ゴミ屋敷のような耳の中で③
なにがすごいって入り口から奥の方まで耳垢がぎっしり!!
まさに序盤中盤終盤すべてに隙がない。
普通だったら先にオイルをつけて湿らせるのだが
このまま耳かきでカキカキしたらすごく良い音がするだろうな。
カサカサ、ガリガリ、バリバリ、シャリシャリ想像するだけで胸のトキメキが抑えられない。
いかんいかん。私情を優先するのはプロ失格。常にお客様のお耳ファースト。が私のモットー。
綿棒にオイルを浸して耳垢をふやかす。
そして、いよいよ耳かきの出番だ。
「では、掃除していきますね。」
「はい。」
承諾はもらえた。
早速、耳かきで外耳道をひと撫でする。
その刹那私の心に稲妻が迸った。
たった、たったひと撫で、ひとかきしただけで
匙からこぼれ落ちるほど山盛りの耳垢。
それから私は夢中になって耳掃除をした。
目視するだけでも分かるとっ散らかり具合い。
普通の人から見たら気持ち悪いかもしれないが
私からすれば金銀財宝だらけで全て発掘したい。
すごい。すごい。何度かき取っても大量に出てくる。
耳毛1本、1本に耳垢が絡まっていて素晴らしい!!
綺麗にするぞー!!
耳かきで入り口付近の耳垢をカリカリと取っていきハサミで耳毛ジャリジャリと切っていく。
この時点で大漁、大漁!
しっとり耳垢のようにごそっと大きなコルク状の耳垢も素晴らしいが粉耳や脱け殻のようなの方が馴染み深いからか個人的には好きだ。
さぁこれからが本番だ。
あ! その前に。
お客様に声をかけておこう
「いかがですか。痛くないですか。」
と問いかけるが返答がないので顔を覗いてみると
どうやら眠っているようだ。
長時間歩いて、長い間、粗食で睡眠時間もあまり取らない生活で疲労が溜まっているのだろう。
少し時間だけどそっとしておこう。