1/1
仮想世界
「今の俺は現実にいるのか・・・?」
「わからない。」
現実と虚構の区別がつかなくなる?
そんな下らない討論番組を、結城順一は小馬鹿にするかのように笑った。
いつからだろう。俺がどちらの世界にいるのか、分からなくなってしまったのは。
_________________________________________
2024年、ゲームやアニメなどの娯楽が生活に自然と溶け込み、誰しもが簡単かつ気軽に、インターネットという仮想空間にもう一人の自分を創り、楽しんでいた。
結城純一も、そんな第二の人生を送る一人の男子高校生であった。