2、天穂のサクナヒメ
【知ったきっかけ】
一年前に見たニンテンドーダイレクトミニです。
家族が「面白そう」と言っていて、一年間楽しみに待ち続け、発売当日に限定版買ってきました。ので、一緒に遊ばせてもらってます。
【作品の概要】
『サクナヒメ』という神様が主人公。
サクナヒメは、武神の父と、豊穣神の母を持ち、両親の財産を食いつぶして、ぐうたらに過ごしていた。
ところが、ある宴の最中、人間たちが神の国に迷い込んでしまう。
人間を連れ込んだとバレたら、お叱りを受けてしまう。サクナヒメは人間を追いかけ回すが、貢ぎ物を納めた蔵を、誤って吹き飛ばしてしまった。
貢ぎ物をダメにしたサクナヒメは、罰として、騒ぎを起こした人間たちとともに、しばらく神の国を追放されることに。
「鬼島」へ向かい、島を開拓しながら、なぜ鬼が発生するのか調査せよと勅命を受けた。
以上が物語のあらすじです。
巷で有名な「ガチ稲作ゲー」です。
説明不要かもしれませんが、念のため。
サクナヒメは、豊穣神の素質を持つため、米を育て、米を食べると、どんどん成長します。
また、米の育成に必要な肥料の素材や、日々の食料、武具と防具の素材は、アクションパートでゲットできます。
狩り・採集をしながら、稲作をし、米で力をつけて、鬼と戦う。こんなゲームです。
【なにが感性に響いたか】
「米作りって楽しいなぁ!」(※大音量)
いや、まずはビジュアルについてしゃべらせてください。
サクナヒメは鬼島にある『我が家』を拠点に行動します。
我が家には、田んぼや家があります。
素材を集めると、追加で家を建てることもできます。
いやー……、田んぼがいいんですよ。
あまり田舎の田んぼを見たことがないので、「稲ってこんな風に育っていくんだぁ」って、とても新鮮です。
あと、鬼島には四季の概念がありまして、
夏になったら!
蛍が!
蛍が田んぼを飛んでいて……!
ここすごい感動しましたね。
蛙の鳴き声も良い感じです。
夏の夜の田んぼ、いいですなぁ。
縁側に座って眺めてたいですなぁ。(※雑草引っこ抜きながら)
あと夜に上向いたら!
満点の星空!
綺麗!
いやー夜空をぼーっと見てたくなりますなぁ。(※蛙を探しながら)
基本的に時間が止まるという概念がないので、常になんかやらないと損な気分になります。
それでも、足を止めて眺めたくなるくらい、ビジュアルの作り込みがすごいです。
あと、稲作を進め、米を食べることで、サクナヒメは成長します。
何が何でも米作らんと強くなれないんですよね。
いや、世には「サクナヒメ炭水化物ダイエット縛り」みたいな、稲作に頼らない縛りプレイしてる人もいるかもですけど。
強くなるために、必然的に稲作を学ばなくてはならないデザイン。
こういうのほんとすごいですわ。
リングフィットでも思ったけど、「筋トレ」とか「稲作」とか、プレイヤーの「非日常」を、ゲームのデザインに巻き込む「日常化」スタイル。
筋トレや、稲作が、「面白くない!」って思われないために、最上級の努力が各所にされてるんですよ。
ほんとゲームスタッフに万雷の拍手を送りたいです。
雑草ひっこぬく音とか。
季節ごとに変わる我が家の風景とか。
パラメーターで逐一米の状態を確認できるとか。
穂が出たら喜ぶサクナヒメの声とか。
はー、米作り楽しー(二回目)
「稲作するにあたって、めっちゃググらないとダメかな?」って思わせといて、案外ゲーム内だけでなんとかなったりもします。
まず、仲間の「田右衛門」が、稲作について教えてくれます。
話しかけると「こまめに雑草を抜いてください」「とかこの時期はたくさん水が要ります」とか、いま何をしたらいいかをよく教えてくれます。
田右衛門自身は、武芸も野良仕事もまともにできないデクノボーなんですが、一年目はこの人に頼らないとなんもできぬので「たうえもーーーん! 次どうしたらいいのー!?」ってのび太よろしく、いちいち話しかけてました。
あと、サクナヒメも稲を調べると「分けつの時期じゃな」とか「そろそろ水を抜くか」とか言うので、サクナヒメの話も良く聞かなければです。
目ざといプレイヤーは、一年目から肥溜め発見して肥料作りはじめたりしますが、これも2年目に田右衛門が、教えてくれます。
また、ストーリーを進めると、「農書」っていう、稲作の仕方が乗った巻物をゲットできます。稲のことはこれ読んで覚えろという、スタッフの声が聞こえてきます…。
さらに、田右衛門と「稲作会議」を聞いてくと、農書もどんどん増えてくので、まじで農書のお世話になります…。
かつて、どこぞで田んぼを見た時、「ありゃ? 稲が生えてるのにお水が入ってないし、地面にヒビが入ってるぞ」って不思議に思ったことがあります。
なるほどあれが「中干し」っていうんだなぁと、学びましたね。
最初から、田植えの全部をやれというわけでなくて、田起こしは二年目から、種籾選別はまたさらに後……って感じで、少しづつやれることが増えてくんですよね。
初年度は「わー!どうすればいいのー!」ってなってたのに、3~4年目になってくると、だんだんサイクルが分かってきて、「そろそろ田起こしだから、元肥の準備しなくちゃ。今年の米作り、量重視でいくか、質重視でいくか……。あ、明日は田起こしで終わるから、ご飯抜きでいいやー。早めに終わったら、採集に行こうー」とかいろいろ考えるようになります。
この!
自分で、段取り決めて!
試行錯誤しながら!
日々の糧を勝ち取るという!
ここが楽しいポイントなんですよ!
恐れ入ったのは、せっかくゲットした食べ物が腐るという概念ですね。
「豚肉の賞味期限が切れる前に、炙り焼きにして食べないと…」とか。
「どんぐりがこのままでは腐る! あ、米ぬかが残ってる! しめしめ、どんぐりのぬかづけにしてしまえ!」とか。
現代の神器、冷蔵庫サマに感謝を覚えまくりですわ。
ちなみに、食材は保存食にすると、保存期間が無限になります。
個人的に、倉に保存食溜めてくのが楽しいです。
さらには、腐ってしまった食べ物も、肥料に使えるという徹底ぶり。すっげえや。何も無駄な物がない。
あと、食材によっては、肥料に回した方がいいものも、けっこうあります。
ニンニクとわさびは、とても偉いです……。
あっ、しまった!
このままでは延々と稲作について語ってしまう!
アクションすっごい面白いです。
自分はアクションド素人の自覚があるゲーマーですが、そんな自分でも、「うらああああ!」ってボタンガチャガチャしてると、気持ちのいいコンボが決められます。
稲作を進めると、どんどん新技を覚えるので、それを試して、「あ、これコンボ向きやな」とか思ったのを、順次採用してますね。羽衣アクション下手過ぎて、飛燕なしじゃ生きられない体になりました。
あと、「えっ! サクナヒメってガードの概念ないの!?」ってはじめこそビビりましたが、そこは羽衣アクションで相手の背後を取ったり、相手の攻撃をはじいたりすることができて、「すっげーよく考えられてるー」って思いながら雑に遊んでます。
アクション下手でも、稲作がんばってれば、サクナヒメはどんどん強くなるので、米作りって楽しー(三回目)。
あと「天穂のサクナヒメ」では、普通のRPGと違って、村や町を訪れることはないです。
「こんなんでストーリー、どう進むんだ…?」と思ってたら、一緒に島流しにされたキャラの掘り下げが始まるんですよ。恐れ入りました。
食卓での会話で、お互いのことを知ったり。(ここ! すごい良いと思った! ご飯食べながら会話! 仲良くなる描写! 好き!)
朝一に、キャラのちょっとした一面が見れたり。
「大丈夫かなぁ、この人間たち……」って思ってたのが、今では「もう誰も欠けちゃいけない人だな」と思ってます。
あと、神の国でもいろいろ起きたりして、米は勿論ストーリーも気になって、プレイ時間がかさみますね。あーー、サクナヒメ楽しいーーー!
【こうだったら良かったなぁ】
カメラ設定がね……。
田植えの時に真っ直ぐに植えられなくて……困る。カメラ固定ないんですわ……。
これアップデートないんですかね……。
終盤までぐにゃぐにゃな田植えをする豊穣神でした…。
あと、switch版はサントラついてないと聞いて絶望しました。PS4にはついてるらしい。
サクナヒメのBGMどれもめちゃんこ良いです。スタッフ…、早くサントラ作って売って……。
【総括】
初クリアまで、総プレイ時間41時間でした。わー、たっぷり遊んだなぁ。
稲作は勿論、アクションも楽しいし、ストーリーも、やりこみ要素も大満足です。
そのままED後のやりこみをやりたい気もちもありますが、初年度からやり直して、短期間でどれだけ良い米作れるかっていうプレイも挑戦したいですね。
プレイ当初なんかは、「あーーバケツ稲作したいなぁ!」って言いながら、おはぎを作るなどしてしまいました。影響の受けやすさ丸出しです。
米作りの楽しさは、自分で体験しないと分からないと思うので、ぜひともプレイしてみてほしいです。
プレイ実況とかで見ると、毎年米作りのルーティンだから、だんだん飽きるかもしれないですが、これ自分でやるから楽しいやつです。
気候とかイベントの発生条件とか、その時々によって変わってくると思います。
是非プレイしてみて、稲の病とか害虫と戦って、農家さんの苦労を知ってください…。カメムシと稲苞虫……貴様らだけは絶許。
しかしほぼ攻略について話してしまった…。気が付いたら話題作となっていましたが、正当な評価と思います。
だって本当に楽しいもん! 日本人の血が騒ぐんだぜ!
これが同人サークル発の作品というのが、ほんますごいです…。
「企業じゃなくても、面白い物作れるんだな!」って励みになるし、任天堂でのインタビュー記事は、それこそ本作への熱意が感じ取れるので、ぜひ見て欲しいです。
URL↓
任天堂ホームページ
「Hello! インディー」 第37回 ゲームづくりはまず米づくりから!? 『天穂のサクナヒメ』開発者インタビュー。
https://topics.nintendo.co.jp/article/0b75c956-cb87-4703-832a-4efb9cac711e
いや、ほんますごいんですよ…。
米作りをゲームで再現するために、自分でバケツ稲を作るだけでなく、論文を読み、雑草を研究し、「どんな土壌が稲作に向いているのか」まで追及して、ゲーム内に落とし込んでるんです。
面白いもの作るために、ここまでやるのか!
この姿勢、すごく参考にしたいですね。
プレイヤーとしても、物書きとしても、受け取る物がたくさんありました。
【ネタバレあり感想】
※がっつりエンディング等について語ってますので、未プレイの方は要注意。
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「ごごろ゛わ゛ーーーーーー!(大泣き)」
すいません、ココロワの米騒動イベントが…。よかったね…、お友達と腹を割って話せてよかったね…。
サクナヒメもえらいぞ…。過去の自分の横暴を認めて、ちゃんと謝って…。
サクナヒメがしっかり成長していくのがすごい良いよね…。
火山噴火した後に、奮起するシーンがめちゃくちゃかっこよかったし、おめめがじわってなりました……。
その後ココロワ来て、涙ひっこみました。いや、嬉しかったけど! 登場の仕方がさぁ!
あと、兎鬼が兎に戻るシーンが、めためたに心にずどんと刺さりました…。
兎のモーションも可愛かったので、あれ飼いたいです。
きんたとゆいもさぁ…。ゆいが○○(あえてのプライバシー保護)ってのは、なんか察してたけどさぁ……。
「リア充どもめ、はよう幸せになれぃ!」って思ったのに、ED見たら「きんた貴様ぁーー!」ってなりましたね。ちゃんと責任取らんか! このぉ!
でもEDは普通に好きです…。みんなが旅立ってくのさぁ……。平和な日々の別れと言うかさぁ…。ああいうの弱いんですよほんと…(涙目)
あと、たま爺すごい好きです……。大龍と戦う方法として、自分を素材にして新しい武器を作れって言うの、サクナと一緒に「嫌じゃ嫌じゃ!」ってなりました……。
その後、代替え案出てきたときは、「良かったねぇ良かったねぇ(´;ω;`)」ってなりましたよ。
スタッフめ、粋なことしやがる……。自分がシナリオ制作側なら、爺を犠牲にして武器にしてしまってた……。くっ…、こんなに幸せな解決法を用意してるとは…。感謝しかできぬ…。
あと「朧月香子」の正体がココロワって……。お前どんだけ才女やねん! カラクリ作れる理数系かと思いきや、文学まで嗜めるってどういうことやねん!
でも、サクナと打ち解けてから、陰キャオーラがにじみ出てきたのとっても良かったと思います。傍から見ればオタクとしか思えない笑い方がかわいい。
あと田植え歌!
歌うシーンすごい良かった…。みんなで稲植える時に歌われて、ああ、こうやって過去の日本人たちは、お米を作ってくれたんだなって、世代を超えて感謝の念が生じましたもん。
その後も、サクナがラスダン行く前とかにも歌われて、「うわぁあああがんばるーーー!」ってなりました。
稲作ばっかり目立ってますが、サクナヒメはストーリーもしっかりしていて、本当に素晴らしいですよ!
サクナヒメ開発スタッフの皆さん!
本当にありがとうございました!