表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

枕の下に 希望の上に(8)

異音冷蔵庫

冷蔵庫の音が

いつもと違う

歪な回転みたいに

音を出している

昨日と違う事は

いきなり起きる

そんな日は

少し高鳴るんだ




なかなか鳴り止まない

午前四時の異音は

地下鉄の駅に残る

ゴミ屑みたいで

さっきまでの高鳴りを

無視し出す

別の想いが踊り始めた




逃げてく貯金

まだマシかもしれない

急に燃え始める

保険でカバー出来るかな

わからないけど

睡魔も小脇に

頭を抱えて目を閉じた




コンセントを抜けば良い

食料品が駄目になる

それでは勿体無い

仕事へ行くんだから

無人になる

それが一番心配だ

やっぱり

火事になったらどうしよう




気がついたら

眠っていて

アラーム音が鳴っていた

早朝の音は

何だったのか

いつもと変わらない

冷蔵庫

特に何にも

起きていない

温度もいつも通り

冷凍庫もいつも通り




夢だったのか

現実だったのか

思い出しては

抜け落ちた記憶

買った時期が記載された

説明書を片手に

まだ五年だからと

納得した




仕事へと向かうが

何だかスッキリした

朝だった

いつもより少しだけ

足が軽かった

昨日と違う事は

いきなり起きる

極小の変化を喜ぶ

認識できるから楽しい

それを含んだ毎日に

退屈は無い



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ