貰えないらしい。
「さあハンス。受け取れ。」
そして布を取ってみると、木刀?いや木剣と、刃を潰してある剣を貰った。どちらも僕の体に合っている。そしてとてもピカピカだ。
「父さん!これは…?」
「ああ、そろそろ剣を振れる頃だろうと思ってな。木剣と鉄剣だ。流石に刃は潰してあるがな。お前に合うように旧友の鍛冶師に頼んで造って貰ったんだ。受け取ってくれ。」
「ありがとう、父さん!」
「ああ!これからは鍛えてやるからな!」
まじかー。これからきつくなりそうだな…。シャルが近づいてきて微笑みながらこう言った。
「そろそろ勉強もハードルを上げなきゃいけませんね?」
Oh……
「魔法もそろそろ良いんじゃない?この子物分かりが良いし。」
母さんナイス!おお…遂に魔法か…!
「良いですね、確かにこれを機に魔法の勉強も始めちゃいましょう。」
「分かったよ、父さん、シャル、母さん。」
父さんがこう言った。
「午前中に1日交代で魔法の勉強と、他の勉強。午後に俺と剣術をやろう。土日は自由だ。ただし土曜の午前中は勉強か剣術をやるぞ。もし俺がいないときでも鍛錬は怠らないようにな。サリナもそろそろ5歳になってうちと同じ様にやると言っていた。抜かれないようにがんばれよ?」
「はい!父さん!」
前世では中学までは父さんに剣術、爺ちゃんに武道を習っていたし多少は大丈夫だよね…。
父親は金髪イケメンだが口調が多少荒っぽく戦闘狂で、おっさんくさいです。
母親は表情乏しい系美人です。




