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1、嘘つき姫と盲目王子

【知ったきっかけ】


 いつかは覚えてませんが、何かの拍子に名前だけ聞いた覚えがあります。

 その時の印象は「日本一ソフトウェアの新作かぁー」でした。

 後に、家族がswitch版のソフトを貸してくれたので遊びました。



【作品の概要】


 『狼の化け物』が主人公。

 歌が上手な狼の化け物は、毎晩一人で歌っていました。

 そこへ『人間の王子』が歌声を聞きに、森へ通うようになります。

 狼は、自分が人食いの化け物だとバレるのを恐れました。

 あるとき、王子が歌声の主の姿を見ようと、狼のいる小高い岩を登ります。

 「自分の姿が見られてしまう」と恐れた狼は、誤って、王子の目を傷つけ、盲目にしてしまいました。


 狼の化け物は、王子の目を直すために、『魔女』にお願いして『人間の姫』に変身する力を得ました。


 化け物は、自分の正体を隠し、「自分は隣国の姫だ」と嘘をついて、王子を城から連れ出しました。

 魔女に、王子の目を直してもらうために――。



 以上が、物語のあらすじです。

 たぶんPVの方が、雰囲気がばしっと分かるので、「嘘つき姫 PV」で検索するのがおススメです。



 遊んだ印象は、絵本仕立てのパズルアクションゲームでした。

 狼の姿と、姫の姿を切り替えながら、王子を連れて森を進んでいきます。

 ステージの途中には、王子と姫のお話が差し込まれています。

 お話は、基本的に朗読で語られます。

 ストーリーを見たい人のために、時間経過でステージをスキップする機能もありました。


 難易度はそれほど高くありません。

 5時間程度で、一週目のクリアができました。 

 



【なにが感性に響いたか】


 絵、がね。

 かわいい。


 姫のデザインが、釣り目でかわいいなぁと思ってたんですけどね。

 盲目になる前の王子は、たれ目なんですよね?

 プレイ前は、目に包帯してる王子しか知らなかったので、プロローグから「は? かわいい」ってなりました。


 操作するに当たって、姫は王子の手をつないで歩くんですが、手をつなぐとふたりとも「ニコっ」って笑うんですよ……。

 カラーだけでなく、エンピツか木炭でざかざか書いたようなセピア調のイラストもあって、それも好き。


 あと、ステージを進めていくと、「王子におねがい」して、物を持ってもらったり、一人で歩いてもらったりするんですけどね。


 お願いする時、姫が王子にひそひそ話するんですよ。

 で、王子がうんうんって聞くんですよ。

 かわいすぎたので死にますね?


 操作中は、完全に姫の気持ちになってたので、王子の手を引きながら、

 「王子! 手を離さないでね!」

 「化け物いっぱいいるけど、私が守るから安心してね!」

 「ちょっと花びら探してくるから、一人でどっか行っちゃ嫌よ!」

 みたいなこと考えてプレイしてました。


 王子を一人置き去りにして、花びらや鍵探索してる時は、「王子大丈夫かなぁ。化け物に喰われてないかなぁ……」って心配にもなったり。


 また、高いところから落ちたりすると、死んでしまうので、誤って王子を死なせてしまった時は、「うあぁああ王子ーー!(泣)」ってなりました。

 姫も、王子が死んでしまうと、その場で泣くんですよ……。王子いっぱい死なせてごめんね……。でも王子より、姫の方が死んだ気がするな……。


 あとね、挿入されるお話もかわいい。


 狼が「自分は姫」だという嘘がばれないように、人助けイベントが発生したり、化け物ってばれそうになると、新しく嘘をついて誤魔化したりしてね……。


 あと、これやべぇって思ったのは、「ステージに隠された花びらを集めると、【設定資料】が見れる」って部分ですね。


 いや、ほんと……。

 「えっ、ご褒美すぎません?」ってなりました。 


 ラフイラストの姫とか王子とか、かわいくってさぁ……。

 端っこに書かれた、落書きみたいなイラストがめっちゃかわいくってさぁ……。

 もうイラスト見たさで、ほいほい花びら集めちゃうわけですよ。

 完全に開発スタッフの手のひらの上でしたわ。


 あと、エンディングもといスタッフロールがすごく良かったんで、後述する【ネタバレ有り感想】で、心の内を声高に叫んでおきますね?


 クリア後は、「もっと姫と王子を見ていたかったなぁ」という気持ちになったので、興味本位で「嘘つき姫と盲目王子」の公式ツイッターを探しました。


 そしたら、出てくる出てくる数々のイラスト!


 姫と王子がスイカ割りしたり、魔女の家にハロウィンの菓子をねだりにいったり……。「桃源郷はここにあった……!」ってなりましたね。


 自分は借りて遊んでしまった勢なのですが、なんとグッズがいっぱい出ているようです。

 やったぜ、これで公式に金を落とせるぞ!

 グッズは全部絵が可愛いです……。アートブック絶対買います……。スタンプも出てるだと!? 絵がかわいい! 買いますね!


 


【こうだったら良かったなぁ】


 ステージはスキップできるけど、お話がスキップできなかったんですよね……。

 せめて、2週目からは、スキップボタン追加してくれても良かったかなぁと思います。

 ですが、それだけこのゲームは「物語」を重視しているのかな、と理解しました。


 自分は、たまたま借りて遊んでしまったんですが、ソフトはなかなかのお値段らしいです。6000円くらい……。


 現在は、スマホ版も出てるそうです。

 お値段2000円程度。

 遊んでみたいなぁという人は、スマホ版の購入を考えるのも有りですよ。




【総括】


 雰囲気がとても良かったです。

 イラスト、朗読、音楽、ギミック、ストーリー、それらを統べて「物語の中に入れてもらったなぁ」という気持ちになりました。


 これは一作で完結していますので、続編は出せないと思います。

 だから、あの踏み切った値段にしたのかな、とも考えました。


 でも、遊び終わった自分は「もっと姫に、王子の手を引いて、たくさん冒険してほしかったな」という気持ちにもなりました。


 それだけ二人のことが好きになってしまったんだな、と思います。


 たった5時間の旅だったのに、不思議ですよね。


 魔法にかけられたように、没頭できるゲームでした。




【ネタバレ有り感想】



※がっつりエンディングについて語ってますので、未プレイの方は要注意。


 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓

 ↓


 ボロ泣きしました。


 戦犯志方あきこです。


 本編で泣きそうになった箇所は二つあって、王子に「嘘つき!」って言われたところと、ラスボス戦の後、王子が姫と仲直りしたところですね。


 姫が、今までの記憶を失うシーンで、ほろ、と来てたのですが……。


 そっからのスタッフロール。

 次々とページをめくるような演出。

 目が治った王子。

 志方あきこの歌声。

 王子の旅。

 畳みかけるような志方ミュージックのサビ。

 端々に聞こえる歌詞を、「言葉」として捉えた途端、



 名伏しがたい情動の渦に呑まれて、涙が止まりませんでした。


 あ、いま思い出しただけでも目が潤みますね。


 スタッフロールの後も、ストーリー続いてたのですが、自分の中では、スタッフロールが最高潮でした。


 これ、ゲームの画面で見れたから、こんなに感動したんだと思います。


 私は、switchライトでプレイしたんですが、ゲーム機を持ちながらボロボロに泣きました。


 CDで聞いたとか、プレイ動画で見た、とかじゃこうはならない。


 自分でプレイして、

 姫と王子の旅を見守って、

 最後に行きついたところに、このスタッフロールがあったから、

 自分は泣いたのでしょう。


 これら一連の体験に値段をつけるなら、「これで6000円は安い」と言った開発陣の気持ちが、今なら分かります。

(ゲームカタログ@wiki参照。日本一ソフトウェアの公式生放送での発言だそうです)

 

 遊んで本当に良かったです。

 貸してくれた家族に感謝です。


 日本一ソフトウェアの開発陣へ、本当にありがとう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] すごくやってみたくなりました! 今からググります! 自分もやってみたいし、子どもにも遊んでほしいなぁって思いました。 [一言] 知らないゲームでしたが、ネタばれ気にならないのと、読みやすい…
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