美髪と枝毛
扉を見ると髪の長さが肩甲骨ほどある黒髪で若い20歳前後の女性が立っていた。
「いらっしゃいませ!。どうぞ。」
お客さんを座席に誘導しお客さんが腰掛ける。
「どんな髪型致しましょうか?」
「うーんと。毛先すっごく痛んでて、枝毛がすごいので切るのと、髪をすいて
スッキリキレイにしてほしいでーす。」
「分かりました。」
先ずは、シャンプーアンドブローで綺麗に均等に整える。
そして、髪質や具合をチェックする。
うーん。確かに傷んだ髪が多いという印象だ。
髪質は太めで艶がない。
毛束を取ってよく見ると毛先部分のほとんどが枝毛だ。これはすごい……興奮する。
「確かに。結構、傷んでますね。」
「でしょ! こんな髪だから枝毛探しが趣味になっちゃたんですよー。」
「気持ちわかります!! いろんな種類の枝毛を見つけるの楽しくてつい、時間を忘れてます。」
お客さんの言葉に思わず合意した。
「同士がいて嬉しー。この前なんて縦に10段くらい枝になった毛と毛先が箒みたいに細切れてましたよー。芸術的でした!」
「それは、素晴らしいですね! 見てみたかったです。」
枝毛にもいろんな種類?形がある。
単純に毛先数ミリが枝分かれしているのも。
数センチ以上枝分かれしているのも。
タテに段のようになっているもの。
髪の途中が方結びのようになっているもの。
髪の途中が裂けて輪っかなっているもの。
などなど。
特に私が好きなのは輪っかなっている部分に更に小さな輪っかできているもの。と輪っか中が枝毛になり窓のように区切られて、枝豆のような形になったものだ!
「枝毛探しは楽しいですが髪の毛に摩擦を加えるのはキューティクルが剥がれて傷む原因になるので止めはしょうね。私も今は辞めています。」
「はーい。つまらないけど。あ、あと美髪のコツ教えてくださーい。」
「そうですね。お風呂中、あがりのケアでとても変わりますよ。
まず、髪洗い粉で洗う前にお湯で予洗いと櫛でとく。そして、頭はゴシゴシ拭かない。しっかり髪を乾かしきってから横になる。これら守れば絶対に美髪になれます! 頑張りましょう!」
と私はアドバイスをした。




