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失われた姫と消えた秘宝  作者: 片桐 遥
二章〜モンスターハント〜
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夕飯

空を見上げるともう夕焼け空で、太陽が地平線に沈んでいた。空はオレンジと紫のグラデーションを帯びていて、夜になることを告げる。


カロリーヌの提案でシプリートが五当分に切り刻み、それぞれ椅子にした。机は切られたもので、囲みながらドミニックとアンジェを待つ。




彼ら二人は林に近い城下町まで戻り、食材を買いに行ったのだ。


ザールはお腹いっぱいになったので、いびきをかいて眠っている。あれから全く起きない。


シプリートは不安な気持ちをカロリーヌに吐き出す。


「本当にカノーカ王国に着くのかな……」


「それはわからない。姫が無事かもわからない」


「怖いこと言うなよ……」


顔を訝しめたが、彼女とならスラスラ話せる。


というのも、就寝の支度や風呂場での見守りはカロリーヌがしてくれたので交流が長い。


人見知りではあるが、彼女とはよく話せる。赤の他人や、強い口調の人とは正直話したくない。




彼女と色々話をしていたら、もうすっかり暗くなっていた。林の隙間から色々な色の星々が煌びやかに輝き、上弦の月はほのかに地上を照らしている。


そこへ二人の人物が松明を掲げてやってきた。その松明をイスの近くにあった二つの松明に火をつけ、最初に持ってきた松明を地面に差し込む。


丸太の椅子と机、そして皆の顔を照らした。




ちょうどザールが目を覚まし、あくびをして起き上がる。ぐぅと大きな腹時計が鳴り響く。


ドミニックとアンジェは買ってきた品物を机の上に置いた。


「遅くなってすまんな。俺たち貴族だからな。城下街に行ったんだが、皆平民だから変な目で見られてしまった」


「そうそう。食べ物は買えたんだけど、貴族の住む場所でしか買えなくてかなり高かったわ」


渡したお金200レミル(約32万円)を全て使い果たし、机に出されたのは新鮮なフルーツと焼いた魚とパンだった。


ラフランスや桃、リンゴにフドウなどのフルーツはどれも美味しそうで、皆フランスパンを食べながら一緒に青魚を食べる。ホクホクしていて、普通に美味しい。


フルーツを食べている時、ドミニックがシプリートのセリフを取るかのようにきつい口調で質問する。


「おい、もう全員揃ったんだ。カロリーヌさん、過去を教えろ」


「はい……わかりました。しかしとても暗い話になってしまうと思います。大丈夫ですか?」


「僕は大丈夫だよ。みんなは?」


そうシプリートが尋ねると、皆はコクリと頷く。


食べ終えた全員の表情が一気に険しくなった。彼女の方を一斉に見る。しかしカロリーヌはそんなことも気にせず、ボケをかます。


「まあ、気分が悪くなったら吐いても構いません」


「「「いやいや、吐かないから大丈夫!」」」


「では話し始めます」

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