悪夢
「もう俺は寝る。朝早いしな」
「アタシもー!」
「では私も夢の中にダイブします。ドライブする夢が見たいですね」
三人は違う場所に向かい、それぞれが眠りについた。
ドミニックは木によじ登って枝の上で眠り、アンジェは他の木に寄りかかって眠りにつく。
カロリーヌは松明の火を三つ消して、そのまま丸太を枕にして眠りについた。
「おいらは寝たばっかりだから、ちょっと辺りを冒険してくるぜ!」
掴んだ松明を上に掲げて、ザールは目の前の道を指差し進むことにしたようだ。
シプリートは眠いので、カロリーヌの隣に横になった。彼女の寝顔を見る。可愛い。
普段から天然で何を考えているのかよく分からないが、寝顔は子供そのもの。
とはいえカロリーヌはメイドだ。
地位が違いすぎるので、シプリートに好意を寄せているエミリと結婚した。
カロリーヌも頼れる相棒みたいな存在だが、好きかと言われると正直分からない。
明日は朝早くに出発するので、何も考えずに目を閉じて眠りについた。
だがその日、また悪夢にうなされてしまう。これで何回目なのだろうか。
人々の悲鳴や血まみれの現場。そして目の前で次々とモンスターになっていく国民たち。そのモンスターを操る黒服の男、ブラックの姿。
彼はニコニコと微笑み、モンスターに成り果てた人々を操っては国を破壊に追い込んでいた。
なぜそのようなことをするのか。それはこの惑星を全て自分の所有物にするため。