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失われた姫と消えた秘宝  作者: 片桐 遥
一章〜姫を探しに〜
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仲間集め②

渋々赤いカーペットが敷いてある階段を上って、二階にある姉のフローリスの寝室へ向かう。


白い壁の廊下を歩くと、途中で赤毛を二つに結んでいるお姉様と遭遇した。


フリフリの黄色いスカートに、首からはオレンジ色のダイヤを模るペンダントを下げている。


「あらあら、シプリートじゃない。この美しくて可憐なアタクシに何か御用かしら?」


美しいと自称しているが、顔にはそばかすがあり鼻もお団子なのでそんなに美しくはない。ブサイクとはいえないが、八方美人な性格なのであまりモテない可哀想な女だ。


弟のシプリートは大嫌いで、大人とは思えない対応をしてくる生意気なところがある。


嫌だが、早速事情をボソボソと話す。


「えっと……その……嫁のエミリをロボットから救って欲しくて」


「ふん。そんなもん、ちゃちゃっと一人で行って一人で解決すればいいでしょ。アタクシのような可憐なレディは戦いになど行きませんわ」


「その通りですよ、お姉ちゃん!!」


隣から茶髪のミディアムヘアの次女リリアンナがひょっこり顔を出して、両手でピースする。


二人で廊下を歩きながら会話中だったらしい。


彼女はフリフリの青色のスカートに身を纏っていた。


リリアンナと初めて出会った時は明るくて優しい女の子というイメージだったが、今は姉と一緒にいることが多くなったせいかたくさん嫌味を言うようになった。環境って大事だな。


「つーかシプリートって、ほんと弱くて嫌になりますわ!男なら強くあるべきですよ!」


そう言われてムッとしたが、ここで怒ると彼女は大きな声で泣き出すだろう。当然泣き真似なのだが、本当に厄介である。


しかも二人の甲高い笑い声には、イライラさせられる。


「そういうわけだから、ワタクシたち二人は助けになど行きませんわ」


「ええ、二人で話していたほうがいいもの。男は男同士で話せばいいのよ」


二人はそう言って、その場から離れて階段を降りていく。


はあと深いため息をつき、最後に末っ子のアンジェに助けを求めることにした。


こんなに時間かけていては、姫が死んでしまうかもしれない。本当はこんなことせずにすぐ行けばいいのだが、やはり血生臭い戦いになりそうなので仲間は必要だ。




そのまま廊下を歩いて右に曲がり、また前に進むと背が低い青いロングヘアの女の子が面白くなさそうに椅子に座っていた。両脚をユラユラさせている。彼女こそ末っ子のアンジェだ。


彼女が一歳の時からこっそり部屋から抜け出してよく遊んでいたので、姉弟妹の中で一番仲が良いのだ。


「よ、アンジェ」


そうにっこりと微笑んで声をかけると、彼女はパッと明るい笑顔を見せる。


「シプリートお兄様!」


「何をしていているんだ?」


「城が壊れるかもしれないって言われて、ここにいろって。意味わからないでしょ?普通机の下に隠れろって言わない?」


「ハハ……メイドさんらしいや」


「ねえねえ、また一緒に遊ばない?」


椅子から立ち上がって、シプリートに抱きつく。


ラベンダーのいい匂いがして、心が落ち着くし胸がバクバクと高まる。妹は可愛いな。


焦る気持ちが現れて、肩に両手をつける。


「いや、そんな時間はないんだ!実は僕の嫁のエミリがロボットに連れ去られたんだ!」


「えっ!?嘘……。あんなにお兄様幸せそうだったのに!それを壊すなんて酷い!アタシも手伝う!」


彼女は元気よくそういうと、彼女も仲間になった。アンジェは頼りになるし、昔からシプリートを募っていたのでこうなることは分かっていたがな。


だが、彼女はまだ幼く魔法も学んだばかりで弱い。力になれるかわからないが、頼もしいのには変わりない。


彼女が成長できる冒険になれたらいいな。

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