冒険者の足の裏は傷つきやすい①
痛い、痛い!
悲痛な野太い声と共に病院の扉が開いた。
するとベルダさんは走って診察室を出て行った。
私もすぐにその後を追う。
「大丈夫ですか!?」
「先生!足がいてぇんだ!助けてくれぇ!」
30代位の大柄男性が足を引きずりながら、悲痛な叫びをあげて嘆いている。
見た目からこの人も冒険者のようだ。
「足のどのあたりが痛むのですか?」
「足の裏だ。刺すように痛いんだ。あと猛烈にかゆいんだよぉ。」
男性は早く診てくれとばかりに靴を脱ぎ、靴下も下ろし始める。
「わかりました、わかりました。だから、ここで脱がないでください。診察室に行きましょう。」
大丈夫ですか?
とベルダさんは歩くのも辛そうな患者さんの肩を貸した。
「アイザワさんは先に診察室に行って消毒液を用意してください。」
「はい!分かりました。」
ベルダさんの指示に私は駆け足で診察室へ向かい
消毒液やタオルなど用意した。
程なくしてベルダさん達が診察室に到着すると患者さんをベッドに寝かせ、靴下を脱がして足の裏を診た。
「うあぁ……」
これはひどい。
私は露わになった患部に思わず声を出してしまった。
耳の中もごくたまにこんな恐ろしい症例が見る。
あまりのグロテスクさに恐れおののく
足の裏がゾンビだ。
この世のものとは思えない。
これは辛かっただろうな。




