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第11話:また女がやって来やがった!~ウィリアム視点~

俺の名前はウィリアム・バーレッジ。バーレッジ公爵家の3男としてこの世に生を受けた。そんな俺は、絶世の美女と名高い母親譲りの、無駄に美しい顔を受け継いだせいで、ガキの頃から女共が群がって来た。


はっきり言って、迷惑以外何者でもない。特に幼馴染でもある王太子、ブライアンの妹のエミリアは本当にウザかった。


俺を見つけると嬉しそうにやって来て、まとわりついて来るのだ。まとわりつかれるたびに、背筋がぞわっとする。


何度もブライアンに

「お前の妹を何とかしろ!」

と訴えたのだが

「ごめんごめん。注意はするんだけれど、聞かなくて」

それが口癖だ。


そもそも、ブライアン含め王族共は意外と謙虚だ。それなのに、あの女は傲慢で我が儘で、どうしようもないクソ女に育っている。本当に陛下と王妃の子供なのか?実はそこら辺で拾って来た子供じゃないのか?そう思う程酷い。


そんな俺も、8歳の時ブライアンと一緒に騎士団に入った。通常王太子は騎士団になんて入らないのだが

「ウィリアムと一緒にいたい!」

という、若干気持ち悪い理由で入団した。こいつ、あっち系じゃないよな…そう思ったが、どうやら違った様だ。


実は婚約者でもある公爵令嬢に

「私、騎士様みたいな強い男性が好きです!」

そう言われた事から、騎士団に入団した様だ。本当に、紛らわしい言い方をしやがって!


そして俺は、騎士団でぐんぐん頭角を現して行った。相変わらずエミリアはウザいが、ほぼ毎日騎士団の稽古に来ていた為、会う回数も格段に減った。


それが気に入らなかったのか、得意の我が儘で騎士団の稽古場に侵入しようとしたところを見つかり、厳重注意を受けた。


そもそもエミリアは、王女という権力を振りかざし、色々な人に酷い事をしている様で、評判も悪い。さらに俺を嫉妬させる為とか言って、色々な男に手を出しているらしい。何をどうしたら俺が嫉妬すると思うのだろう…本当に、頭がイカレテいるとしか思えない。


そんな俺も、18歳と言う若さで騎士団長になった。騎士団長になってからは、更に稽古に精進した。そして20歳の時、あの女に呼び出されたのだ。


「私も18歳になったわ。周りは皆結婚しているの。だからいい加減私と結婚しなさい!もし嫌なら、魔物討伐部隊に参加する事を命じます!」


どうやらこの女は俺を脅しにかかった様だ。魔物討伐部隊か。物凄く過酷で毎日のように誰かが命を落とすと言われている部隊だな。いいだろう。


「わかった、魔物討伐部隊に参加する!」


「え…あの…」


早速その事を両親とブライアンに伝えた。皆顔を真っ赤にして、怒り狂った。特に母上の怒り様は半端なく、王宮に怒鳴り込んでいったくらいだ。


ちなみに母上の実の姉が王妃で、姉妹仲は物凄く良い。さすがの陛下と王妃、ブライアンもあの女をきつく叱っていたが


「だってああでも言わないと、ウィリアムが結婚してくれないと思ったのですもの」


そう言って号泣したらしい。まあどうでもいい。結局あの言葉は取り消すと言ってきたが、俺はそれを突っぱねた。そして両親が猛反対する中、魔物討伐部隊に騎士団長として参加する事になった。


俺の為に沢山の騎士が派遣され、200人規模の組織になった。でも人数が多い分、毎日何人もの仲間が命を落としていく。悔しかった!目の前で仲間たちが無残にも魔物たちに殺されていくんだ!悔しくて悔しくて!


そんな時、俺の親友でもあるファンケラ侯爵家の次男、デビッドが副騎士団長として俺の元にやって来た。2人で話し合い、とにかく部隊を縮小する事にした。こんなに多ければ、さすがに目が行き届かないし、守れない。


そんな思いから、帰りたい奴は帰らせた。そして、厳しい稽古を行わせることで、どんどん騎士たちがこの場から去って行った。


気が付くと20人程度しか残っていなかったが、皆選りすぐりのメンバーたち。よし、これで行こう。


そんな矢先、なぜか女共が

「討伐に参加しに来ました!」

と言って、やって来るようになった。


ふざけるな!ここは遊びの場じゃない!どうやら俺とデビッドが目当ての様だ。ただ、1日もしないうちに逃げ帰って行く。


そして、二度と顔も見たくないあの女、エミリアまでもやって来るようになった。あの女、騎士たちを顎で使いやがる。速攻で追い返してもまたやって来る。いい加減頭にきて、ブライアンに二度とエミリアをよこすな!と手紙を書いてからは来なくなった。


魔物討伐部隊に参加し始めてから、3年が経った。もう随分と魔物も減って来た。そろそろ帰ってこいと、何度も両親から手紙が来るが、ずっと無視している。


帰ればきっと、またエミリアに結婚を迫られるだろう。それなら、ここにいた方がずっといい。


そんなある日、久しぶりに女がやって来た。女を見た瞬間、体中から怒りが込み上げてきて、案内人を怒鳴りつけた。


ただ、今回の女はどうやら俺やデビッド目当てではない様だ。その女はクレアといった。必死にここに置いてほしい、そう訴えたのだ。まあいいか、どうせすぐに逃げ出すに決まっている!見た感じ、どこかの貴族令嬢の様だし。そう思っていた。


でも、あの女は腰まであった髪を短刀で切り落としたのだ。そんな事をすれば、貴族界では生きて行けないのに…


そう言えばこの女、エミリアに命じられて来たと言っていたな。それに、家族の未来がかかっているとも言っていた。きっとエミリアの逆鱗に触れ、ここに来さされたのだろう。だからと言って、優しくするつもりは微塵もない。


正直俺はこの部隊に女が居るという事が許せないんだ。何が何でも、追い返してやる!

後2話ほどウィリアム視点が続きます。

よろしくお願いしますm(__)m

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