ゴミ屋敷のような耳にの中で④
うおー鼓膜に耳垢が積もっている。壁にもいっぱいへばりつき、その様は岩石がだらけの荒野だ。
綿棒をオイルに浸して耳の奥にまで冒険だ。
そろり、そろり、ゆっくりと鼓膜付近まで進んでいく。壁にべばりついている耳垢にジュワッとオイルを染み込ませ、くるりと綿棒を回し岩石を絡め取り出していく。
鼓膜に付着している甘皮のような耳垢も細心の注意を払って取り出していく。
耳の中ではベリベリと良い音が響いているんだろうなぁ。
この世界ではお医者さんの下について修行をすれば管理下で限定的な医療行為を行えるらしい。
そして私の世界で言う医師免許はなく徒弟制度で師匠に免許皆伝を授けられると医師を名乗ることができるらしい。
私もベルダさんの下で医学の基礎的な知識と技術を3ヶ月猛勉強して耳垢に関する医療行為と拙いながらベルダさんの補佐を務められるようになった。
鼓膜と外耳道の谷間に隠れた耳垢たちを剥ぎ取る。
すごい、見えないところにも大量の金貨がまだ埋蔵されていた。
こんなところにゴロゴロあったらすごく痒かっただろうな。
その後、片方の耳も掃除し終わった。
紙一面には金銀財宝もとい耳垢がどっりと山脈になってそびえ立っていた。
「お疲れ様です。終わりましたよ。」
私は熟睡しているお客さんに申し訳なさそうに声をかけた。
……え、あ、ありがとうございます。こんなにぐっすり眠れたのは久しぶりです。」
深く伸びをした後、スッキリした様子だった。
「大変ですね。でも、ゆっくり休めたようで良かったです。」
「自分で選んだ道ですから。それに手柄をあげれば故郷の家族に楽をさせられます。」
お会計を済ませてお別れのとき
「ありがとうございます。無事、旅が終わったらまた耳掃除してもらいに来ます。」
笑顔で手を振りながら、再び旅に出て行った。
「頑張ってくださいね!! どうかお元気で。」
また、お客さんが元気にお店に来てくれることを私は願った。
今日は濃い1日だったな~
閉院時間が近づき掃除をしていると
突然病院のほうから凄まじい声が聞こえた。
「痛い、痛い。足が痛い。助けてくれー!!」
読んで頂きありがとうございます。
のろのろですが続いていくのでよろしくお願い致します。