作者による解説 in 2021
固有名詞ばかり列挙する本編ですみません(笑)
先に解説から読み始めた方は幸運。まともに本編読んでる人がいるか怪しいですが、早速ネタバレ。
結論から言うと、舞台となっている作中世界『ヴァース』は未来の地球です。科学技術を基盤とした現代文明が異星人の侵略で滅ぼされた後、彼らが持ち込んだ異星由来の生態系に丸ごと乗っ取られてしまった疑似ファンタジー世界という解釈。メインヒロインのミーシャは旧世界から密かに受け継がれてきた科学技術、正確にはバイオテクノロジーで生み出された人造人間で、行方不明になっている主人公の父親が実はその主任科学者というオチ。
冒頭解説にあった通り、本作は本作以前にネット経由で参加していた合作ファンタジー企画の破綻を受けて書かれた内容です(その作品『GRIEF of THE EARTH』もアーカイブ公開されているので探してみて下さい)。
元ネタ同様に宗教をメインテーマとしていますが、最大の理由は元ネタの企画が下らない内輪もめ、もっといえば建設性ゼロの主導権争いやマウント合戦で潰れたことに嫌気が差しており、当時の自分なりに『宗派対立の超克』を描きたかったというのがあります。権威主義的なイデオロギーの権化が悪役で、主人公と一緒に旅をする連中は全員別宗派からの寄り合い。派閥闘争を乗り越えてもっと自由で素朴に生きたっていいじゃん、という自分なりの願いがあったのでしょう。
まあ当時読ませた奴からは「一緒に旅してる奴らが誰も印象に残らない。最終話でヒロイン以外全員死んじゃっても良かったんじゃないの?」とかいう酷いコメント貰ったけれどw
主人公の背景描写はまんま当時の自分。視界が色褪せて見えるとか、パンに蜂蜜や砂糖を塗りたくっても全く味がしない、とか今読むと完全に抑うつ状態になって精神を病んでる感じ。子供に怒鳴り声を上げる女性がトラウマなのもまんま(笑)
何故そこまで自分そのものに? と疑問を持たれそうですが、当時は「これがコンテストで入賞したら自分の家庭事情が知られることになる。都合よく事実を捏造してたことがバレたら何を言われるか分からない」という不安を抱いていて、それを解消するためだったのです。そう、この作品はライトノベル新人賞に送りつけた最初の作品だったりします。これが入賞すると信じ切ってるあたり別の意味で凄いけれど。
兄妹で血の繋がりがないなんてのはオチのための創作ですが、母親や教師のハラスメント言動なんかは本当に当時の体験そのまんまですね。とにかく当時は周りの大人がみんな気持ち悪く感じられて早く死んでしまえぐらいに思ってたんでしょうね。
こんな面倒臭い内容なのに敵怪人は全員仮面ライダーシリーズの敵をモチーフにしてるとか、実はある場面で自分の自主怪獣映画『レドラ』のキャラが客演してるとか、余りにも細かすぎて分からないネタがちりばめられていますが、当時の自分なりに必死にコミカルな場面を作ろうとしたんでしょうなぁ。




