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ライズライズ-ワールズ  作者: 田野実こむこ
【起】承転結
8/11

クー⑴


白猫の着ぐるみがジタバタと暴れている。

「あづぅー、おぇー、入れでぐれぇ」


謎すぎて街の入口で止められている。


中にはもちろん、クーが入っている。

実は「超」童顔の女子。

体型も控えめだ……


クーは、……暴れた。

「こんなもん着てるからあちぃんだよぉぉぉぉ」

「じゃあ脱げや!」

総員からツッコミが入った。


なんやかんやで大迷惑ということもあり、連行される形で街に入れたクー。


ぐでーとなりつつ、街の道が綺麗に整備されているのを見た。


最近では珍しく無くなったレンガ敷きの道だが、おどろくほどに着ぐるみの足がひっかからない。

良く磨かれているのだろうか。


見上げれば、3階、4階なんて建物も多く、街の広さもわからないほどに人もいる。


クーは思った。

「ここにならあるかな……」

クーは両脇の保安官に話しかける。

「ねぇおじさんたちー」

保安官はムッとして、掴んでいるクーの腕をグイッとしぼりあげるように力を入れた。


クーはニヤリとした。チャーンス♪

「キャッ、いたいっ」

かよわい女の子の声で叫んだ。


「はっ?子どもの声?」

クーはそのスキに両腕を思いきりクロスさせる。

保安官はお互いに頭を打った。


手をうさぎの耳のように頭にあて、ぴょんぴょんとバカにする素振りをして、クーは走り去って行った。


周りにいる、皆は思った。

「猫だよな」


クーは逃げる途中に断片(ピース)を使った。

うさ耳ちゃん(半分呪われた着ぐるみ専用)の断片(ピース)


しかし、これはスグレモノ。ウサギの跳躍力に、よく聞こえる耳。

大ジャンプをするクー。

人々が空を見上げる程だった。


「ふふふ、たーのしい♪」

「あ、イケメン発見!」


クーは、何故かイケメンの前に降り立ち、ビシッと指差し言った。


「私の下僕になりなさい!いや、仲間に!」


イケメンはポリポリ頭をかいた。

「ウサギちゃん。それより、プニ茸のにおいがするけど、持ってる?」


着ぐるみの背中には、毛に隠れて普通は気づかない、小さなキノコがちびちびと生えていた。



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