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2 人気がないところって男でも通らないほうがいいんだな・・・

家を出て、


人目に付かないように、


裏道を通っていると・・・


「や、やめてくださいっ!


ど、どうか妹だけでもっ!」


「うるせえ、こっちはあんたらの借金を返さねえせいで、


アニキやボスたちにこっぴどく怒られちまってんだっ!


てか、無利子で返せねえってどういうことだよっ!


アニキたちも流石に驚いてたぞっ!」


女の人が言いづらそうに口を開く。


「・・・そっ、それはっ・・・父がギャンブルで・・・。」


「・・・あの親父のせい・・・。」


・・・・ブチッ!


「ならよ・・・亡くなったそいつをそいつを恨めよっ!」


・・・なんて声が聞こえてきた。



・・・女の子たちは、すんげえ、可哀想なのに、


金貸しらしきやつもひどく可哀想に見えるなのはなぜだ・・・。



「・・・・・・。」



目に見えるわけじゃないから、


何とも言えない面持ちでその状況を聞いていたんだが、


とうとうその現場が見えてきた。


見えてきてしまった。



・・・滅茶苦茶イカツイおっさんが幼女とその姉らしき俺と同い年くらいの女の子の手を掴んで、


車に引っ張り込もうとしている。



「・・・・・・。」


俺は固まる。



・・・これ・・・アウトだろ・・・。



「なあ、おっさん。」


「ああん?


・・・んだよ、同業のやつか・・・。」


「誰が同業だ、あん?」


「「「ひっ!」」」


・・・助けようとしたやつにまでこういう風に怖がられるのって結構きついもんがあるんだな・・・。



「ちっ、違えのかよ・・・。」


おっさんは俺にそんなことを聞いてくる。


「まあな・・・それでいくらだ?」


俺は額に手を当てながら、そう聞く。


・・・はあ・・・だりぃ・・・。


「・・・はっ・・・?」


「えっ?」


「だからそいつらの借金いくらなんだって・・・。」


「・・・1500万です・・・。」


同い年くらいくらいの女がそう答える。


「ほれ!」


おっさんにエコバックは渡す。


「なんだこれ?」


「中見りゃわかる。」


おっさんは中を見る。


「って、金じゃねえかっ!?」


「丁度1500万あるはずだ。


これで手打ちにしてやってくれ。」


「・・・あ・・・あんた・・・。」


おっさんは涙ながらに俺に縋りつく。


「すっ、すまねえ・・・本当にすまねえ・・・。


これ、俺の連絡先だから、なんかあったらかけてくれよな~!」


と車に乗り込み、


走り出す。



「「「・・・・・・。」」」



・・・忙しいおっさんだな・・・。



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