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深淵の谷間に潜むモノ【ドーナツホール】

うーん。あまり触れない方が良いのかも。


数十分にベルダさんの診察が終わり、ついにギャンさんの耳の中へ。


「痛くしないでくれよ。」


ベッドに横たわりながら弱音を吐く。


「大丈夫です。アイザワの耳掃除は夢心地ですよ。大船に乗った気持ちでいて下さい。」


とベルダさんが微笑む。


「できる限り痛みや不快感のない処置を行いますね。」


いざ、ギャンさん耳に突撃しまーす!


今回は耳かきから深淵へ。

うーん見えないが鼓膜と外耳道の溝にゆっくり優しくアタックすると固いものにあたった。


「ギャンさん今、カリッと音がしませんでしたか?」


「しました! ここに不快の原因があるのか。」


慎重に慎重にすくい上げていく。

きっと耳の中で地殻変動が起きているだろう。

お、少し浮いてきた!


な、な、な何と耳垢が輪っかになってる!?

初めて見た!


お風呂あがりなど湿った状態で綿棒を奥に押し込んだのかな? わからないけど。

どうにかこの美しい状態のまま取り出したい。

そぉーと、そぉーと、引き上げる。


よし!あともう少しだ!

と喜んでいたが太い耳毛に引っかかり輪っかの一部がこぼれ落ちでしまい、その瞬間ギャンさんがビクンとした。


「申し訳ありません。落としてしまいました。」


不快にさせないと言ったのにミスをしてしまった。


「大丈夫だ。続けてくれ。」


集中力を切らさず欠けた耳垢を取り出し。

落ちたのも回収した。


耳垢がゴロゴロ落ちると大きな音がするもんな。

私は耳垢が転がるバリバリという音が好きでわざと落としていた事がある。


処置が終わり。夜になった。


「よし、今日は飲もう。」


とギャンさんが声を上げた。


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