酔芙蓉の魅惑
時を映し出す光の中に姿を換えて
舞う酔芙蓉に魅せられて・・
切り絵のような山波が
白みかかる東の空に浮き立ち
ひと筋の光が頬撫でる頃
酔芙蓉の花は白い衣を纏い
星月の想いを抱いて朝の巣立ちを装う
灯りを点すように華麗な姿を映し出す
草も木も目覚めて芙蓉に語りかける
純白の姿が良いと・・
命の息吹のドラマを造りだす朝の門出に
雫に想いを込め花びらにささやく・・
芙蓉よ舞え・・光の中の一瞬に舞え・・
鮮やかな自分の姿に酔い
今日と言う時を踊れ・・
真っ白な心で、純白が君に似合うから
白く透き通る光を飛び散らせ
酔芙蓉のひと日のドラマを生めと・・
真実と言う名を背負い
汚れなき真白な衣の舞に
ひかる糸に想いを紡ぎ
星月の告げた想いを伝えてよ
闇に濾過した純白を・・
嘆きの人よへ
悲しみを抱いた人よ
幸せに酔う芙蓉のように
一瞬の息吹に酔いながら生きよと・・
今日と言う光に望みを賭けて
星の願いはただひとつ
雫の命を二重・八重に束ねて
清楚な夢を暖めて輝かせと
ほろ酔いの時と光の中に
真紅の花びらをひらめかせ
光は魅惑の時を広げて芙蓉と連れそう
明日への扉を開き
花筆に赤味を含め頬を染めよ・・・
長い年月の闇を纏った光はささく
削がれた白さが酔芙蓉の素顔だと
君は君らしく純白の真実の素顔が似合うよ・・
明日も光は君を照らすから・・
巣立ちは無垢な 白が良い。
茜の空が広がる前に真紅に衣替えして
星月を待つのだ。
夜露に光る真紅の姿で
悲しみ惑う人を酔わせてよ・・
蟋蟀が調べを奏でる闇に
乙女心の芙蓉を燃えさせる
酔芙蓉の恋心は蟋蟀の鳴く音に震えながら