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紛瘤取り出し作戦②

医学の治療は無いので誤解をうむ表現が有るかもしれません。

耳かきを置きピンセットに持ち替える

いざ、紛瘤を取りの始まりだ。


 先ずは慎重にピンセットを袋の中に入れる。


「紛瘤の袋にピンセットを入れました。痛くはありませんか?」


心配になって患者さんに聞いた。

"痛くないですよ。続けてください"


との返答があり安心する。


そして表面に顔を出している黒く酸化して角栓をズズッと抜き取るが千切れてしまった。

摘出した角栓は少しねちゃねちゃで粘土のような捏ねたくなる質感だった。

すぐに千切れた残りを取りきり、中を覗いて見ると

まだまだたくさんありそう。そう思うと俄然やる気になる。


その後は一心不乱に採掘し続けた。

紛瘤は分泌物のような液体はでなく、全てが粘土質のようだった。


紛瘤の袋穴は想像の域を越えて深く、広い。神経や血管はどうなっているのか?

と素人な疑問を持つほど。

人体の神秘をまざまざ感じた。

取っても取ってもにゅるっと現れるスライムのようで気分は勇者だ。


十数分必死で作業していくと、ようやく終わりが見えた。

ガーゼの上にも狩った黒いスライムが山脈を造っていた。


「処置が終わりました。お疲れ様です。先生を呼んできますね。」


私は診察室にいるベルダさんを呼び。

治療をしてもらう。


「それでは、袋である“のう種壁”を摘出しますね。ここからは局所麻酔をかけて摘出手術を致します。」


「え!? 私大丈夫ですか?痛くないですか?」


ベルダさんの手術の言葉に患者さんは混乱しているようだ。


「心配いらないと私は考えます。袋を取らないと再発してしまいます。今回は無かった炎症や痛みが再発時は有るかもしれません。」


手術を行う上でのメリットを述べた。


「そうなのですね。では、治して下さい。お願いします。」


同意いただけて良かった。

こうして手術が始まった。

私も消毒液を塗る、ガーゼで出血を拭いなどサポートしていると15分くらいで終わった。


「終わりました。お疲れ様でした。」


「え!?もう終わったんですか。」


「はい。このまま帰って頂けます。2日以上経っても痛みが消えなければすぐに来院してください。痛みがなければ2週間後に様子を診せて下さいね。」


30分ほど休んだ後、患者さんは処方された薬を持って帰られた。

今日は初めての体験とベルダさんをサポートできて良かった。


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