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21から30。

にじゅういち、から。


さんじゅう、まで。




残りに残って、のこりはななじゅうはちほん。まだまだだよ?

二十一


何を食べたのが原因で、掌に目玉なんて出てきたのか分かる人、いるかな? いないよなあ、僕にだって見当も付いていないよ。あれかな、腐りかけの死体? ラジカセから流れてくる擦り切れかけの声? 鏡に映った自分の目玉? それとも、彼女の言葉? 心当たりって言うと、これくらいのものなんだけど、どれなんだろうね?

最初はね、突然、掌にぱっくり、切り傷が出来たんだ。慌てて包帯を巻いて、それは一週間ちょっとで、ぷっくりとした瘡蓋になった。それが剥がれ始めて、色の薄い、新しい皮膚が再生するのだろうと思っていたらさ、これがびっくり、うっすら開かれた目蓋になっていた、ってのが、顛末ね。出来て直ぐの時には、ちゃんと見えなかったんだけど、暫く瞬きの練習を繰り返していたら、なんとなく、ぼんやりとだけど、何かが見えるようになってきた。

手の目で見る世界には、まず色がなかった。大きさを捉える能力もなかった。大きい、小さい、が、分からないんだね。それから生き物、死体、無機物、の、概念がごちゃ混ぜになって映るから、僕が普段見ている世界とは、全くの異界を眺められるようになったんだよ。こりゃあ面白い、まるで世界がワンダーランド、僕はアリスで君は誰? ってくらい、僕にしては珍しく、浮かれてたんだけど、やっぱりやめちゃった。

僕ね、手の目と目が合っちゃったんだ。つまり、僕と僕が、目を合わせてしまったんだよ。じっくり、じっとり、しっかり、ね。するとほら、いつもの世界と捻じ曲がった世界が同時に僕の頭に流れ込んできて、色彩、寸法、生死、存在、思考、意識、自我、忘我が全部一つのものになっちゃった。これじゃあいけないでしょう? だって、いつも通りになってしまうからさ。

今、掌にカッターが突き刺さっている理由の説明は、こんなところでいいかしら?



二十二


わたしの瞳に映るものが輝きを失っていくのと同じ速度で、わたしの生の実感も俄かに薄れていっていました。それは至極当然で、当然だから諦めようしかなくて、わたしは、口惜しくて悔しくて、日々、眠るだけの生活を送ろうとしていました。

夢の世界は嫌いではありません。悪夢ですら、理不尽なだけ、現実よりは、わたしにとっては親しみを覚えさせてくれました。人を殺している夢の不快感、殺しているのが自分の一番の理解者だという後悔、周りから非難と悪意の視線で串刺しにされる酩酊感。全てを受け入れて、わたしは。わたしは。あれ、何を、思い出そうとしたのでしょう。わたしって。えーっと。

ああそうそう、わたしはベッドで眠られる人が信じられません。落ちるかも、って怖くないのでしょうか。たかだか数十センチとはいえ、落下を経験する可能性があるなんて、おぞましくて仕方が無いとは感じないのでしょうか。わたしは何があっても、ベッドで眠るくらいなら、床や廊下で寝ると、固く決めています。あんな寝具、さっさと滅びれば良いのです。

わたしが自宅で眠るときは、テーブルの下に布団を敷いて、四方をクッションで囲って、その真ん中で丸くなって眠っています。そうすると、誰からも見つからない安心感、暗がりにずっといられる安堵感、柔らかさに覆われている多幸感が溢れてきて、薬の効きがずっとよくなるのです。皆さんも試してみてはいかがでしょう? ベッドなんかよりは、遥かに、優しさに満ち溢れていますよ。



二十三


僕が見えるって言っても、聴こえるって言っても、みんなからは、お前は嘘吐きだ、って呼ばれて育ったんだ。育ってから気付いたことと言えば、まあ、僕に見えていようが聴こえていようが、それが、みんなに伝わっていなければ、全部、嘘ってカテゴリーにぶち込まれて、無視されてしまう、ってことくらいなんだよね。うん、それを理解してからは、僕は、自分が知覚しているものに関して、なるたけ言及せず、飲み込んでしまおうと決めたんだけどさ。

例えばほら、あそこに立っている、木と鳥と肉片と断絶と後悔と覚醒と快感と飛沫の入り混じった女の人、と、その悲鳴にも似た嬌声にも似た絶叫にも似た声、は、君、分かっていないだろう? ああもう、そんな目で見ないでくれよ。そう見られるのが嫌で、今までずっと黙ってたんだから、僕って。

自分の、どこかが壊れている、ってのはもう、何年か前に自覚したよ。でもね、僕がおかしいからって、君、自分は正常だって、胸を張って宣言できるのかい? 僕以外の全部が壊れていて、でも僕だけが正常だから、僕は生き辛くって仕方無いんじゃないか、なんて馬鹿げた考え、とまではいかなくてもさ、ねえ、君、君は正常なのかい? まともなのかい? 普通の、生きている、正しい人間なのかい? もし断言できるのなら、僕の前で、してみてくれよ。高笑いで、見届けてあげる、からさ。

ほおら、それ、その目だよ。君は僕をおかしな奴だと思っているだろう? 駄目駄目、目は口ほどに物を言う、からね。君の感じている印象なんて、僕には筒抜けだよ。

だから君、その目をさっさと、黙らせろ。



二十四


頭痛が止まないから、星の光の欠片でも食べようと決めて、僕は屋根に上った。

満天の星は今にも零れ落ちてきそうな具合で、月灯りはそれを優しく包み込んでいて、濃紺と漆黒が重なり合った夜の空は、僕なんて到底、似つかわしく無いまでに鮮やかで、僕は、数刻、呼吸をするのさえ忘れてしまったくらいだった。こんなに美しい光景があっても良いのか、と、僕が世界に問い掛けたくなってしまったほどのその空は、しかし、僅かばかりで均衡を崩して、どろりと泥濘に似た混濁へと変貌を遂げてしまう。僕が見た所為だ。僕が見たのがいけなかったのだ。僕が悪い。僕は悪い。僕が、僕は、悪い。のだろうか。

まあいい。光の欠片は、手探りで見つければいい。僕は溝底を漁る醜い姿を晒しながら、一心になって光の欠片を求めた。光さえ、ほんの少しの光さえ、この身に入れれば、僕はきっと、もう少しはまともでいられると、そう思うのです。

やがて指先に、ぎざぎざした、荒みの塊を掴みかけた。僕はやっとの思いでそれを握り締め、逃がすものか、決死の覚悟で引き上げた。

でもそれは、星の光の欠片、なんて立派なものではなく、歓楽街、人工街を彩るためだけに作られた、薄汚い、ネオンや外灯、看板広告の光の絞り滓でしかなかったんだ。僕は余りにがっかりして、溜息すら吐けず、そいつをぶん投げようかと思い、いや待て、と、思い立った。こんなものでも光だ、人を引き寄せる、僕には出来ないことを平然とやってのける、そんな光なのだ。もしかして、これを食べても、僕に光が灯る可能性、あるんじゃないか?

僕は辛抱が出来ない性分なので、そう思い立った瞬間には、煤けた光の塊を、丸ごとごくりと、飲み込んだ、途端に、喉が、胃が、中身が、猛り狂って暴れ回る。良い感じだ。

頭が焼ける。風景が燃える。ちかちかと、感覚が明滅を繰り返して、僕は、あれ、僕はどこにいるのか分からなくなる。何をしているのか分からなくなる。いいぞ、いい、その調子だ。僕が僕でなくなる瞬間、それを僕は待ち侘びているんだ。僕は意気込み、光を取り込もうとやっけになって、同時に自我を棄却していく。僕、なんて、いらない。ただ、僕は、はっきりした何かが欲しくて、それを他人に見てもらいたくって、僕は寂しいだけなのに。でもまあ、誰も、気付かなくって当たり前、なのかな。

――そこで、僕の頭は、小休止。



二十五


君と見ていた風景は全て覚えているけど、そんなの君は興味ないだろう? だって君が欲しいのって、そういった美化された思い出、みたいなもんじゃなくて、ここにいる実感とか、誰かから認めてもらえているって体感、なんだからさ。今、今、今。ほら、連続して存在し続けるうちの、前でもなく、後でもなく、ただ君は、その今、だけを追い求めて、ぐるぐる回って生きているんじゃないのかい。だからね、思い出なんて過去に、君が興味を抱いている時点で異常だよ。僕には君がおかしく見えるな。いや、正しく見える、から、おかしく見える、って伝えるべきなのか。ううん、やっぱり、言葉は不便、困難だ。

どうしたの、そんな顔して? 僕の言っていること、そんなに間違っちゃあいないだろう? いや、正しいからって、全てが認められるべきだ、なんて馬鹿げた考えを持っているわけじゃあないよ、僕だって。でもね、君が辛そうにしている原因はきっとそこだろうから、今は、言うべきなんだ、今こそその時で、ほら、君の好きな、今、が、今、なんだよ。分かるかい。今。今、今。今だ。僕の今が君を認めているんだよ。だからほら、ちょっとくらい笑ってみなよ。

その方が、生きていくには、気楽だからね。



二十六


――今。が、希薄なわたしの、今、を保証してくれる彼と共に、土の下に埋もれて、埋火のように想いをじりじりと亡くしつつ、出来るだけたくさんの、今、を数えながら、この世から消えられたのなら、この書を認めた意味、みたいなものが、もしかすると、あるのかもしれません。無いのかもしれません。

でもそんなこと、どうだっていいでしょう? わたしはわたしを見つめて、それを時折彼が見て、そんな当たり前みたいな幸せを手にすることが出来る人間になんて、わたしはなれなかったでしょうから。

それでは、さようなら。



二十七


車道でおままごとをして遊ぶ子どもたちが苛ついて仕方なかったので、僕はキーを回してアクセルオン、勢い任せにガキどもをみんな跳ね飛ばして殺しちゃった。

前途ある若者を、とか、年端もいかない子どもに対してなんて残虐な、とか、頭のおかしな人たちが唱えるけれどさ、ねえ、でもね、その、前途を築いてきた人たちの事情を、道を構築し続けてきた人たちの心情を、なんて、ふうん、君たち、全然気にしないんだねえ。死んじゃった子どもの肉には気を取られているのに。さ。

あのねえ、道があるってのはね、つまり、その道を使う人がいるから、出来たんでしょう? それを阻害して、我が物顔で、遊んで邪魔して、そんな連中がのさばっているのが、へえ、正しいんだ? 僕はね、空き缶を拾うのと同じくらいの善意の行動で、吸殻を拾うのと同じくらいの献身的気分で、ゴミを片付けるのと同じ感覚で、そいつらを殺しちゃったんだけど、さ。まあ、それが間違っていたとして、果たして結果に影響はあるの? 僕が、法に裁かれて死刑になって終わりでしょう? 僕がしたのは道掃除。僕は死ぬ。ゴミは片付けられて、はい、おしまい。それだけなんだよ。僕は狂っていない。僕はまともだ。

ねえ、道路を阻害するゴミがなくなって平和でしょう? 道を使う人々は万事安泰、ゴミはゴミ箱に、クズはクズ籠に、それで処分されてハッピーハッピー、何でみんな、僕のことを分かろうとしたがるのさ。理解しようとして、分析しようとするのさ。僕は、僕自身なんて、分かってもらいたくないし、解析しようとされるのも、正直、不快なんだよ。僕は、僕で、僕以外の何かが、僕に介在しちゃあいないんだ。僕の行動は全て、僕の責任のものだ。僕の意志が作用した結果だ。ほら、僕が苛っとして子どもを殺して、そこに理由を求めないでくれよ。突発的犯行、それ以上はありません。言ったじゃんか、僕、掃除ってさ。それ以上の意味なんかないんだよ。それ以上になると、お釣りの一円玉を、募金箱に入れる理由を一々尋ねられているみたいで、煩わしくってしょうがないや。

あのね。

人の心なんて分からないもの、得体の知れないもの、に、かかずらっている暇があったら、酒でも飲んで、気分を害して、ゲロでもぶちまけとけばいいんだよ。割り切れないってのはそういう気分なんだよ。で、ねえ、その嘔吐物ってさ、とどのつまり、僕で、君で、誰で、何なのだろうね。まあ、僕は吐かないからピンとこないけど、さ。ぐちゃぐちゃになった得体の知れない塊って、それこそが、つまりは人間って言うんでしょう? もしそれに、心当たりがないなら、僕には話し掛けないでくれ。君とは話が合わないよ。

……ああ、そう、焼酎のお代わりと、ついでに一つ。因みに僕は、誰か、殺したのかな?



二十八


意識がある、と自覚するのが第一ステップだ。僕は目覚めて、目覚めたかどうかの確認をして、とりあえず湯船につかり、あれ、ちょっと待て、うちの風呂ってこんなに暖かかったっけ、で、また目が覚めて、もう一度、風呂へ向かい、衣類を脱ぎ散らかして、湯船に浸り、束の間の安寧と泥濘の意識の間を漂って、あ、そうだ、僕はお酒が呑みたいんだ、と、自覚した時点が、まあ、大体、毎朝に繰り返される僕の目覚めだ。

みんなは僕を薄気味悪がっている。狂人だと思っている。凡そで言えば間違ってはいないが、実は僕、狂ってなんかはいないんだよ?

寝られない人が疲れているのを病気だと言って、人前に出るのが苦手な人を病気だと言って、しかしそれでも、ぶるぶる、不安の中でも強く生きていられる人ってのはね、マトモな人からすれば正しいのだろうけど、でも、とどのつまりみんな病人さ。

歯車になるのを恐れていない人間なんかいない。

パーツになってしまうのを恐れていない人間なんかいない。

くるくる回って円滑に物事を治めるのに快楽を伴う人間なんかいない。

いたらそれは、それこそ、狂人か、破綻した精密機械だ。感性や感受性がある人間が、ぐるぐるぐるぐる回転し続けるだけの状況を甘んじて受け入れられる時点で、どこかに破損を隠し持っている。病気じゃないか。靴下の裏にねじ込んだ紙幣みたいな、理性の欠片を頼みの綱に、症状をひた隠している病人なんだ。この世にまともな人間なんか、いてたまるもんか。

で、まあ、こういうわけの分からない主張をして、みんながみんな病気なんだから僕は比較的まともですよね、と、問い掛けた相手が鏡に映った自分自身だったから僕は失敗したんだろうなあ。せめて、弟に問い掛ければよかったよ。失敗、失敗。



二十九


身体と心の間にある空白を埋めることが出来ないから、僕はどうしようもなく暴れてしまう。壊してしまう。心は平穏の中にあろうとも、身体が反射的に全てを拒否して、思ってもいない暴言を吐き、願ってもない暴力を振るい、自分の存在をこじつけようとしてしまう。僕はそれを傍から眺めて、あ、コイツはもう駄目だ、と悟ってはいるのだけど、身体のコントロールが効かないので、僕はただ、第三者に徹するしかない。操縦桿を見失ってしまった。だから僕は色々失って失って、今、ここにいるのだと思う。何が欲しかったんだろうか、僕は。いや、例えば星の光とか、月の灯りとか、僕が望んだものは往々にしてそういった類の主張者ではあったのだが、それを望んだ時点で、僕は僕に破綻をもたらしていたのだろう。日陰で生きると決めた瞬間には、僕には望む権利などなかったのだ。それに気付くのが遅かったから、僕は失敗を重ね連ねて、身の回りに小さな嫌な思い、出来事、印象を振り撒いてしまったのだ。ああ、今、気付いたよ。僕がいること、それ自体は何かに支障をきたしてしまっているんじゃないかな。そうだそうだ、そうに違いない。ねえ、どうだい、この仮説は? って、話しかけているのが、既に災禍なのか、僕の思いが正しいのなら。ふうん。なるほど、ね。

生きているのは嫌いじゃないよ。好きなことも、好きな人も、やりたいことだって一杯ある。僕はただ、普通にありたい。それだけなんだよ。でもね、空白は僕を破壊して、攻撃して、再構築しながら害悪を生み出すから、僕に普通は、訪れない。



三十


目の前で行われている行為を認めたくないから目を逸らして目を潰して暗がりの中で光を求めて見付からなくて泣いて喚いて周りを煩わせてそれでも気を惹きたいから暫くそれを続けてやがて周りが飽き飽きし始めた頃を見計らって僕は僕を荒廃させるのに躍起になってそれは孤独を確立するためにはどうにも必要な行為なので延々と繰り返して無意味だと無意識に理解し始めたときには既に遅くて僕に僕らしさが残っていないのをようやっと客観視したけれでも僕に僕らしさなんて元々なかったことを僕は知覚していたからまあいいやと思って分解を再開してしかし分解できる最小単位まで行き着いてしまってそれが諸悪の根源なんだと僕は義憤に駆られて復讐を試みようとして拳をぐっと固めて振り下ろしてそれが掌を突き抜けたのを見届けて僕は僕にすら敵わないのだとどうしようもない諦観が込み上げてくるのを必死に押さえ込んでもう一度拳を握ろうとしてそこに拳がないのに気付いた僕の腕の先端についているのは手ではなくて僕の中に潜んでいた僕自身で僕は僕を振り払いたくて仕方がなくてぶんぶんとやたらめったらに腕を壁に打ち付けて見咎められて諦めきれなくて今まで諦めてきた全てを取り返しかったのにも関らす出来ないことに気付いて僕は死んでしまいたいけどお酒を飲めなくなるからという理由でそれを取り止めてどうしようもないから寝てしまおうと高々と宣言してそれはそれでいいものの眠くもないのに寝られるわけがなくて酒と薬と涙と感傷と暴走と理屈と憤怒と暴発と偶然をテキーラに混ぜ込んで飲み込んで前後不覚に陥って溝に嵌って群集から嘲笑を浴びせられて遣り切れなくなって酒を飲みなおそうとポケット漁って小瓶を引き摺りだして煽って砕いて水の様なゲロを嚥下して僕を引き摺りだして砕いてまた嘔吐して踏み躙って踏み躙られて残滓すらもホースから吐き出される水でどこか遠くに流されてしまって行き着く先には希望も未来も過去も後悔もなければよくってと僕の一縷の夢も儚く散り去って奪われてしまった取りこぼしてしまった僕だったものをもう一度取り返すべきかどうかで僕は逡巡の坩堝に沈み始めて沈んでしまうくらいなら一生逡巡と破滅を抱いていれば誰にも迷惑を掛けないんじゃあないかと画期的な思い付きを生かして僕は迷いと葛藤の湖に骨を埋める覚悟で研鑽を重ねてさあ再出発だと思ったその日に僕の目の前では僕が殺してしまった子どもたちの骸がそれ見たことかと言わんばかりに堆く積み上げられていて僕は僕以外の誰か何かに叱咤はされているものの激励などは無論微塵もなくて罪の意識だけが沸々と僕の空白を埋めようと隙を窺っているのに気付いて僕は思ってもいないことを言い散らさざるを得なくてでもそれも韜晦と詭弁に満ち溢れたそれこそ嘔吐物と何ら変わりのない唾棄すべき意見でしかなくて、僕は目の前で行われていることを認めたくないから目を突いた。

ばーか。あはは。ばか。ばーか。

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