第2話
「お前何言ってんの?」
柳刃の質問につい質問で返してしまった
「質問しているのはこっちだ、答えろ、なんで俺らが付き合っていることをお前は知っているんだ。
卯月が喋ったのか?」
彼女のくせに名字で呼んでいたのか?
「ああ、杏奈から直接聞いたよ、付き合っているってね」
「お前らは幼馴染だったよな」
「あぁ、そうだが、さっきからなんだ」
「・・・チッ」
軽く柳刃は舌打ちをして俺を解放した
「なんであんな質問してきたんだよ」
俺の頭の中には疑問がいっぱいだ
「この前あいつが自殺した理由を警察が聞きに来た、クラスメイトとしてじゃなく、彼氏として俺に質問して きたんだ」
とても機嫌が悪そうな喋り方だ
「当然だろ、実際に付き合っていたんだからな」
こいつと話をすると心が痛む
「俺と卯月が付き合っていることは秘密だったんだよ。だけど警察は俺らの関係を知っていた」
秘密だったなんて初耳だった
「悪い、俺が秘密だったとは知らずに警察に話したんだ。
杏奈から聞いたときに秘密だとは言われていたがそこまでだとは思わなくてな」
俺は杏奈と最近あまり話をしていなかった
だから警察の事情聴取の時に彼氏が居る事を教えた
「卯月は俺と付き合っていることをお前以外の奴に言っていたか?」
「いや、俺は知らない」
「そうか、学校の奴らが知らないならいい」
柳刃は聞きたいことはそれだけだったらしく教室に帰ろうとした
「柳刃、俺に謝罪もないのか」
「あ?」
これ以上俺と話したくないのを思いっきり表に出した表情をしながら首だけ振り向いた
「結局何だったんだよ、俺はなんでお前に胸倉摑まれながら質問されたんだよ」
「そんなの、俺とあいつが付き合っている事を口外されていたら口止めと話したやつを特定しようとしてだ けだよ。これでいいか?早く教室に帰りたいんだけど」
「俺にはお前のやりたいことが分からないよ」
「分かってもらおうとか思ってないし、いい加減うざいよ」
「なんでそんなに付き合っていた事を隠したいんだよ?」
「うざいな、お前にはかんけいないだろ!」
柳刃はそれだけ言うと踵を返した
「おい、答えろよ!」
俺の声が聞こえてないみたいに柳刃は教室へ帰ってしまった